絵入り随筆 エッセィ・つぶやき

自作の油絵・水彩画、デジタル写真等を入れて、季節の移ろい、雑感などを書いていきます。

越谷宿の歴史ある家たちプラスα  47  新石のしもたや

2013-07-31 23:02:58 | 絵画

人形店の看板が大きいから、人形屋さんの住まいかと思ったのですが、

よく見ると別のお宅で、しもたやのようでした。

駅近くの繁華街で旧日光街道に面してるのに、

お店も開かずにひっそり暮らしておいでのようです。

表に面したガラス戸が未だに木製の戸を使っているのも好ましい感じです。

屋根がトタンに変わっているのは瓦の重量による建物の痛みを

軽減するためでしょう。

古いかわらぶきの屋根には下に分厚い泥の層があり、

瓦自体も厚みが今のものより分厚いから

屋根の重量はとてつもなく大きくなるのです。

頭を軽くしても昔の面影を残しているのは嬉しいです。

人間のおつむの軽いのは戴けませんが・・・・

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  46 蔵を住居にしている家

2013-07-30 23:00:21 | 絵画

小ぶりの蔵ですが、石で作っています。

何で住まいにしているか分かったかというと、

描いて居る間に何回か人の出入りがあったからです。

小柄な年配のご婦人でした。

出入り口にやはり石の踏み台が置いてあり、

履き物がきちんと揃えておかれています。

私の想像ですが、隠居所に使っているのだろうと思います。

母屋は子供達に明け渡して自分は蔵で静かに暮らして居られるのでしょう。

頑丈な石の壁は外部からの騒音も熱も遮断してくれます。

快適で穏やかな日常が過ごせそうです。

 

 

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  45   釘清商店

2013-07-29 15:36:21 | 絵画

この建物は歴史ある建物とは言いがたいものです。

コンクリート造りで近代的な建物です。

私がこの釘清さんの建物をあえてこのシリーズに加えたのには

二つ理由があります。

一つは釘清と言う名前の示すとおり越谷で古くから建築金物を扱っていたお店です。

それがなぜこんな近代的な建物を造ったのか? 

それは越谷の商店街の景観に新しいスタイルを持たせたかったから

ではないかと思うのです。二階には集会施設もあるそうです。

二つ目は釘製のご主人が日光街道サミットの開催の

原動力となって尽力されたことです。

と言うわけで、日光街道越谷宿に新しい歴史を書き加えて下さった事への

敬意を表したいです。

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  44   千成ホルモン焼き店

2013-07-28 16:30:55 | 絵画

千成ホルモン焼き店はさほど歴史ある建物と言うことではありません。

おそらく戦後になってからの建築ではないかとも居ます。

この店構え、扱う商品の種類、どぎつい看板や旗指物、

戦後の新橋辺りの飲み屋を彷彿させる懐かしい店構えです。

私の学生時代、新橋のガード下にはこのような店が軒を並べていました。

秋になると松茸を山のように積み上げて、一本そのまま焼いて客に供します。

学生の私にも気軽に食べられる安直な酒の肴でした。

カストリのハイボールで熱々の焼き松茸を頰ばる、なんてことを良くやったものです。

千成屋さんには入ったことはありませんが、

そんな戦後の時代を思い出させてくれるお店です。


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  43  蔵と紫陽花のある家

2013-07-27 06:18:55 | 絵画

繁華街にあるのにそんな騒々しさは関係ない、と言った風情が漂っています。

板塀の造りと言い、蔵のしっとりとした色合いと重量感が際だっています。

絵描きの私に向かって、「どうだい、描いてみたくなるだろう?」

と誘っているかのようです。

板塀の隙間からはみ出している枝は、緑色の葉だけでしたが、

私が勝手に紫陽花に置き換えました。

家の角にある幟旗は、この家とは関係ないと思いますが、

実際に置いてあったのでそのまま描きました。

雑然とした町中にポツンとこんな景色があるなんて、越谷は好い街だと思いました。

 

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  42  水田文具店 

2013-07-26 16:44:06 | 絵画

水田文具店も前回のシリーズで掲載していますが、

今回角度を変えて二枚描きました。

文具店はお辞めになっているようですが、

店構えは元のままで建物はこのように健在です。

表のガラス戸もアルミサッシではなく木製の引戸ですし、

填め込まれているガラス板も今の製品のように真っ平らではないようです。

斜めから見ると少し景色が歪んで見える懐かしい手作りガラスのようです。

両隣の建物は今様のものですが水田さんの建物はいっそう際引き立って

その存在を誇示しているように見えました。

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  41  材木店

2013-07-25 21:28:38 | 絵画

このお店はさすが商売柄で、建物はしっかりしています。

屋根もそのほかの場所には傷んだ箇所は見当たりません。

この建物の右側画材木置き場になっています。

普通の建築用木材を扱っているお店のようです。

近頃は大工が鑿や鉋などを使って木材を刻んで家を造るなんて事が出来ない

所謂叩き大工が増えているようです。

設計屋から図面を貰ったら、プレカット屋に渡して材木をカットして貰うのです。

それを現場に運んで貰い、番号順に組み立てていけば一丁上がりという次第、

つまり木の性質や裏表、曲がり具合を考えたりはしないのです。

我々がプラモデルを造る感覚で家が出来上がるのですから恐ろしいです。

勿論こうゆう材木屋に出入りする大工さんはそんなことをする職人ではありません。

じっくり材料を見極めて選び、自分で刻んで家を造る棟梁です。


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  40 石塀と蔵

2013-07-24 22:19:01 | 絵画

この建物は街道筋から少し入ったところにあります。

昔は街道筋にある店と一体の建築物だったのだと思われますが、

土地の分割などがあり別々の所有者になったのではないでしょうか?

これまで描いてきた蔵はほとんどが土蔵造りでしたが、

この蔵は石組みで造られています。

周囲を囲む塀も石で作られています。

裕福な商家であったのだと思われます。

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  39 間口の広い家

2013-07-23 22:20:06 | 絵画

越谷宿に限らず街道筋の家は間口は狭く奥行き深いのですが、

それは往事の税制が間口を基準にして課税されたかららしいです。

この家は、街道に面しては居ないからか、間口は広く奥行きはほどほどです。

街道筋以外は間口を基準にした課税方法では無かったのかも知れません。

大きなお宅で二階は丈が低く出来ていますからかなり古い時代の建て方です。

残念ながら傷みが少し進んでいます。

今のうちにきちんと手入れすれば十分に使える状態になると思われます。

でもおそらくこの家もいずれ姿を消していくことになるのでしょう。

田作の歯軋りと言った感じです。

何とかならないものでしょうかねぇ?

 

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  38 田中米店

2013-07-22 07:13:22 | 絵画

田中米店も前回のシリーズに登場しています。

米屋さんという商売はなかなか大変なご商売だと思います。

私の高校時代の友人で米屋の息子が居ましたが、

その大変さを良く聞かされました。

商品が重いから配達というやっかいな作業が伴う事、

食べ物の趣向が変化して米の消費が減少していること、等々です。

戦中戦後には米の配給制度があり、米は登録した店から政府が決めた量を

売って戴くという殿様商売だった時代が長く続き

米屋はのんきに商売をしていられた時代がありました。

そんな殿様気分が営業努力を忘れて売ってやると言う気持ちになってしまったのも

米屋が衰退した理由の一つかも知れません。

田中米店さんがそんな殿様商売をしていたという事ではありません。

今でも営業を続けていると言うことは、消費者の気持ちを思って

まじめな商売をしていたからでしょう。

今後も頑張ってお米屋さんを続けて欲しいものです。

そしてこの家も大切に保存して戴きたいです。


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  37  行徳屋

2013-07-21 22:13:11 | 絵画

行徳屋さんも前回描いたものを再載しています。

行徳屋さんの隣には白屋旅館が建っていて同じ時代の建物が二軒並んでいたから

往時を偲ぶ良い感じの街景色だったのですが、

白屋さんは取り壊されてしまいました。

今その跡地は建売住宅に姿を変えています。

建売住宅の建設費、古い建物の解体費、建売業者の経費などを考えると

白屋さんの売却費はたいした金額では無かったと思われます。

もう白屋さんを再建することは不可能です。勿体ない事をしたものです。

行徳屋さんにはこれからもずっと頑張って残しておいて欲しいものです。

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  36  横田診療所

2013-07-20 13:13:23 | 絵画

横田診療所さんは前回のシリーズで描いたものを再掲しています。

手抜きでおしかりを受けそうですがご勘弁ください。

この建物は建設当時は越谷郵便局として使われて居たそうです。

局長さんが女性で、これは全国の郵便局長で

初めての女性局長として当時話題になったのだそうです。

今は女性もかなり社会に進出していますが、

それでも日本の女性登用は世界的には遅れているのだそうです。

女性の数と男性の数はほぼ同数のはずですから、

日本ではまだまだ男性優位の社会と言うことなのでしょう。


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  35  鬼瓦コレクション

2013-07-19 22:29:58 | 絵画

この鬼瓦は越谷宿の由緒あるお宅を解体した折に出たものでしょう。

このコレクションはたぶんこのお宅が鳶職の仕事をなさっていて

解体作業の折に、捨てるのが忍びがたくて保存しているのだと思います。

これだけの鬼瓦を使った建物ですからさぞかし立派な

建物だったであろうと思われます。

鬼瓦は単なる屋根の装飾品では無く、沖縄のシーサーのように

その家を悪霊や様々な災難から守る大切な役目もあったはずです。

鬼瓦はやはり屋根の天辺にあって辺りを睥睨して居てこそ威厳があるのです。

このように飾り物になっていては哀れを感じてしまいます。

でもここの主が、捨てがたくてわざわざ飾り棚を作って展示してくださるからこそ

見ることが出来るのですから有難く拝見いたしました。


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  34 二連の蔵と煉瓦のうだつ A・B

2013-07-18 16:04:11 | 絵画

うっそうと茂る木立の中に建つこの二連の蔵には

街道方向に煉瓦で出来たうだつが造ってあります。

その隣には普通の家屋もありますからかなり奥行きのある敷地です。

煉瓦のうだつは小泉家にも同じ形のものがありますから、同じ職人が前後して

この家と小泉家を手がけたのだろうと考えられます。

蔵もどっしりした造りで重厚感にあふれています。

その重厚感に応えるごとくに煉瓦のうだつが、がっしりと支えています。

蔵の重量感と煉瓦うだつが、相互に相対してこの家の存在感を高めています。

私の絵がそんな感じを、見てくださる方に伝えられていると良いのですが・・・・