畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

突然、山に登ることになった(その3)

2012-03-31 04:59:28 | 登山

 山頂よりも少し低い鞍部はなだらかな草付きらしく、雪は平均に積っている。
先を行く男性二人は、いずれも古希を迎えてお出でです。

 しかし、右の男性は名だたる山の会のメンバーも一目も二目も置く正に山の鉄人。
いや、版画家としても知られ、多くの展覧会で入賞の常連となっていますから哲人かな。

 私は後ろで妻と先輩の会話を聞いて驚いていました。
「最近、足の疲労感、山で疲れるって感覚が分かってきた」
「えっ、それじゃ今まで疲れるなんてことは無かったんですか?」
「うーん、無かったなー!」
何て、さりげなく凄い事をおっしゃっています。


 振り返ると、今登ってきた尾根道が日本海のこちら側に見えます。
海には佐渡も時折見えましたが、晴れから薄曇り状態で霞んでいました。

 あの尾根道も、登り一方だったらまだ楽なのですが、登っては下り、
下っては登りの難コースでも有りましたね。


 この鞍部から一下りして、また向こうに見える電波の中継塔に向かいます。
右手の日本海を見下ろす、見晴らしの良いところに石碑が設置されていました。
新潟県の山岳連盟の設立運営に尽力された「高頭仁兵衛」翁のレリーフが刻まれています。


 ここまで来ると、東側の眼下には越後平野が広がります。
ここは、真下は弥彦村、そしてその向こうは燕市などだと思われます。
そして、はるか向こうには下越の山々が雪に輝いて見えました。


 コースは大下りして、観光道路を横断して続く。
残雪を靴のかかとで滑ったりしながら急降下です。


 さて、最後の一汗をかこうかと言うところです。
先行する女性二人をしり目に振り返ると、あの鉄人の姿が見当たらない。

 もう一人の男性メンバーに尋ねると、「スケッチしているんだと思うよ」との事。
さすがに芸術家ですね、無駄口をききながら登る私とは心構えが違います。

 後で聞いた話で補足ですが、先輩は今でも毎日トレーニングは欠かさないと言います。
ローマは一日にしてならず。と、同じで鉄人の足も一日にして成らずですね。


                   (続く)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ここで一服(弥彦山の花)

2012-03-30 05:33:17 | 自然

 さて、同じような登山の写真ばかりではつまらないですね。
そこで、一服タイムと言うことで弥彦山で出会った可憐な野の花をお見せしましょう。

 尾根道に取り付いてすぐに見つけた、「カタクリ」です。
これはまだ地表に出たばかりで蕾です。
周りに杉の枯れ葉が見えて、標高の低さが分かります。


 一株だけ見つけた満開の「カタクリ」です。
やがて、この辺りも「カタクリ」のお花畑となるでしょう。
何年か前に登った、弥彦山の隣「国上山(くがみやま)」のカタクリと明らかに違う個体です。


 恥ずかしながら、可憐に咲くこの花の名前を知らなかった。
先輩たちに「オウレン」だと教えて頂いた。
そうか、これが「オウレン」かと、しばし見とれていました。


 登山道で有る尾根の脇に次々と姿を現して目を楽しませてくれます。
漢方薬の材料としても知られる「オウレン」が、こんな群生するなんて知りませんでした。


 さて、こうなると「雪割り草」が見たいですね。
目を凝らして、ようやくたった一つの「雪割り草」の蕾を見つけました。


 そして、下山中の別の尾根道で登山道のすぐ脇に一株の「雪割り草」を見つけた。
近くでも、異なる個体の白い「雪割り草」の群落を見つけたが、写真には撮れなかった。


 「猩々袴(しょうじょうばかま)」を一株だけ見つけました。
もうすぐ、登山口に到着しようかと言う低い標高の場所です。
下に「カタクリ」の蕾も見えますね。

 

 比較的標高の低いところに咲く「菊咲きイチゲ(きくざきいちげ)」です。
私たちの魚沼では「ちゃわんばな」などとも呼びます。
これは鮮やかな紫色の個体で下した。


 これは紫色のすぐ近くで見つけた白い「菊咲きイチゲ」です。
不思議ですね、すぐそばで色の異なる同一種の花が見られるなんて不思議です。

 この「弥彦山」を囲む山群「国上山」と「角田山」も春の野花で知られています。
弥彦山を除く他の二山は標高も低く、誰にでも気軽に登れますよ。

 そして、どの山も盗掘などの被害に遭わないように守られていますから、
美しい「雪割り草」「カタクリ」などの群生地が登山道のすぐ脇で見られます。
見に行かれるならば、今か、ほんのもう少し先、そう一週間後くらいかな。
これからの気候も有るので保障はしかねませんが、きっとこんな花々に出会えると思います。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

突然、山に登ることになった(その2)

2012-03-29 04:21:20 | 登山

 尾根に中途半端に残った雪は、上を歩くにも避けて登るにも邪魔になる。
そして、尾根も登りだけでは無くて二歩進んで、一歩下がるような状態です。


 藪漕ぎ状態と、悪雪に苦労しながら登り続けると車道に到着。
この車道は作られてから何年たつのかなー、「暴挙だったね」の先輩の一言。
当初は有料の観光道路だったはずですが、きっと建設には観光か自然保護かの論争も有ったのでしょう。


 機械除雪が進んでいて、道端は段差になっている。
かなり疲労の来ている足で、「よっこらしょ」と掛け声を掛けて降り立つ。


 陽当たりと、風向き、地形の関係で残雪の量は極端に異なる。
「あの、松の木の下あたりで、風邪を避けて昼食にしよう」と先輩。


 山頂を望む陽だまりを見つけ、同行者五人が並んで昼食。
急遽作った大きな梅干お握りと、昨夜の残り物のポテトサラダの美味しい事。

 昼食の時刻は十二時半。歩き始めてから二時間でした。
二時間、汗をかいて登った苦労に対する代償と、美味しく食べられる健康に感謝。


 汗もかいているから、身体を冷やさないようにと、
五人並んだ記念写真をセルフタイマーで撮ってすぐさま出発。
道路はこんな風に、雪が残っている場所も有るのでした。

                       (続く)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

突然、山に登ることになった(その1)

2012-03-28 04:41:00 | 登山

 昨日の朝、妻が友人でも有る先輩の奥さんを訪ねようと電話を入れた。
電話を終えた妻が「出掛けるから、夕方にしてって言われた」と言う。
さらに「弥彦に登るんだけれど、良かったら一緒に行かないかだって」

 「うーん、ヨシッ、連れて行ってもらおう」逡巡したのもつかの間、
私たち夫婦も、降って湧いたような嬉しい話に乗ることに決定したのでした。

 それから、私は登山道具を整え、妻はお握りなどの食料を準備。
なんと、電話でお誘いを頂いてから20分ほどで準備は完了。
「備えあれば憂い無し」ってこんなことだったのでしょうか(笑)。

 高速を使って一時間ほど走り、海岸沿いの登山口に到着。
雪深い魚沼から来ると、雪が見えないだけで気分も、足取りも軽やかになります。


 目指す「弥彦山」は東側は越後平野、西側を日本海に挟まれた低山です。
634メートルの山頂付近は先日降った新雪らしきものに覆われ白く見える。


 足元をご覧ください。全員が履き古した「ゴム長」です。
私たちは自動車に軽登山靴、スノーシューと色々な道具を載せたけれども、
残雪期の足元はこれが一番と決定したのでした。


 交通止めのロープが張ってある手前の駐車場に車を止め、
10分ほど、砂利道の林道を登ると、日本海が眼下に広がり始める。
手前の海の色は信濃川の人工的支流「大河津分水」から流れ入る雪解け水の色です。


 先を歩いていた先輩の奥さんが突然右手の斜面に取り付き、ブッシュの中の道を登る。
先輩が「お前、良く覚えていたな」なんて冷やかして居られました。


 雪の残っていないところには「オウレン」などの可憐な花も見えましたが、
花々は次にまとめて紹介することにしましょう。

 高度を得るに従って、尾根の残雪も深くなってきます。
「このコースは我々が今年最初の登山者のようだなー」と先輩が呟く。

 ブッシュに行く手を遮られ、足元の残雪に足を取られ、
尾根道を登り始めるとすぐに、息遣いは荒く、汗も流れ始めます。

             (続く)
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花サカジーさんになる

2012-03-27 05:04:31 | 

 さて、除雪機による除雪が終わったけれども、もちろん全ての場所では無い。
60アールの畑全てと言うことになると、時間も燃料代も多く投入しなければ出来ない。

 そこで、除雪機が出来なかった部分に「消雪促進剤」を播くことになる。
商品名は特殊肥料「炭太郎」と有るけれど、なーに、鶏糞を焼いた炭化剤ですね。


 その「炭太郎」を真っ白な雪原に播いて、太陽光の赤外線、紫外線の吸収を高め、
雪を早く溶かそうって仕事なんですよ。
お、右に雪に刺したスコップに繋いだマックスのリードの端が見えます。


 小さなポリバケットを肩から提げて花サカジーさん宜しく「炭太郎」を播く。
「パッパ、パッパー、パッパ、パッパー、枯れ木に花を咲かせましょう~♪」


 喜び勇んでトーちゃんに着いてきたマックスだけれど、こんな仕事を見ても面白いはずも無し。
なんだか、元気なく尻尾を垂らしているのみでなく、時折「ヘックション」なんてくしゃみをする。


 農天市場の小屋の屋根はようやく左右に割れたけれども、
出入り口に雪を防ぐために立てかけた、高さ180センチのベニヤ板はまだ先端も見えない。
つまり、まだ積雪はこの一昨日の日曜日時点で180センチは確実に超えていると言うことです。


 散布用の道具も無いので、せっせとゴム手袋をして手撒きを続けます。
これで、この上に新雪さえ降らなかったら確実に雪消えのスピードアップが図られます。


 せっせと小半日撒いたけれども、ここではようやく8袋の消化。
もう12袋購入済みだから、山の畑への農道が除雪されたら、一番の仕事にしましょう。

 一仕事終えて、マックスと意気揚々で家に引き揚げたけれども、
汚れた手頸を洗おうと、洗面台の前に立ってびっくりー。
顔は炭焼きのジーさんのごとく、炭の粉で薄汚れ、そのまま「安来節」でも踊れそう。

 しかも、マスクを着用しなかったので少々上向きのスベルべの鼻の穴まで真っ黒!
「こりゃ、肺の中まで真っ黒だな、ま、腹の中は白いから良いか」なんて心の中で呟いて(笑)。

 これで、終わっていたなら「メデタシ、メデタシ」と成る予定だった。
しかし、なんと無情の新雪が昨日の朝は10センチ以上も、降り積もり畑は再び真っ白に。
うーん、初手からつまずくスベルべの新年度の畑仕事。
これでは先が思いやられ、心細くなってしまい気持ちも萎えがちな昨日でしたよ。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする