その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

役立たず

2019-07-30 05:05:58 | 転職

「名を へくそかづらとぞいふ 花盛り」
作 高浜虚子

『役立たず』とは、役に立たないこと、または、役に立たない人や物。確かに箸にも棒にもかからない人や物はある。が、私のお世話になった『渡部農場長』は、別荘で自作の石垣を積みながら「欲しい場所に適した石がゴロゴロと転がっているものだ。」と退官後、齢60を超えて達観された。人、物は存在する。使えるか使え無いかは、使い手次第であると…。
勤め人時代、部下の総てが優秀だったとは思えない。適材適所を見出すことが出来れば使える人間となり、それが叶わなければ使えない人間との評価にもなるが、使える場所を見出せない私自身が、使えない上司だったのかも知れない。使えなければ、放置され腐る。腐れば、さらに放逐される…そんな繰り返しである。「名は体を表す。」ばどとも言いますが、「ヘクソカズラ(屁糞葛)」とまで命名されるとは、この植物も可哀想であります…「しもやけ」や「ひび」の民間治療薬としても薬効はあるとされているのに。命名者は、牧野大先生あたりかな(笑)


「タイヌビエ」もなぁ

植物の世界では、役に立たないもの、本物よりも劣るものに「イヌ」を付けられた例が多い。「イヌタデ」「イヌザンショウ」etc.なんてね。「タイヌビエ」もまた、食用となる「稗」から見れば、生産量が劣るのだろう。名誉な「イヌ」の称号を与えられております。まだ、出穂期前の田んぼでは、いち早く開花し、結実し、稲刈り本番を迎える頃には、子孫(種)を大量に蒔き散らしております。今は、選別機の性能が高く、ヒエの種は選り分けてしまいますから、混入しても影響は特になし。その子孫を残す手段を考えると、見事にイネの栽培サイクルに適合した進化を果たしたとも言えるのでありますが。
「自分は、役立たずである。」…中坊たちよ、自分を卑下してはいけない。必ずや適所は誰にでもあるのだから。

コメント
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