絵入り随筆 エッセィ・つぶやき

自作の油絵・水彩画、デジタル写真等を入れて、季節の移ろい、雑感などを書いていきます。

栗橋宿 ① 洋品店

2008-04-30 00:05:40 | 絵画
栗橋宿の古い建物は東武日光線栗橋駅から北東方向に向かい利根川橋の近くにあります。
本来の栗橋宿は駅近くから利根川の渡し場にかけてあったのだと思います。利根川橋南詰めの辺りに5軒ほど点在しています。
利根川の対岸には嘗ては中田宿があったのですが、私が探した範囲では由緒ありげな白山神社以外にはそれらしい建物は見つけられませんでした。
この洋品屋さんは現在の繁華街からは外れているし、道路の反対側は利根川の土手ですから買い物客の往来はあまりありません。古くからのお得意さん相手にひっそりと商いを続けているという感じでした。

幸手宿 ⑩  しもた屋に改造した家

2008-04-29 06:07:42 | 絵画
この家は右半分を車庫に、左半分を玄関に改造して、お店からしもた屋に直しています。
しもた屋は前にも触れましたが仕舞た屋つまり店を畳んで商売から足を洗った家を言います。仕舞った店ということのようです。
石の門柱もあるし庭もかなり広いから、以前は手広く商売をしていたに違いありません。
幸手宿はこの章でお仕舞いですが、幸手町はこじんまりと落ち着いた感じの良いところです。ジョイフルホンダだけでなく少し足を伸ばして幸手の町を散策されるのも楽しいですよ。

幸手宿 ⑨ 採光窓のある店

2008-04-28 05:42:54 | 絵画
一階表戸の上に採光のための窓が二段付いています。今までに掲載した家の中にも採光窓と思われるものが付いていた店はありましたが、この店のように二段になっているものはありませんでした。
この窓によって店内は奥まで自然光が入り商品が良く見えたことでしょう。
明治に入り産業革命によって工業製品の生産が増加し商品が豊富に出回るようになりました。
買い手には商品選択の余地が増えてきて、じっくり品物を吟味する余裕が出来る明るい店の方が集客力が強かったと思われます。
商売の方式が店の信用、人と人との信頼関係で成り立っていた旧来のものから、品物をよく見て選ぶように変化し、品揃えと高品質がセーリングポイントに変って来たのでしょう。
窓の構造からの推論です。当たっているかどうかは保証の限りではありません。

幸手宿 ⑧ 重厚な屋根の家

2008-04-27 00:02:38 | 絵画
この家の二階部分の屋根は他の家とはかなり違った重厚さがあります。「頭でっかち」な造りで福助人形みたいに重心がかなり上になって見えます。
棟梁の好みなのか建て主の意向なのか分かりませんが、ことさら重厚にしたのには何か目的があったのだと思われます。これだけの屋根瓦を支えるには土台から柱、梁などの部材を強度のあるものにしなければならず建設費が嵩むことになるのですから、見た目が良いから、なんて言う理由だけとは考え難いのです。
こんな事を考えるのは私が貧乏性だからかも知れません。お金持ちの鷹揚な建て主なら、「金に糸目は付けないから、他には負けない良いものを作ってくれ。」なんて言うのかも知れません。私もそんなことを一度で良いから言ってみたいものです。

幸手宿 ⑦ 日光街道の看板のある家

2008-04-26 00:51:46 | 絵画
この家の前にあるバス停みたいな形の看板は此処が日光街道の宿場であった事を示しています。
この看板は幸手以外の宿場では見かけませんでしたから、幸手市が独自に掲示しているものなのでしょう。歴史的遺産を市民に知らようとする姿勢は好ましいです。
もう一歩進めて保存とか補修にも市が手助けしてくれると幸手の古い建物も長く生き延びることが出来るのですが、そこまでやろうとする熱意はないようです。
この家の雨戸もガラス戸もかなり年季が入っていて木の温もりが伝わってきます。アルミサッシなどに取り替えてしまったらこの雰囲気は無くなってしまいます。
自然の素材だと歳を経るごとに美しさが増してきます。人も自然素材と言えないこともないから私もそうあるべく努めたいです。

栗橋宿 ⑥ 永文商店

2008-04-25 09:13:55 | 絵画
永文商店の飾り窓は今まであった中で一番大きく幅を取っています。
ディスプレー機能を拡大させて、より近代的なデザインに近づいています。
お酒をメインに、その他衣類なども扱っているようで、飾り窓のど真ん中に大きなみどり色の酒瓶が鎮座しています。大酒飲みならこの瓶を見て、「こんなのを買って心ゆくまで飲み尽くしてみたいものだ、」と考えるのでしょうか?
私も近頃は日本酒も嗜むようになりました。評判や値段に惑わされずに、お値頃で美味しいお酒に巡り会えた時の感動を大事にしています。

幸手宿 ⑤ 棕櫚の木のある家

2008-04-24 03:01:50 | 絵画
棕櫚という植物がいつ頃から日本で鑑賞されていたのか知りませんが何となくバタくさい感じがして外来植物ではないかという気がします。
棕櫚竹は江戸時代には高価な愛玩?植物として金持ちの町人などが育てていたようですが、こうゆう大型の棕櫚はどうだったのでしょう?
この家も斜め右と左の2方向から描きました。

幸手宿 ④ ポストのある家

2008-04-23 00:09:13 | 絵画
左側にある赤いのが郵便ポストです。受け取る方ではなく投函する方ですが、円筒型の昔のタイプではなく四角い鉄板製の物なのは残念です。
この家には円筒形のポストが似合うのに、、、
幸手宿は嘗ては栄えていたらしく、残っている家の間口が5間、6間もある間口の家が多かったです。6間もある間口の店は大店(おおだな)ですからその大きさの家が軒を連ねていると言うことは幸手が栄えていた証拠です。
利根川の水運を利用するなら次の栗橋宿の方が川に近いので水運の利が理由で栄えたのではないと思います。

幸手宿 ③ エアコン室外機のある家

2008-04-22 00:04:01 | 絵画
古い家に住んでいるからと言って、生活も昔のままという訳にはいきませんから、エアコンもあるし、テレビも当然あるわけです。エアコンの室外機があっても不思議なことはないのですが、なんかそぐわない感じがします。
古い瓦の上に鎮座しているピカピカの室外機は艶を失ってしまった瓦の雰囲気にはマッチしません。せめてもう少し落ち着いた色ならと思いますが、室内機には木目調などを選択出来ますが、室外機はには選択の余地が無いから仕方ないですね。
断熱性も劣るし、気密性も良くない古い家を冷やしたり暖めたりするには、エアコンは大車輪で奮闘しなければならないから電気代も高くつくことでしょう。

幸手宿 ② 飾り窓のある店

2008-04-21 00:07:56 | 絵画
店の両側に飾り窓があります。今で言うショーウインドです。
この建物の建設当時からあったとすればショーウインドと言うよりは飾り窓という方が良いのかと思い、この表題にしました。
飾り窓というとオランダ・アムステルダムの方の飾り窓を連想しそうですが、この場合は人間ではない商品を展示する場所の意味です。
このシリーズを描いていて、同じ形式の窓を持っている家はかなりありました。
今でもこの形式を踏襲した店舗デザインは健在です。店舗入り口の脇に一枚ガラスで斜めに作ってあったりと、お洒落な感じに進化してはいますが、基本的には同じ設計思想です。
これより古い店舗形態では客を店の上がり框に座らせて奥から商品を運んできて見せているやり方ですから、飾り窓に商品を並べて通りがかりの人にも見せるというのは画期的な変化だったのです。

幸手宿 ① 三角形の家

2008-04-20 00:05:42 | 絵画
幸手宿にもかなり古い家が残っていました。
この家は今まで描いてきた家とは形が違っています。大きな寄せ棟の屋根で全体が白い漆喰で塗り固めてあります。店舗部分は張り出した形でとにかくユニークです。大屋根の屋根裏部分が二階になっているのも面白い構造です。
施主さんから周りとは違ったものを作ってくらなんて言われて、腕の良い頭領が拵えたものでしょう。
今なら建築部門のデザイン賞を獲得出来たことでしょうが、当時もきっと近在の評判になったに違い有りません。
私も縦横斜めからじっくり見せて貰い、二枚描きました。



杉戸宿 ⑧ お屋敷

2008-04-19 00:21:06 | 絵画
コンクリートで安直に作られた集合住宅が○○マンションとか××メゾンと名乗っているのはマンションやメゾンの本来の意味からすると烏滸がましいし、海外で住所を告げるときには恥ずかしくなってしまうと思うのですが、1Kマンションなんて言うのまで登場しているのですから何をか言わんやです。
そんな家の格を表す言葉の安売りの中で、この家はまさにお屋敷という言葉がぴったりの良い家です。
門構えも歌舞伎門というよりお寺の山門を思わせる重厚な造りです。昔は名主屋敷か庄屋を勤めた家柄なのでしょう。
戦後の農地解放で小作農を沢山抱えていた大地主は農地を失い没落してしまって家屋敷を手放したケースが多かったから、こういう家が残っているのは奇跡とも思えます。

杉戸宿 ⑦ 黄色い販売機のある家

2008-04-18 00:07:47 | 絵画
この家は平屋で間口奥行きとも狭く、昔は一膳飯屋でもやっていたのかと思います。
田園地帯だから八百屋は成り立たないでしょうし、魚屋は海から遠い杉戸では無理だと思います。現在は地方によく見られた何でも扱うお店ですが、店の左右にデンと置かれた黄色と白の自動販売機が目立ちます。赤とかオレンジの派手な色でないところが奥床しいと思いました。
日本では街並みの統一性という観点はあまり考えてはいません。法による規制も無いので、色と色が喧嘩するような配色で街並みが雑然とした感じになります。屋外広告も屋根や壁の色も区々で派手な色彩で目立たせようと考えるデザイナーが多いのは困ったことです。
浮世絵に見られるようなすぐれた色彩感覚は何処へ置き忘れてきたのでしょう?

杉戸宿 ⑥ 店舗居宅併用の家

2008-04-17 00:01:49 | 絵画
今まで描いていた家は殆どが前面だけのものでした。この家は偶々横が空いていて奥の部分も見えたので、斜め横からの絵が描けました。
前面は店舗で奥の部分と二階がが住宅になっているものと思われます。
奥は棟高が一段下がっています。中二階といった感じで、納戸的な使い方をしたのでしょうか?或いは使用人の為のスペースだったかも知れません。
昔の商家の暮らしぶりを想像しながらの写生は楽しいです。