その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

夢屋王国(もさもさ)

2011-12-28 12:16:40 | 夢屋王国

「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
        次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。」(三好達治:雪)

毎年覚悟していることではありますが、雪が4日も降り続くと雪片付けは寒いし辛いし…。三好大先生のように、音も無い暗闇の世界で、只々降る雪をイメージする余裕など無いのであります。『夢屋国王』が小学校に通っていた頃は、光村教育図書が指定教科書であったので、確か国語の授業にこの詩が出てきた記憶はあります。山形県に暮らしながら、この詩を読むと何故か、この情景は長野県あたりであろうと勝手に解釈し、茅葺屋根の民家が点在する山間の集落であると決め付けてきました。山形にはこうした情景は無いのか…いや、ありますよ。ありますが、イメージは長野県なのであります^^;「音も無い世界をしんしんと雪が降る。」…どこか変ですよねぇ、この表現。音が無い世界と言いながら、「しんしん」と雪が降ると、まるで音をたてながら雪が降っているような表現をする訳ですから…。
これが日中降っていると、我が在所ではどう表現するか…「いや~雪が、もっさもさ降ってきた~!」…お出掛け前に、遅々として準備が出来ないでいると「もさもさしてねで、早ぐしろぉ~!置いてぐぞぉ~」と親に怒鳴られる。同じ「もさもさ」なのでありますが、一方は、擬音的な表現であり、一方はノロノロする様を表現しております。この4日間の雪は、「ぴゅっぴゅど吹いでだぁ~!」となりますか^^;
「もさもさ降る」は、大きな雪片の牡丹雪。「ぴゅっぴゅど吹く(降るのではなく吹くのであります。)」西高東低の気圧配置から吹きつける吹雪を指すのでありますが、こうしてみると雪国も表現豊かであります。

ようやく寒気も緩みそうであり、まだ肉体的にも余裕があるようで、言葉遊びを楽しんでいられます。この雪が一週間も続くならば、顔が引きつり、肉体もあちこち軋み始めます。さらに、一週間降り続くと、引きつった顔が、笑い顔に変化します。人間というものは、天からの贈り物(大雪)を頂戴すると、最後は苦痛の顔も引きつった笑い顔になってしまう。完全なお手上げ状態を意味します。平成15年の豪雪の時は、隣近所のオヤジたちと「もう、お手上げだねぇ…。」と笑っておりました。太郎や次郎を眠らせる雪は、王国内の昆虫たちも深い眠りにつかせております。さて、本日を持って年末年始の休業に入りますが、今夜、職場の忘年会を終えれば、明日は屋根の雪下ろしをしなければならないだろうなぁ…雪下ろしをサボると、太郎や次郎がスヤスヤ眠るどころではなく、一生深い眠りに着くことに成りかねませんから^^;

No.〇×△ ハサミツノカメムシ(♀)
ショルダーパットのオレンジ色がオシャレであります。♂は交尾器が突出していますので(名の由来であるハサミはここから来ているのでしょう。)容易に♂♀の判別が出来ます。はぁ、彼女はもさもさしないで、休眠していることでしょう^^;

コメント
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