葉室 麟 著
祥伝社
図書館で随分前に予約をして、漸く手にした一冊。
直木賞受賞作品。
日頃、「受賞作品」という選択肢は私の中には全くなかったりいたします。
実はこの本も直木賞とは無関係。
本屋さんでの紹介文とこの表紙とタイトルに惹かれて心に留め、その後直木賞受賞になって図書館予約待ちがえらいことに…(笑)
気長~~~に待って読み始めた作品は、期待を裏切らないものだった。
直木賞、納得です。
戸田秋谷の武士としての覚悟。
檀野庄三郎の武士としての覚悟。
戸田の家族のそれぞれの夫、父親に対する覚悟。
そして住まいする村での農民たちの覚悟。
様々な人々のそれぞれの立場での覚悟が描かれて
それがまた、淡々と静かに進む物語の中に力強く息づく。
秋谷の覚悟の生き方を感じながら、
武士って「武士らしく生きる」ということはつまり、誰のために命をかけて誰のために死ぬのか、でもあるのだなと、思う。
武士ってなんて不器用だろう。
まっすぐに生きることはなんて生きづらいことなのだろう。
「道」を貫こうとしたとき、それは周りの人々も巻き込んで。
時にそれは生の方向だけでなく負の方向にも働きながら
それでも曲げることのできない「決めた道」を歩み続ける。
戸田秋谷という人物の10年という与えられた「生きる時間」のなかの、最後3年ほどが静かに描かれながら
それぞれの階層の人々の様々な覚悟と生き様が伝わってくる。
文庫になったら手元に置きたい。図書館に返す前にもう一回読んでおきたい。
心に染み入る物語。
そして。
この世界は本当に時代も立場も内容も全く違うのだけれど「武士の本分」を貫いて生きるという一点において「薄桜記」と重なる。
あるいはひとりの女性のために命を捨てる。。。そんな生き方までが重なって勝手に更に切なくなっていた。
ああ、武士らしいって不器用の塊だ!
(そしてどうしようもなくこの生き方を愛おしいとも思う)
祥伝社
図書館で随分前に予約をして、漸く手にした一冊。
直木賞受賞作品。
日頃、「受賞作品」という選択肢は私の中には全くなかったりいたします。
実はこの本も直木賞とは無関係。
本屋さんでの紹介文とこの表紙とタイトルに惹かれて心に留め、その後直木賞受賞になって図書館予約待ちがえらいことに…(笑)
気長~~~に待って読み始めた作品は、期待を裏切らないものだった。
直木賞、納得です。
戸田秋谷の武士としての覚悟。
檀野庄三郎の武士としての覚悟。
戸田の家族のそれぞれの夫、父親に対する覚悟。
そして住まいする村での農民たちの覚悟。
様々な人々のそれぞれの立場での覚悟が描かれて
それがまた、淡々と静かに進む物語の中に力強く息づく。
秋谷の覚悟の生き方を感じながら、
武士って「武士らしく生きる」ということはつまり、誰のために命をかけて誰のために死ぬのか、でもあるのだなと、思う。
武士ってなんて不器用だろう。
まっすぐに生きることはなんて生きづらいことなのだろう。
「道」を貫こうとしたとき、それは周りの人々も巻き込んで。
時にそれは生の方向だけでなく負の方向にも働きながら
それでも曲げることのできない「決めた道」を歩み続ける。
戸田秋谷という人物の10年という与えられた「生きる時間」のなかの、最後3年ほどが静かに描かれながら
それぞれの階層の人々の様々な覚悟と生き様が伝わってくる。
文庫になったら手元に置きたい。図書館に返す前にもう一回読んでおきたい。
心に染み入る物語。
そして。
この世界は本当に時代も立場も内容も全く違うのだけれど「武士の本分」を貫いて生きるという一点において「薄桜記」と重なる。
あるいはひとりの女性のために命を捨てる。。。そんな生き方までが重なって勝手に更に切なくなっていた。
ああ、武士らしいって不器用の塊だ!
(そしてどうしようもなくこの生き方を愛おしいとも思う)
ハムリン先生は西南学院大学の学生時代、俳句部と映画研究会だったそうなのでシナリオも厳しくチェックされていると思うので今から封切が楽しみです。
最近は話題になると映像なんだなあ、と思いつつ、役所さんは抑えた演技が素晴らしい俳優さんですから良質な映画になることを祈っています。
私は、、実は原作が気にいると映像になるのに抵抗感てんこ盛りになる人ですので。。観るかどうかは…現時点では微妙な気持ちでおりますが。。