畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載43『早春の「鬼ヶ面」を歩く』(その1)

2015-10-31 04:04:31 | 登山

 登り始めて、しばらく。お茶タイムにしましょう。


 「浅草岳」と「鬼ヶ面」の間の鞍部にて。


  早春の「鬼ヶ面」を歩く

 山の友の誘いは何時も唐突である。三月末の「鬼ヶ面」登山の話も、急な話だった。
妻と二人で相談したが、私の大事な会議の翌日でも有った。しかし懇親会を早めに抜け出し準備をする事で参加を決めた。

 まだ朝も暗い約束の時間に、待ち合わせ場所に行ったが人影は無い。しばらく待ったが誰も来ない。
私達のあいまいな返事に、待たずに出発したと考え後を追った。道路の凍結に注意しつつ軽トラックを飛ばす。
登山口と思われる場所に到着し、探すがいない。

急遽目的地を変えたのかとも考え、会えなかったら一旦帰宅し、
家の近くの山に犬のマックスを連れて登ろうかと妻と相談していると、
一台の車に乗り合わせた仲間が謝りながら顔を出した。

 前日の相談の結果、集合時間を三十分繰り下げたのだと言う。全員で大笑いしながら身支度をした。
三月末の雪は、好天の前触れの放射冷却現象の冷気により、表面が硬く凍り歩き易くなる。
今回のガイド役は、ここ新潟と福島にまたがる山系を得意の猟場とし、熊撃ちもする地元大白川生まれの先輩である。

 民宿を営んでいた、先輩の兄上は、三年程前に不心得の山菜取りが遭難騒ぎを引き起こした際、
救助に出動し消防署員、警察官と共にブロック雪崩の直撃を受け、二重遭難の犠牲となってしまった。

 そんな、悲しみなど全く見せず、淡々と歩かれる。スタイルはマタギ風で、ムジナの皮で作った尻皮と、
猟師独特の真ん丸なカンジキが貫禄を漂わす。
七十歳近い御年と思うが、平らなペースの見事な歩き方である。

 休憩時間に山頂を望みながら、興味深いお話をする。
昔、この地域に途方も無く大きな鷲が住み着いていたそうである。猟師がいくら狙っても射止めることは出来なかった。
しかし、どこからか現れた、これまた巨大な鷲と縄張り争いの格闘を始めたそうだ。
戦いの末、敗れた大鷲は岸壁の岩棚に激突した。

 収容されたその鷲の巨大さに人々は息を呑んだ。なんと片方の羽だけを広げても、
大人が両手を広げた幅より大きかったと言う。

 そんな伝説的な話が似合うような山塊である。登りながら振り向くと、守門岳が朝日を浴びて輝いている。
守門岳に発生すると言う、日本一と言われる、大雪庇もいつかは見たいものだと思った。

              (続く)

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『焼き芋屋』スベルべにございます

2015-10-30 20:52:59 | 暮らし

 今年春からお付き合いを始めたスーパーの開店一周年記念行事に協力することに。
ま、スベルべの出来る事ってこんな程度かな。って言う事で「焼き芋屋」を店舗の前に出店。



 前日の夕方に焼き芋の釜は搬入済み。
9時のスーパーの開店時には焼き芋を並べたいと言う事で8時から準備開始。



 本日出番のさつま芋はと言うと四種類。「安納芋」「寿」「玉乙女」「黄金千貫」です。
ねとねとと甘い「安納芋」とホクホクと甘い「寿」と両極の顔見せは珍しいと思いますよ。



 ここまでの準備は超多忙なスベルべには無理な仕事。
スーパーの青果チーフが、スベルべの簡単な説明を聞いてアッと言う間に準備してくれたポップです。



 ほらほらほらー、時間を掛けて予熱した釜はすぐに芋を焼きあげてくれます。
タイミングを考えて、開店1時間前から準備した甲斐がありましたねー。



 途中で強風を伴った雨に見舞われたりして悪戦苦闘もようやく先が見えて来ました。
と、思いきや、5時の終業後の買い物客がどっと押し寄せて、スベルべもギブアップです。



 品切れですと、お客様に詫びながらの閉店でした。
でもねー、販売は終えても釜の火が中々落ちてはくれません。

 「明日もやりますから、又お越しください」なんて挨拶も忘れないスベルべは商売上手じゃないですか。
可愛いお子様連れのお客様に断るのは心苦しかったですよー。

 この年齢になって、勉強すること、学ぶことも無いとは思うのだけれども、いやー考えさせられちゃうねー。
「焼き芋屋」って端から馬鹿にする雰囲気の持ち主や、素直に好奇心を見せて見て下さるお客さんも。

 さてさて、明日はどうなることでしょうか。
スーパーでの「焼き芋屋」はスベルべトーちゃん。「農天市場」はスベルべカーちゃんが担当しますが・・・。
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そうだ柿をもごうか

2015-10-30 04:52:25 | 暮らし

 山の畑に向かう途中、JRの踏切の傍に小さな畑が有り脇に柿の木が一本ある。
山の畑に向かう際には必ずスベルべママは「あーあ、柿ももがなくちゃ」と何時も言う。

 さて、昨日は曇りと雨の天気予報を裏切る好天気(午前のみでしたがね)。
上の娘が手伝いに駆け付けてくれたことを幸いに、スベルべママと娘は里芋掘り。



 その小さな畑の傍の柿の実を採るのはスベルべの担当。
園芸用三脚と、高枝伐りの道具を持ち出して収穫を始めた。



 剪定を兼ねて大胆にバッサバッサと枝ごと柿を採ります。
いやー、想像に反して例年よりも随分立派で大きな柿の実。



 昨年に比べて、柿の実が少なく見え、侮っていたのだったが、いやー随分大きい。
佐渡島特産の「おけさ柿」にも負けないような立派な「八珍柿」です。



 ちなみにスベルべの可愛い手と比べて見たら大きさが実感できました。
いやいやいやー、大きいですよーこれはー。



 買い物かごに一杯の「八珍柿」です。
小さな柿の実が見えるけれどもこれは山の柿の木の実です。



 ほら、見えますか?分かりますか?
優しいスベルべトーちゃんはスベルべママが「干し柿」を作り易いように伐っていますよ。

 ヘタに近い部分の枝をすこし残して糸で結び易いようにと言うスベルべの心遣い。
でも、「干し柿」を作るには多すぎる収穫で、焼酎で渋抜きするために夜なべ仕事のスベルべママでした。
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ようこそ「クレソン畑」に

2015-10-29 04:13:45 | 野菜

 先日、突然面識のない方からメールが入りました。
雪国、豪雪地でのクレソン栽培でネット検索し、スベルべの「畑に吹く風」にぶつかったのだとか。



 どんな頼みでも、ホイホイと引き受けるのは善人スベルべの性(笑)。
見ず知らずの方の依頼を二つ返事で引き受けちゃいましたよ。

 メールの主は、山形県小国町の出身で現在東京でウェブデザインなどの会社を経営している方。
彼のリードで、故郷小国町の人たちと長岡で落ち合って我が家に来てくれたのでした。



 「いやー、見てもがっかりすると思いますよ、ただの水田転用ですから」のスベルべの言葉に、
「いやいや、それが良いのですよ」との御返事で決まった「クレソン畑視察」でした。



 がっかりされると思いきや「いやいやー、たいしたもんでねーか」なんて声が聞かれます。
もう転作田の表面をすっかり覆い尽くしたクレソンは十分に見学者の好奇心、興味を満たしてくれたようでした。



 さて、我が家に帰ってクレソンの試食会。
今回の見学発案者は中々の料理人で、自前のドレッシング持参でしたよ。

 このドレッシングが「乾燥イチジク」入りの中々の優れもの。
ピリリと辛いクレソンにぴったりの味で驚かされましたよ。



 さて、話し好きのスベルべの家に入るなんて「飛んで火に入る夏の虫」も良いところ。
焼き芋の御接待で、長々と説明を聞かされる羽目になりました。お気の毒さま(笑)。

 さて、スベルべは若いころからこんな性分で頼まれたら嫌とは言えぬ性格。
赤の他人からだって、頼まれたらホイホイと引き受けちゃう損な、いや得な性分なのです(笑)。

 さて、若い頃当時のスベルべの職場に有望新人が配属された。
スベルべはせっせと、知っている限りのノウハウを隠さずに全て教えましたね。

 すると、当時の上司が「スベルべちゃん、○○なんて出世してすぐ君を使う立場になるよ」なんて言う。
カチンと来たけれども、その場は我慢したスベルべでしたが、終業後の飲み会になったら切れましたよ、ぷっつーんと。

 ま、酔って言ったのではただの酒癖の悪さかも知れませんけれどもね。
「見そこなうなスベルべはそんなケチな腹の小さな男じゃ無い、追い越す実力が有ったら何時でも追い越せ、
そんな事で悔しがったりするような男じゃないぞ」なんて啖呵を切ったのだから若かったなー。

 もっもと、今でもねそんな事を言われたら黙っちゃいられない性分。
そして、損得なんざ抜きで、人の面倒をみる。うーん、これってやはり親から引き継いだ遺伝子そのものかなー(大笑)。
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さつま芋収穫ラストスパート

2015-10-28 04:07:21 | 野菜

 昨日の泥棒カラスのアップでも書きましたが、昨日は好天で絶好の仕事日和。
でも、スベルべママはパート出勤を依頼され、仕事は中抜きになり、一人でせっせとさつま芋掘り。



 遠く見える、越後三山。その内の日本百名山にも数えられる「越後駒ケ岳」には初雪の名残が見える。
数日前の冬型の気圧配置になった日に降った雪が、まだ残っているのです。

 2000メートル級の越後三山に降り、次に1000メートルの「権現堂山」に降る次は里に来る。
雪国の冬支度は欠かせない仕事だし、さつま芋も寒さには弱い作物だから急がなければならない。



 ここに残った二畝は晩生の「寿」と言う、ホクホクとした品種なのだが・・・。
どうしたことか、真っ白な「黄金千貫」が幾株か混ざっていた。



 悪意では無く、苗の生産者が間違えて混入したのか。
性善説のスベルべは、悪戯好きの若者が植えた人を驚かそうとそっと忍ばせたと思うのだが(笑)。



 晩生では無いけれども、残していた「ムラサキマサリ」。略して「ムラマサ」です。
掘ったばかりは全く甘味の無い品種で、超紫色の特徴を使ってお菓子などに使う。

 甘さが足りない故、見向きもされない品種だが素晴らしい特徴もある。
長期保存していると、澱粉の糖質化が進みそのまま紫色の「羊羹」のようになるのです。



 ピンボケで肝心の「ムラサキマサリ」に焦点が合っていないけれどもこんな色。
白い汁が出ていますが、怖いほどの濃い紫色をしていますよ。
 


 さて、三カ所に分けて植えたさつま芋も、この場所一か所は収穫終了。周りの木々も紅葉が始まっています。
ほぼ、思惑どおりにさつま芋は出来上がったがこれは甘くて美味しい「玉乙女」です。

 この「玉乙女」と「安納芋」に力を注ぎ、思った通りの収穫になったのでした。
スベルべママのパートは四時過ぎまでで、秋の夕暮れが迫る時刻にようやく帰って来た。

 ほぼスベルべ一人で、掘った芋を集め、コンテナに詰めていたのだが最後は二人で整理。
薄暗くなった農道を、12個のコンテナを積みライトを点けて帰途に着いたのでした。
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