町立図書館で時間調整…
昨日、前職場の「同期会」のメンバー二人が退職の日を迎えました。時節柄、飲食を伴う送別の宴は開催できないので、花束を贈って新たな門出をお祝いしたのでありますが…。
出荷先の直売所の総会もあり、少々時間に余裕があったので、久し振りに図書館で蔵書を眺めて時間調整をしたのでありますが、開架書庫の冊数も以前に比べて充実してきたようです。(冊数を競うことより、利用していただくことが重要なのは当然です^^;)さて、その中で「あしなが蜂と暮らした夏」という本が目に止めりましてね、90頁ほどの本でしたから読んでみました。京都比叡の片田舎で「セグロアシナガバチ」を観察した本なんですけれど、著者「甲斐信枝さん」は絵本作家さんなんですねぇ…スケッチして描く、その観察眼に舌を巻いてしまいましたよ。「スズメバチ」が「ミツバチ」の巣を襲う(異種間)という行動は良く知られた事実でありますけれど、「セグロアシナガバチ」の創設女王が他の「セグロアシナガバチ」の巣を襲う(同種間)という行動を40年も前に観察されていたようであります。彼女はこの行動を『こぬすみ(子盗み)』と表現されておりましたけれど、文献を調べたところ「幼虫盗み行動」については、2021年10月に伊丹市昆虫館友の会の「井上治彦さん」がワーカー(働き蜂)による同様の行動を報告しているようです。アオムシを狩って肉団子を作るより、別の巣から幼虫を盗み出すことの方が効率が良い訳でありますが、『異種間の食物連鎖』ではなく『同種間での食物調達』という行動に目からうろこの感想を持った次第でありますよ^^;
とは言え、寒の戻りで温かいものを…
ライオンやサルがボスの交代で『子殺し』をする行動は、「他者の遺伝子を排除し、雌の新たな発情を促す。」というような説明で納得し、『同種間で殺し合うのは、おろかな人間だけである。』というような言説にさもありなんと何の検証もせずにうなずいてしまうのだけれど、日常生活の中にもまだまだ人智の及ばないような『秘密』が隠されているような気がする。年金暮らしになったら「アンリ・ファーブル」のように身近な昆虫の行動を観察してみたい…そんな淡い夢も、今では生活に追われて殺虫剤ブワーの世界ですから^^;
はてさて、「甲斐信枝さん」の本の中で、お百姓さんである地元の「おかあ」が登場する。「自然の摂理」を熟知しているかのような「セグロアシナガバチ」の行動に「あほは人間だけや」と喝破してしまう…どうにかしてでも他人より優位に立つ。世の中にはびこる「イジメ」も、身近なことでは「直売所での売り上げを他者よりも上げる。」という行為にしても、「優位な立場に立つ。」という姿勢の表れかも知れない。新鮮で美味しい物をより安く…小賢しい悪知恵よりも誠意をもってなんてね。暑すぎた一昨日に比べて、ブルブル震えるような今日の寒の戻り…『おやじぃ』の商売への『勘の戻り』は、まだまだ先のようでありますけれどね(笑)
#戦争反対 食物や生活空間など要求要素の似かよった近縁二種は共存することが難しい…「経済圏の確保」も生活要素のひとつかも知れないけれど、民族は違えど同種間で『子殺し』をするなんて許されない。もし「人間が高等生物である。」と主張するならば、愚かな戦争は止めようよ。