(茶道、書道とし市の主催の色々な催しを体験をし、多忙なスケジュールで、自由時間は少なかった。
我が家の自由時間は温泉に行ったり、古いお寺を訪ねたり。その中で唯一指定されていたのが、長岡花火見物)
ホームスティ(その3終わり)
彼女「ティファニー・ロジャース」は、オンボロの自動車に乗せられ、
明るい市内から照明も少なくなる我が家に向かい不安になったらしい。
「この町の人工は何人ですか」と聞いてきた。
ここぞとばかりに「テンミリオン!」と言うといぶかしげな表情であいまいに頷く。
まず、最初の会話で大嘘を言ってしまったことに気付いたのは後日の事。
当時の堀之内町は人口1万人程度。「テンサウザント(1万)」と言うべきところを、
「テンミリオン(1千万)」と飛んでも無い数字を口走ったのですから。
「変だなー、東京にも匹敵するような大都市は見えてこないし」なんて思いと「なんて下手なジョーク」
とも思われたのかも知れない。
それから2週間程のホームスティーが始まったが、可愛いテキサス娘に不自由な思いをさせたくないとばかりに、
家族全員が気を使いました。
ティファニーを何とか無事に送り出したときはなんと体重が3キロも減っていた。
食事の最中も会話を心がけるのですから、大変です。
下の娘には「トーちゃんキザ!」なんて言われるし、ティファニーと家族に気を使う小心者の父親でした。
当時86歳だった父親も賓客に気を使い、一日に3回も髭剃りをしていましたから、もう家族ぐるみの騒動でした。
ティファニーと、同行しテキサスに向かった娘を送り出して、
田舎家にアメリカの高校生をホームスティさせるという大事業が無事に終わり大安堵したものだった。
(終わり)