夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

たがが『野草』、されど『野草』は何より日本文化の基本である・・。

2010-04-14 08:11:57 | 定年後の思い
私は東京郊外の調布市に住む年金生活6年生の65歳の身であり、
今朝は4時に目覚めたが、読売新聞の配達される一時間前であったので、
ぼんやりと読売新聞の基幹ネットの【YOMIURI ONLINE】を見ていた。

そして偶然に【地域】の【東京23区】を見て、
私の住む近くのことのニュースであり、そして読みながら思わず微笑んだりした・・。

無断であるが転載させて頂く。

《・・
         多摩川の緑春の味

野草の天ぷらを競い合って食べる園児たち 
子どもたちに身近な自然に親しんでもらおうと、調布市の調布多摩川幼稚園(染地3)は
10日、多摩川河川敷に自生する野草を食べるイベントを開いた。
ぽかぽか陽気の中、参加した約70組の親子連れが、春の恵みに舌鼓を打っていた。

同園では、川を舞台にした環境学習を行うNPO法人「多摩川塾」と連携し、昨秋、河川敷のイナゴを食べる会を開催。
これが好評だったため、今回のイベントが企画された。
河川敷では、同塾長で俳優の中本賢さん(53)らの指導を受けながら、
園児たちがセリやヨモギなど約10種類の野草を集め、天ぷらやおひたしに。

同市国領町の東山凛花ちゃん(3)は「おうちでも食べたい」と、ビニール袋いっぱいの野草を持ち帰っていた。

(2010年4月11日 読売新聞)

・・》
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20100411-OYT8T00112.htm?from=navr
☆【YOMIURI ONLINE】 【地域】の【東京23区】 『多摩川の緑春の味』 ☆


私の住む地域では、私が小学生を卒業した1957(昭和32)年の頃までは、
京王腺の駅周辺の商店街を除けば、田畑が広がり、竹林、そして雑木林もある緑豊かな村であったが、
ここ50年前頃から住宅街に変貌しているので、公有地で自生した野草を見つけることは少なくなっている。

やむえず、私が買物でスーパーの生鮮野菜売り場で、特に『春の七草』の時節には、
『春の七草』と称した可愛らしいパックがうず高く積み上げられている。

セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベ、ホトケグサ、スズナ、スズシロが詰め込まれている。
スズナは野菜のカブであり、スズシロはダイコンであることは多くのお方に知られている。

私はこの七草を見たりして、遠い日の幼年期の頃が想いだされる・・。


東京の郊外の農家の子として生を受け、1951(昭和26)年の小学一年生の頃は、
祖父、父が健在で、程々の広さの田畑を耕していた。

旧暦の1月7日は、今の暦では2月中旬頃であるので、
田んぼのあぜ道、畑の小道の外れに色々な野草が数多くあった。

叔母の二人は、未婚であり、ノビルやヨモギを取り、私達にも食べさせてくれた。

ノビルは今でいうとラツキョの小型の形をしており、真っ白な小玉が先端にあり、
さっとお湯をとおした後、味噌に砂糖を加えた甘味噌を付けて口に含んだりした。
早春の頃は、カブ、ダイコン、ホウレンソウ、ネギ等の野菜の中、
子供心にもノビルは春の香りを感じたりしていた。

ノモギも叔母達が摘んで、撞(つ)きたての餅などに入れ、私達も香りと歯ごたえを共にした。

ナズナはペンペングサと呼んでいたが兎(ウサギ)を兄達が飼っていたので、餌としていたと思われる。

この他の七草は多分生えていたと思われるが、幼年期であったので、記憶が定かでない。

私の住む地域では、1957(昭和32)年を過ぎた頃から田畑は消えうせ、急激に住宅地に変貌した。


私はあの時代に口にした早春の食べ物として、主庭の一角にフキを植えている。
二月の初旬頃にフキノトウとして、頂いている。

現役時代、激務の業務を終え、休みの昼下り庭に下り立つと、
フキノトウを見かけると、10幾つかは摘めるので、家内に手渡しする。

水洗いをした後、フキノトウに味噌を少しつけ、アルムホイルに包んで火であぶる。

私も台所の一角の簡易テーブルで、弐合徳利とぐい呑みで待機する。

フキノトウの苦味、香り、歯ごたえを味わい、ぬるめの辛口の純米酒を呑むと、
春が来た、と思っている。
庭先を観れば、白梅は莟(つぼみ)か数輪の花が見られる時期である。

退職後の今は、原則として日中のお酒は自粛しているので、
夕食前に味わうが、特にフキノトウに関しては昼前、昼下りのひとときは、味は倍増すると確信している。

待ち焦がれた早春、フキノトウを摘みながら、今年も・・と感動しながら味合うので、
実感もさることなから余情を増すのかしら、と酒大好きな呑兵衛のひとりとして思っている。


このように私のささやかな思いがあり、園児が野草のセリやヨモギなど約10種類の野草を摘まれた、
と知り微笑んだのである・・。

こうした野草は、無念ながら私の住む周辺の公有地で自生した野草を見つけることは少なく、
スーパーの生鮮野菜売り場で鮮度から少し過ぎた品を見かけたりする。

昨今の園児たちは、こうした野草があたりまえのように感じることに憂い、
自生した野草を自分で摘み、そして頂くことが、何よりの日本文化の基本であると私は確信している。

そして、園児たちが農作物のジャガイモ、サツマイモなども歓声を上げられながら、
地中を掘りながら収穫しているニュースなどをテレビで視聴したりすると、
私は限りなく喜ばしいことと思ったりしている。


href="http://www.blogmura.com/">ブログランキング・にほんブログ村へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする