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2024年3月の読書

2024年04月18日 19時28分00秒 | ★★★毎月の読書まとめ

3月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1411
ナイス数:141

鬼を待つ (光文社文庫 あ 46-12 光文社時代小説文庫)鬼を待つ (光文社文庫 あ 46-12 光文社時代小説文庫)感想
再読)亡き妻の姿を追う。揺らぐ。間違っていると知りながら足を向ける。清之介が人である証。哀しく寂しく酷い事だけれど。 生国との関わりが「商い」のみでは終わらないことをこの先遠野屋清之介はどう乗り切っていくのだろう。「人」の心は酷い。おりんへの思慕と同様に、兄への想いも断ち切れないのだから。断ち切れば楽になる。でもできない。その揺らぎがどうか穏やかな凪となる日が来ますように。願ってしまう。
読了日:03月26日 著者:あさのあつこ
雲の果 (光文社文庫 あ 46-11 光文社時代小説文庫)雲の果 (光文社文庫 あ 46-11 光文社時代小説文庫)感想
再読)遠野屋の大番頭喜之助が逝く。その、人との縁の薄かった彼の最期をひとり看取り、残された言葉を心内に抱えながらいる清之介に、またも持ち込まれる血生臭い事件。一本の帯が導く果ては寂しく哀しいひとりの男の越し方と、そして考えもしなかった事件の闇を描く。今回の再読はこのラストで初めておりんさん、清之介の側に…と願った。叶わないと知りつつも隣で「ここ」に繋ぎ止めていてもらいたい、と。ああでも。喜之助はどんな思いで「帯」を見つめていたのだろう。それを思うと果てしなく寂しい。心の中に風が吹く。そんな終わり。
読了日:03月21日 著者:あさのあつこ
花を呑む (光文社文庫 あ 46-10 光文社時代小説文庫)花を呑む (光文社文庫 あ 46-10 光文社時代小説文庫)感想
再読)ああ面白かった。と今回はやけに素直にそう思ってしまう。すっかり木暮信次郎の毒気に慣らされてしまったか?花の香りに隠された悪事。それは遠野屋清之介の兄をも巻き込んで広がる。謎解きとしてもとても楽しめるしさらに伊佐次親分の家族の物語としても惹き込まれる2本立て。ラストにびっくりな件を隠して、さて次に進む。けれど、この時くらいな謎解きと3人の関係が好きかもしれないなぁ。とくに木暮様…どんどん闇が濃くなる感じが…
読了日:03月16日 著者:あさのあつこ
地に巣くう (光文社文庫 あ 46-9 光文社時代小説文庫)地に巣くう (光文社文庫 あ 46-9 光文社時代小説文庫)感想
再読)どちらも異質である事は変わりない。どちらがより異質か、と問われても答えられない。ただ。信次郎の姿に身がすくむ。清之介の姿に胸が詰まる。信次郎の父は息子をどう見ていたのだろう。20年の時を経て隠したものを暴かれたことをどう感じるのだろう。答えのない問いが時にとても気になる。読み終えて深いため息をついてしまうのは毎回変わらない一冊。
読了日:03月05日 著者:あさのあつこ