畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載131「ジャンが鳴ると」(その1)

2017-11-30 16:05:27 | 暮らし

   ジャンが鳴ると(その1)


  一時期赴任していた、県境の職場は関東に近い、立地条件とあいまって、

賭け事の好きなメンバーが揃っていた。


 仕事の後の麻雀は勿論、休日には競輪競馬にと繰り出す。

元来賭け事も嫌いでない私は、先輩達の薫陶を十分に受けた。

誘ってくれた先輩が競輪好きだった事もあり、専ら競輪場に通った。


 競輪場のある町は、鉄道の駅さえ雰囲気が違うような気がする。

確かにタクシーは違う。小声で乗り合いを誘う。

「競輪でしょ。乗り合いでどうですか」お客も慣れたもの、知らない者同士が平気で乗り込む。


 タクシーの運転手は饒舌だ。「私もこの前、万車券を取りましてね。お客さんも頑張って下さいよ」と上機嫌だ。

そう勝負に関係無く、開催日には儲かるのだから。


 さて、入場券売り場からさえ熱気が溢れている。押されるように入場する。予想屋の元気の良い声。

立ち食いの食べ物の匂い。雑然とした賑わいは競馬場の雰囲気と比較される事も多い。

あまり紳士的では無いと。


 予想紙を買い、ついでにちびた赤鉛筆も買う。一本の鉛筆を何本に分けるのか。何でも商売にする逞しさだ。

立ったまま予想紙を読み、自分の推理も入れ考える。

本命を多めに買い、穴を狙って何点か買い足すのが、私の教えられた常道だった。

         (続く)

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儲けものの一日(その1)

2017-11-30 12:29:03 | 暮らし

 

 降らなければ儲けものの様な雪降り前の日々が続きます。

昨日はまさにそんな儲けもののような一日でした。

 畑仕事も仕上げに入り、急ぐことも無くなり、8時過ぎに山の畑に向かいます。

広域農道が沢筋を登り切り、畑に着く直前に越後三山の方向に一筋の光を見つけた。

 

  昨年の今頃も、こんな光景に出会ったっけなー。

あの時の雲間は今回よりも大きく開き、光のシャワーのようだった。

 

  本格的に雪が来る前の「八海山」は手前の風景とも相まって凛として見える。

夫婦でオートバイで「八海山」に行き、ロープウエーで登ったのがつい昨日のようにも思えます。

 

  さて、儲け仕事の一番目は落ち葉拾い。

来春のさつま芋用の温床「芋床」の材料としてどうしても欲しかったのでした。

 

 持参のレーキで、廃道に近い古い道の落ち葉をかき集めてビニール袋に詰めます。

早く集めようと思っても、農天市場の営業を終えるまでは仕舞う場所も有りませんでしたからね。

          (続く)

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快晴の仕事日和のお仕事は(その1)

2017-11-30 04:29:50 | 暮らし

 月曜日から晴れ始めた空は翌火曜日には雲一つない青空が広がった。

いつもの近所のオジサンと同級生が駆けつけてくれ、農天市場の建物の越冬準備でした。

 

 小屋、建物の裏側は吹きさらしのオープン状態で無雪期を過ごします。

冬はここに鉄の単管を使って骨組みをし、コンパネを打ち付けそして隙間は波トタン板で囲う。

 

 裏はふさぎ終えて、外に置いていた農業用資材も中に格納。

後はもう少し片付けて、資材関係を整理したら、前の屋根の支柱を畳み屋根そのもので前川をふさぎます。

 

 大事な小道具の「イボ竹」や鉄のキュウリなどの支柱もすべてテーブル下に格納。

年々増えた資材は、こうして整理することで傷むことも無く翌年も使えるのです。

 

 簡易ビニールハウスの骨組みも無事に壁際に収納。

来春はすぐに取り出してハウスを組み立てられるように格納です。

 

 建物の右側に資材を集中して片付けたので、中央から左にかけて大きなスペースが出来ました。

後は、ここにトラクターをはじめに、農機具類を格納し、最後は軽トラも春まで入れておこうと思います。

さて、こうして男三人の仕事は無事に終わりました。が、家ではスベルべママが一人で奮闘中・・・・。

         (続く)

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農天市場営業最終日の翌日は

2017-11-29 13:01:01 | 風景

 農天市場最終日の翌日、月曜日は晴天に恵まれました。

前日に小千谷のイタリアンレストラン「レ・アーリ」さんの注文が入り朝から山の畑へ。

 

 我が家の周りの雪は消えたけれど、山の上の「木沢集落」の雪はまだ残って見える。

我が家よりも標高で100数十メートルはちがうのでしょう。

 

 ナメコを探しに古い道を下りたのだけれども今年はまだ見えない。

代わりに木々の間から我が家が見えた。国道から二軒目、緑色の屋根の家です。

 

 冬、降雪を待つばかりの宇賀地郷です。

やがて一面の雪に覆われることになります。

 

 のんびりと景色を見、そして野菜を採って軽トラで帰途に就く。

するとスベルべママから携帯に着信。

 連絡をくださると言っていたのに「レ・アーリ」はもう来宅しているとのこと。

しかも、採っていなかった紫色の小松菜「紫祭り」が欲しいとのことでいったん帰宅の後軽トラで二人で山へ。

もう少しのんびりしようと思った農天市場最終日の翌日だったけれども、なかなか休ませてはもらえません。

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農天市場の11年間営業最終日(その2終わり)

2017-11-29 05:15:31 | 暮らし

 

 スベルべ夫婦にいつまでも手を振ってくれる姉妹「バイバイ~」。

本当に屈託のない、という言葉がぴったりの素直で可愛いお客さんでした。

 農天市場を始めたころに、毎週のように来て下さる可愛いお子さん連れのお客さんが居ました。

よちよち歩きだった、そのお子さんももう中学生ですからね。11年の重みです。

 

 最終日と言う事を知らずに立ち寄る一見さんも。

これで、この直売所も終わりで、来年はしませんと言うと、残念そうに立ち去られます。

 

 お昼過ぎには、品物もずいぶん減ってきました。

かべ際の発泡スチロールの箱の中はサツマイモ。箱の数だけ種類があります。

  寒い日が続くので、さつま芋が痛まないようにと箱に入れてあります。

でも、この箱入り娘のさつま芋たちは、熟成が進んで最高の味になっていますよ。

 

  片づけを終えた、農天市場のたてもののなかです。がらんとして、寂寥感が漂う。

まだ後ろはビニールで遮断しただけだけれど、今度はしっかりと冬囲いです。

 

 今年の7月、今年度の営業を始めたばかりのころですね。

夏の暑い日も、ミゾレや雪が降る寒い日も7月から11月とは言え、土、日曜日営業を続けてきました。

 訪れて下さったお客さんたちが脳裏に浮かびます。

11年間のご愛顧に感謝し、皆々様のご多幸をお祈り申し上げます。本当にありがとうございました。

           (終わり)

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