高級広東料理「福臨門 家全七福」
お家騒動の決着により、創業者・徐福全氏の7番目の息子となる徐維均さんが
オーナーとなった日本の「福臨門」。近年中に改名が必要とされていました。
1月丸ビル店にお邪魔した際にはまだだったようですが、6月並木通りの銀座店
(ロイヤルクリスタル銀座7F)に伺ったところ、すでに新ブランド名に改めていました。
ブラウンを基調としたモダンで優美な店内。
案内いただけたのは、メインダイニング中ほどの窓際の4人掛けテーブル席。
(ほか、クッションを設えた片側ソファテーブル席)
並木通りに面する大きな窓からは明るい自然光が差し込んできます。
また「香港」、「上海」、「東京」などと名の付いた個室(6)もこのメインダイニングに併設され、
席数は60席なのだそう。
テーブル・セッティングは、位置皿、カトラリーレスト、箸(縦置き)、レンゲ、ナプキン、メニュー。
着座後には、タオル地のおしぼり(トレー置き)の提供があり、
白いテーブルクロスを広げた卓上には塩、胡椒がセット。
某日は席のみ予約。アラカルトで点心を注文し、飲茶プラスアルファでランチを楽しみます。
鮮蝦蒸粉葉(海老と野菜の餃子)(3)@1,260
浮き粉を使った半透明の皮(澄麺皮)からは、餡の色味が透けて見える。
――美しい。
このセクシーさにズッキューん!と心を射抜かれ、思わず息を呑んだ。
味付けはなされているのでこのままで。
宝物を包んだ薄い皮に箸をつけると、吸い付くようにむっちり。
そのまま運び歯を入れる。
つるんとした皮の下で海老と野菜、各々の食感がハーモニーを紡ぎだし、
ナチュラルな美味しさが口いっぱいに広がった。 非常好食
オーダーを通した段階で、好みで使える豆板醤とXO醤も卓上に用意。
味見をしましたが、印象は、丸ビル店と大差なし。まるみのある品の良い味わいです。
魚翅灌湯餃(フカヒレ入りスープ餃子)(1)@1,840
その丸ビル店でもいただいていますが、魚翅灌湯餃、再び。
スープの表面には、フカヒレ(散翅)。金華ハムは下に沈んでしまった様子。
なお、当店では酢の用意はなかった。
(レンタロー) 同行者さんが、事前にリサーチしてくれただ。
当店では押さえたほうが、賢い組み立てなんだ。こんで、オラも賢くなるだ
レンゲで大きな餃子をすくい上げ、
噛み切ると中からはエビと貝柱がごろごろ。
黄色味がかった皮は厚みがあって独特の風味。この前(丸ビル店)は妙に粉臭いと
感じたのですが、今回は滋味豊かなスープと馴染み、口に含むと香港がしみじみと香った。
味の構築が現地っぽい。そう、本来はこの味なんだわ。好味。
安蝦咸水角(海老入りもち米の揚げ餃子)(3)@1,260
油っこさは微塵もなく、熱々のうちにハフハフ頬張ると、揚げた餅皮は外がかりっと。
中はもっちりと柔らく、とろ~として細かくカットした餡がよく絡む。
この餅皮と餡のバランスも上々。万人受け、間違いない味だと思います。
(ノブロー) オラ達もでえ好きな中華ピロシキだ。ナイスな注文だで!
千蒸牛肉賣(牛肉シュウマイ)(4)@1,260→@315×3
今月おすすめ点心よりチョイス。本来は4個での提供。人数分に合わせていただけました。
がっちり肉々しい牛肉シュウマイ。スパイスの効かせ方が、やはり香港だ。
同時にウスターソースがセット。 なるほど、これが港式なのか。
使ってみると、日本のそれ(ウスターソース)とは一味違う。
珍味帯子餃(ヤングコーン入り帆立の餃子)(3)@1,260
今月おすすめ点心よりチョイス。
むっちりとした澄麺皮に包まれた帆立は、存在感が頼もしく素材の旨みがダイレクトに伝わってくる。
これも断然、美味い セクシー系の餃子は、当店の鉄板かもしれないなあ。
蠔油叉焼飽(チャーシュー入り饅頭)(3)@1,260
オイスター風味でほんのり甘く味付けされた叉焼を、ほわっふわの皮で包んでいます。
ボリューム的にも手頃。味わいも王道という感じだ。
香麻咖喱酥(カレー入りごま風味のパイ)(2)@1,260→@630×3
今月おすすめ点心よりチョイス。人数分に合わせていただけました。
白胡麻がふんだんに散らされたパイ生地は、さくっとホロホロ。
中には咖喱粉で味をつけたペースト状の餡と細かくカットした豚肉が入っていて、
ひと口食べた時にイメージしたのはカボチャパイ。(すみません)。
マイルドなカレーの風味はするものの、もさっと甘い。
ここで、豆板醤のチョイつけ。うん、味が引き締まったぞ。
後半に注文したこともありますが、ポーション的には少し小さくてもいいかな。
(ノブロー) 作り立てもらえたで。バターの風味が効いてるだ。
韮王煎竹巻(黄ニラ入り湯葉の焼きもの)(2)@1,260→@630×3
今月おすすめ点心よりチョイス。人数分に合わせていただけました。
ぱっと見はぺらんとしてテンションが上がりにくいビジュアルですが、中にはみっちりと海老、黄ニラ入り。
湯葉巻蒸しはいただく機会が多いのですが、油で両面を焼くものははじめて。
舌に馴染みやすい確実路線の味で、ほっとくつろがせてくれます。
清炒(小)@3,220
介蘭の炒めもの。取り分けてのサーブ。
火入れ加減も申し分なくシャキシャキとした歯応え。薄味です。
(ノブロー) シンプルな炒めものは、技量が如実に表れるものだで
鮑汁章魚雞粒飯(干し鮑の煮汁を入れた干しタコと鶏肉の炒飯)2人様用@2,760
取り分け前に「写真は大丈夫ですか?」とスタッフのお姉さん(中国人)から声掛けあり。
細やかな心遣い、ゆとりある接客に感じ入った。
炒飯は2人様用でこれぐらいですから、3名で取り分けるには丁度良い量かな。
「香宮」さんの鮑汁入りリゾット風チャーハンは、気に入って、ちょこちょこいただいていますが
さて、ご本家の味はいかがなものでしょう♪
長粒米使用。鮑汁のエキスに干しタコだけではなく、贅沢にがっちり干し貝柱入り。
濃厚なダシが味にぐっと深みをつけ、ぷっくりとした鶏肉が食感にメリハリを与える。
実にリッチな味わいです。
しかし、作り手が違うためもあるのでしょう。
リゾット風チャーハンに慣れた私にはやや甘めに感じられた。
とこしえの旨さ比べ、容易に比較できるものではありません。
合桃露湯丸(白玉入りクルミの温かいスープ)@1,155
最後はデザートタイム。 このタイミングでおしぼりの差し替えを受ける。
先日、「富麗華」さんで断念したこともあり、メニューから迷わずクルミをチョイス。
クルミには美容・薬効、様々な効能が期待でき、かの西太后もくるみ汁粉は愛飲していたとか。
アンチエイジングにも一役買っているとなれば、飲まずにはいられない。
口をつけると熱々で身体の芯まで温まるぽってりとした口当たり。
風味が豊かでこっくりと味わい深く、優しく胃袋に浸透していく。
――う~ん。なんだか、じわじわ効き目がありそうだ。
スープに浮かぶもちもちとした白玉には黒ゴマいり。
しかも、とろっとしたタイプではなく、粗挽きの黒ゴマで凄いツブツブ密度。そのため風味が良い。
ちなみに、同行者さん達も同様に温かいスープを注文。
ここに、汁粉兄弟(姉妹?)が集結。
紅豆沙湯丸(奥・左)、杏仁茶湯丸(奥・右)、各@1,155です。
なお、ドリンクはティーポットでいただけるサービスのお茶で済ませました。
お会計はサービス料10%が加算され、1人当たり9,000円(千円未満四捨五入)。
テーブルチェックにて。
同行者さんの尽力により、アラカルトで同店の魅力を味わえたように思います。 感謝。
「福臨門 家全七福」銀座店さんの飲茶。ある程度の人数を揃えたうえ、訪問をおすすめします。
福臨門 家全七福 by SEVENTH SON 銀座店
東京都中央区銀座5-4-6 ロイヤルクリスタル銀座 7F
TEL 03-6215-6996
営業時間/ 火~金 11:30~16:00 17:00~23:00
土・日・祝 11:30~16:00 17:30~22:00
定休日 月曜日(但し祝日の月曜日はランチのみオープン)
※ランチ満足度は、4.8~5.0