海づりガイド1970
これは父の遺した本だ。
そして表紙の鯛は父が釣ったものだ。
中には釣ったばかりの鯛を手に誇らしげにしている父の写真も載っている。
ところがゆきたんくは釣りはしない。
何度か海釣りに連れて行ってはもらっている。
そして父の残した釣り道具は父の友人の太公望に譲った。
釣った魚をさばくための包丁5振りも、料理が好きな人に譲った。
父の一番の趣味だったことはゆきたんくはしていない。
かつて、ゆきたんくの息子たちが自分のやってきたことに取り組んでくれて幸せだと書いた。
ハンマー投げは長男が、楽器類の演奏は次男が。
そしてのりたん(女房)のやってきた演劇を次男が。
ゆきたんくの父親はどうだろう。
釣りはしないわ、一緒に飲むことを楽しみにしていた酒は下戸だわ。
タバコは吸わないわで、共通項がありゃあしない。
頑固なところ、職人気質なところは引き継いでいるとは思うが、時間を共有するのに大切な趣味や嗜好の部分がかみ合わないのである。
それも一人っ子なのにだ。
ゆきたんくの父は寂しい思いをしたのだろうな。