「道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思ふ頃、
雨脚が杉の密林を白く染めながら、
すさまじい早さで麓から私を追ってきた。」 (伊豆の踊り子より)
さすがノーベル文学賞作家…川端康成大先生の作品は、冒頭からツカミはO.K.であります。雪のない「睦び月」に、通常であれば「キュッキュッ」とサラサラな雪を踏みしめる頃でありますが、今年は「サクサク」と音を立て、足裏に霜柱を踏みしめる感触を楽しみながら畑を徘徊しております。総てを白く覆い尽くすはずの雪がない。けれども恋する貴女は来ない。貴女が来ないのは、降りしきる雪で来れないのではなく、ただ私がフラレただけのことであります^^;
「ヒメオドリコソウ」が真っ赤に萌えて綺麗です。
畑の中で、ナズナの花を見つけ、次いでヒメオドリコソウやハコベの花にカメラを向けている自分…不思議(不自然)な世界であります。昨日は「ナミハナアブ♂」が飛んで来ました。物陰に潜んで成虫越冬するタイプであれば、気温の上昇で出て来てもおかしくはない。戻るべき場所を間違えて、一気に冷え込む朝方に凍死さえしなければ問題ないことなのでしょうけれど。ましてや、精子を抱えた♀が、春先に産卵すれば種の保存には問題ない訳であり、こんな時、♂の役割って何なのよなんて考えてしまいます^^;
ハウスの中で、春菊回りの除草をしていたら、ニホンアマガエルが眠りを妨げられて、のそのそと這い出して来ました。(ありえへん!まだ、1月だと言うのに。)まぁまぁ、おかげで真っ赤に色付いたヒメオドリコソウやスイバを見ることが出来ましたので、得した気分ではありますけれどね。
日曜日なのだから身体を休めよう…
朝風呂に浸かって、気分も身体もリフレッシュ…しかし、生来の貧乏性は治らない。10年以上も放置していた「実体顕微鏡」を取り出して、年末に購入したカメラを充てがったら、何とか画像が撮れた。あとはアダプターを発注すれば、念願のミクロの世界に突入であります。(細かい性格が、さらに狭い世界に飛び込むようではある^^;)
ヒメオドリコソウの先端に弾けた「アオムシサムライコマユバチ」の蛹は、近くのアブラナ科の植物を食べたモンシロチョウの幼虫が蛹化する直前に飛び出したものなのだろうけれど、この繭にさらに寄生する「アオムシコバチ」もいるらしい。「万物の霊長」などという表現もありますが、最近話題の「コロナウイルス」…より高次な生物に侵入することによって、生命環を繰り返している訳だから、高次と言われる生物が存在しないと存在し得ない生命体であり、最も原始的な無生物と生物の間にある生命体が、最も進化した姿かしらなどと禅問答にも似た思考を繰り返しております。いかんイカン!もっとマクロな物の見方をしなければ…大切な日曜日の午後、俳優の不倫騒動なんぞ、何の役にも立たないテレビ番組を垂れ流しするよりはまだマシかのう(笑)