総合指令室に居たころ(その3終わり)
当直長、当直員の座る椅子は、一部上場企業の役職員用と見まがうような豪華なもの。
ま、一日椅子に座りっぱなしのような仕事の内容ですから。
その一見静かな職場も、事故や災害が発生したら文字通り蜂の巣をつついたような騒動となるのです。
各指令が事故や災害の対応に気持ちを一つにして当たるのですから。
悲惨な事故や大きな災害もこうして一時も争い復旧に努めるのが仕事なのです。
施設指令には気象庁直結の「マイコス」と言うシステムが導入されていた。
NHKテレビの天気予報のような、レーダー写真、無人観測所の天候、
天気予報などがリアルタイムでいつでも見ることができた。
雲の流れで雨の予報など簡単に見ることができ、重宝なシステムだった。
信越線で豪雨のために列車の運行を停止し、雨雲の移動とともに雨が収まり運転を再開しホッとする。
すると間もなく、今度は雨雲が羽越線方面に行くぞ、なんて見ているとその通りになるのだ。
何年か前に「新潟福島豪雨」があり、各地に大きな被害をもたらせた。
各地方自治体は予算面もあり、難しいとは思うが県庁なりに「マイコス」を導入し、
災害の発生を予測するシステムが構築されていたら、被害は少なくて済むのにと悔しさを感じていた。
(終わり)