「庭のサンシュの木♪ 鳴る鈴かけて…♪」突然ですが宮崎県臼杵郡椎葉村の民謡「稗搗節」の一節です。
庭木などに興味など無かったのですが、毎年秋になると赤い実を付ける木の名前を、今は亡き我が家の古老に尋ねたところ、「サンシュだ」と教えてくれました。「『庭のサンシュの木…』と唄われているじゃないか。」と言っていたのでありますが、歌?唄?詩?一向に思いつかないのであります。第一、この木は山茱萸(サンシュユ…ヤマグミ)であって、サンシュなる木ではないのであります。
こんな時は、歌詞をググッってみることに…「庭の山椒(サンシュ)の木~♪」…Oh!これもまた、今は亡き東海林太郎さんが直立不動で歌っていた「稗搗節」の一節ではないか!ならば、古老が言っていたことも頷けるのであります。一方は、山茱萸(サンシュユ)のユが抜けて説明し、詩の一節は宮崎県日向地方で山椒(サンショウ)をサンシュと発音するのだとか。昭和28年頃レコーディングされた歌では、私も知っている訳もないのであります。
「那須の大八 鶴富捨てて 椎葉立つときゃ 目に涙よ~♪」源頼朝に平家追討の命を受けた那須大八郎と平家落人の鶴富姫の悲恋…吉川英治作「新平家物語」にもエピソードが紹介されているとか。
我が家の古老は、歌が得意ではなかったのであろう^^; 歌詞なのか、詩歌の一節なのか今日まで不明だったのでありますが、そう言えば、亡くなる直前まで「唄の文句じゃないけれど…」などと良く口にしていました。はて、その後何と言っていたのだろうか?もしかするとこれも歌謡曲の一節だったのではないかと思い調べてみると・・・ありました^^;
「唄の文句じゃないけれど お金も着物もいらないわ 貴方ひとりが欲しいのよ♪」お座敷小唄であります。
何の抑揚も付けず、平坦に歌詞を口にするものだから、何か詩歌の一節かと思っておりましたが、なかなか艶っぽい唄も知っていたのではないですか。バルタン星人のハサミのような、山茱萸の花芽を見ながら、スッパリと切れ味鋭く、ふたつの疑問が解けたのでありました。さぁ、今夜はシマの忘年会…私はマイクを握れば離さない…。
少々、ハメを外して、ひと騒ぎして来ましょう^^;