絵入り随筆 エッセィ・つぶやき

自作の油絵・水彩画、デジタル写真等を入れて、季節の移ろい、雑感などを書いていきます。

越谷宿の歴史ある家たちプラスα  18 会田金物店

2013-06-29 20:42:50 | 絵画

会田金物店は前回も描いています。

しかし中々味のある建物ですから今回も描きました。

空き地を挟んで向こうに遠藤家の蔵も見えます。

この空き地には以前は遠藤家があったのです。

お店の左側にある倉庫には珍しい落書きがあります。

上野のお山で官軍に抵抗して破れ会津に敗走する途中に

描かれたものでしょうか?

若武者が戦闘する様が描かれています。

落ち武者が落書きをする余裕などあろうとは思えませんから、

後世の何者かの悪戯書きではないかと思います。

会田金物店の建物も、先般の地震でかなり傷みが進んだそうです。

それでもしっかり重い屋根を支えている昔の匠の技には敬意を表したいです。

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  17 遠藤家の蔵

2013-06-29 06:16:33 | 絵画

遠藤家の蔵は前回のシリーズでも描きましたが、今回、描き直してみました。

会田金物店との間は今は空き地になっていますが、

古い資料を見るとこの場所に遠藤家が建っていました。

なぜその建物が除却されてしまったのか、

事情は分かりませんが残念なことです。

私の見た古い資料では、会田金物店・遠藤家とその蔵が

連なって建っています。

古き良き時代を彷彿させる写真でした。

過去を語る場合に「もし」とか「たら」は禁句ですが、

「もし」私がもっと早く越谷に移住して、すぐにこれらの絵を描いていれば、

少なくとも私のスケッチブックには残せたのにと、とても残念です。

下の絵は上の絵の鉛筆画です。


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  16 小さなお社

2013-06-28 09:40:48 | 絵画

この絵だけを見ていると何処が小さいのだ?と思われるかも知れません。

ハウステンボスの外国の町並みのように全てが小ぶりに作られているので

お社の大きさが分からないのです。

鳥居も人が屈んでくぐれるほどの大きさですし、

お社本体も屋根の天辺まで2m位しかありません。

良く個人のお宅にお稲荷さんが奉ってあるのを見ることがありますが

それとは違うのです。

200坪ほどの敷地の真ん中に堂々と建立されていますし、

それなりの参道も備えているのです。

遠くにある民家と神社が同じ高さに見えますから小ささをご想像下さい。

越谷市内にはこんなミニ神社が他にも幾つか見受けられます。

越谷の人たちは信心深かったのか? 小さな地域で毎の神社を

持つ習わしだったのか?新参者の私には不思議な存在です。


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  15 米長乾物店

2013-06-27 15:18:27 | 絵画

米長乾物店は前回の日光街道シリーズでも正面からの構図で

描いていますが、今回は斜め横から描きました。

キッコーマンの琺瑯製の看板が珍しいから絵心を誘われたのです。

いまこんな手間暇のかかる琺瑯看板を作るメーカーは無いと思います。

この琺瑯看板はおそらく数十年の年月を歴ている事でしょう。

軒先に吊されているタバコの看板も琺瑯製です。

この乾物屋さんの建物と一緒に琺瑯看板もずっと

生き残っていて欲しいものです。

琺瑯というのは金属に硝子質の素材を焼き付けたもので

衝撃には弱いですが、ペンキや印刷で作ったものとは違い

耐候性は抜群です。

私が趣味で作る七宝焼きと原理的には同じものです。

 *複数の絵を掲載している場合も表題の番号は地図表示番号にしています。

  番号索引の地図を再掲します。

  ご参考になさって下さい。

  (注・地図はグーグルのものを借用しています。)

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  14 稲荷屋・スマイル

2013-06-27 07:25:08 | 絵画

稲荷屋も正面は黄色いモルタルで化粧していて、折角の古い木組みを隠しています。

私の水彩画の描き方は先ず鉛筆で描きます。

それもかなり丁寧に陰影まで描き込みます。

そのあと透明水彩で彩色するのですが、絵の具には拘っています。

国産の水彩絵の具は透明度もイマイチだし、色数も少ない、

発色も物足りないのです。

私の愛用ブランドはイギリスのウインザー・アンド・ニュートン社製の

キャラメル形のものです。

昔は高くて買うにはそれこそ清水の舞台から飛び降りほどの

決意が必要でしたが、今はかなり気楽に買える値段になっています。

稲荷屋さんは左右から2枚描いています。

こちらから見ると奥に蔵があり奥行きがかなり深いことが分かります。

奥の蔵はスマイルという店になっています。


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  13 鍛冶倉商店

2013-06-26 14:31:14 | 絵画

鍛冶倉商店は旧日光街道沿いにありますが、ご覧の通り正面から見たのでは

歴史ある建物とはわからない造作が施されています。

横から見るとかなり古い建物であることがわかりますし、敷地も奥行が深く

間口の広さで税金がかけられた時代からのものであることがわかります。

大きなテントとシャッターで覆われているのは勿体無いと思いました。

テントのデザインは良いセンスなのですからこのセンスを古い木組みを活かす方向で

発揮できたら良い趣の店構えになるのではないかと考えました。

使い捨てのビニール傘が幅を利かせているご時世ですが、和傘や雨の日が楽しくなるような

質の高い傘で鍛冶倉さんには勝負して欲しいです。

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  12 黒壁の蔵と民家

2013-06-25 17:18:23 | 絵画

この家は医院の陰に隠れるように建っているからお医者さんの駐車場から

覗き込むような姿勢で描きました。

地図にプロットする段階で確認に行った時も、一年以上経っていたから場所を忘れてしまい

ちょっとまごつきました。

黒壁のしっかりした造りの蔵で、蔵に寄り添うように今様の作りの家が建っています。

蔵の持ち主がこの蔵を大事に使っている思いが伝わってきます。

この先も何時までも大事に使っていって欲しいと思います。

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  11 平野屋時計店

2013-06-25 08:10:59 | 絵画

平野屋時計店は盛業中とは言いかねるようですが、お店は開いています。

この家も本来の美しい木組みは隠していて、安っぽい感じになっています。

ショウウインド部分はともかくとして二階前面を覆っている

似非近代風の造作は取ってしまいたいです。

古いままの風格ある店構えにして和時計でもディスプレイに置いたら良いのではないでしょうか?

クオーツのデジタル時計は量販店に任せて、機械式の時計に特化した品揃えにしてみたら

良い時計をステータスとして考える愛好家やコレクターの客が増えるかもしれません。

携帯電話で日時がわかるから、いま腕時計を使っている人は少なくなっています。

私もここ数年、腕時計は嵌めていません。

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  10 用水桶とキリンの自販機のある家

2013-06-24 07:55:12 | 絵画

この家は屋根もそれを支える木組みもしっかり残して大切に使われています。

表の戸がシャッターに変えられているのは防犯と防火に備える改造でしょう。

二階の雨戸は昔の侭の木製です。

戦中に流行ったコンクリート製の用水桶がいまだに置かれています。

(第二次大戦当時は防火用水と言い、お上から奨励されて各戸に置かれていたものです。)

隣りに置かれた自動販売機とはミスマッチな感じもしますが、

ご当主は物を大切にする方なのでしょう。

物を大事にする気持ちがこの家を今まで良い状態で残していたことに繋がったのだと思います。

今後もこのまま後世に伝えて欲しいと思います。

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  9  清月堂本舗

2013-06-23 05:52:00 | 絵画

清月堂本舗も営業はしていない模様です。

屋根の作りから見るとかなり歴史のある建物です。

お店としての体裁を整えるためなのか、モルタルやレンガで古い木口などを隠していますが、

重厚な感じは残っています。

和菓子屋さんのようですから、かえって昔のままの建物の方が効果的だったと思うのですが、

店を閉めてしまったのですから今更何を言っても仕方ないことです。

この建物以外にも、越谷宿にはブリキやモルタルなどで厚化粧を施し、

せっかくのいい建物の風格を台無しにしてしまっているものがかなり有ります。

清月堂さんの建物はまだ屋根もしっかりしているし、然程の傷みはない様です。

今のうちに市が借り受けるなどして保存の道を探して欲しいものです。

 


個展開催と絵葉書刊行のお知らせ

2013-06-23 05:51:27 | 絵画

だいぶ先のことですが、鬼が笑うほど先ではありません。

また時々再掲いたしますので是非ご来場ください。

個展に先駆けて、下記の通り「越谷宿の歴史ある家たちプラスα」の絵葉書を作成いたしました。

全71葉の絵はがきとそれらの所在地を示す地図がついています。

「プラスα」の意味は歴史ある家以外に神社・植物園・新しい家等も含まれているからです。


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  8  人の住まなくなった家

2013-06-22 16:16:41 | 絵画

この家は人が住んでいる気配はありません。

人が住んでいないと家は傷みが早くなると聞いています。

この家は人が住まなくなったから傷んでしまったのか?

傷んでしまい修理するのが大変だから住まなくなったのか?

鶏が先か?卵が先か?と同じ論法ですが、おそらく同時進行だったのでしょう。

傷んできたから人が出てゆき、その為に傷みが加速してしまったのでしょう。

ここまで荒れ果ててしまうと、住めるように修理するには莫大な費用がかかります。

持ち主はこのまま朽ちるに任せるのか、時期を見て取り壊すのか、

いずれにしても遠からずこの家は姿を消してしまうことでしょう。

この文を書いていても今はどうなっているのか気になります。

やるせない気分です。

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  7  片側が折れ屋根の家

2013-06-21 16:45:31 | 絵画

この家の屋根の構造はちょっと変わっているので描いてみました。

折れ屋根になっている部分は後で増築したのではないかと思われます。

本体の切妻屋根とはちょっと造りや部材が違うのでそう思ったのです。

雨戸が閉まっているからお店の中が見えませんが寝具店だと思います。

時折通りかかるのでそんな記憶があります。

この家も所在を確認に行った折に見つからないのでまた除却されてしまったのかと

危惧しましたが、なんのことはない、描いた時と壁の色が違っていたのです。

形で探さずに色で探していたので見つからなかったのです。

絵描きだから色に惑わされたのですが、

絵描きだからこそ形もしっかり見なければならないと自戒しました。

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  6 中山近江堂薬局

2013-06-20 07:59:21 | 絵画

この中山近江堂薬局も取り壊されて跡地に建売住宅が3棟ほど出来上がっていました。

参考に持ってい行った住宅地図にはまだ載っていたので無いことが確認できました。

最初は場所を間違えたのかと思い、近くの方に聞いてみたら、あそこの建売がそうだよ。

と教えてくださいました。

地図の北から順に掲載しているので、必ずしも描いた順番とは違うのですが、

近くにある二軒が続けて無くなっているのには驚きました。 

私が描いて居る時に屋根に透明なクリーンのシートが掛けてあるので 

屋根が雨漏りしているのだと気付いてはいました。 

それにしても、古い歴史ある建物がこうも簡単に姿を消していくのを

止めることができないのは悲しいです。

時代の流れだ、と片付けてしまうのは簡単ですが、何とか救う手立てはない物でしょうか?

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  5 屋根の片側が壊れた家

2013-06-19 13:08:08 | 絵画

 この家は、屋根の片側が崩れてしまっているし、

差し掛けのトタン屋根もさびて朽ち果てる寸前です。

それを修復するには新しく建てるより高くつくでしょうから、

持ち主の方も思案投げ首、という所だろう?

なんて考えながら描いていました。

こちら側の屋根は少しも傷んだ様子はありませんから、

柱や梁には頑丈な部材が使われているのでしょう。

建てるときにはかなりの費用をかけて良い建物を作ったのだと思います。

昔の建物は瓦も厚く作ってあり、瓦の下には土壁が厚く塗られていますから、

その重量はとてつもなく重いのです。

それでも長い年月の間に浸みこんだ雨水などで木材が腐ったりして強度が落ちてしまうのです。

そんな折に地震でもあると、辛うじて支えてきたバランスが限界を超えてしまい

崩壊へと進むのでしょう。

この建物は、後日所在を確認ん行ったら、姿を消していました。

寂しい想いで地図上に場所をプロットしました。