絵入り随筆 エッセィ・つぶやき

自作の油絵・水彩画、デジタル写真等を入れて、季節の移ろい、雑感などを書いていきます。

水彩 パノラマライン  ②  F4

2008-08-31 00:07:08 | 絵画
この場所は雪のある時期に油で描いています。今年の光陽展にもP120号で出品しました。
上野の後、広島県立美術館と京都市美術館にも巡回展示されましたからご覧下さった方もおいでかと思います。
水彩で描いたこの絵はかなり引いて居ますから、油彩の時とは違った構図になっています。
いつもパノラマラインから眺めているだけですから、次回はこの街にも行ってみたいと思っています。かなり大きい町のようですからレストランやホテルもあるかも知れません。
今年はスイスの東から南下するつもりなのでピエモンテには入らないと思いますから、来年以降の事ですが。

水彩 パノラマライン  ①  F4

2008-08-30 00:03:48 | 絵画
Barolo から SP163を南に下る県道(ピエモンテ県)は地元ではパノラマラインと呼ばれている眺めの良い道です。丘陵地帯の稜線を通っているから左右前方の眺めが良いのです。
舗装されては居ますが道幅は狭いからバスなどは通れません。
ここの眺めを満喫出来るのはレンタカーで彷徨き回る者が享受出来る贅沢です。
観光道路という事ではありませんから案内標識はなく、良い眺望を求めて適当に走るのですが、間違えて沢筋に降りてしまったらUターンすれば良いだけの事です。
イタリアはフランスに比べると道路標識が不親切ですが慣れてしまえば迷うほどの事はありません。
この日は天気がイマイチでアルプスまでの展望は利きませんでしたが、そこそこパノラマラインを楽しむ事が出来ました。

水彩 BAROLO ⑤ F3

2008-08-29 00:07:55 | 絵画
バローロでも全てが葡萄畑と言う事ではなくて、このように果樹園や牧場になっている場所もあります。
斜面の形状や土質などの条件が葡萄栽培に適しているかそうでないかに因るものと思われます。
牧場の敷き藁や排泄物が葡萄の良い肥料になるでしょうから葡萄栽培と表裏を為すものなのでしょう。作物の多様性と言う事も必要だろうと思います。
以前山形のサクランボ農家に行ったときに、そこの経営者が、「うちのサクランボは余所のより甘いよ、堆肥に豚の糞尿を入れているからね、その為に豚を飼って居るんだから。」というのです。
サクランボの甘み=豚の糞尿、の図式が頭に浮かんでしまい、暫しサクランボの購入を躊躇った事でした。

水彩 BAROLO ④ F3

2008-08-28 00:02:04 | 絵画
バローロワインがイタリアワインの王様と言われたのは今に始まった事ではありません。昔から珍重されていたのですから、この辺りの農家もカーヴも豊かなのだと思います。
それほど大きな町ではないのに(どちらかと言えば村かという感じです。)ホテルはあるしレストランも私が数えただけで3軒あります。そして土地の人たちがお洒落な服装で食べに来ています。私などはジーンズにスニーカーといういでたちですから場違いな感じになります。細かな事には拘らないイタリア人の事ですから、そんなラフなスタイルでもギャルソンから慇懃に断られるなんて事はありません。食事には勿論バローロのワインを頼んでいます。
そんな豊かな村の風景です。

水彩 BAROLO ③ F3

2008-08-27 00:26:21 | 絵画
バローロに限らずヨーロッパでの葡萄栽培は一本ずつ立ち上げて立木状にして育てています。
日本では棚を造って平面にしています。何故そうゆう違いが出たのか知りませんが、どちらにも一長一短があるのでしょう。どちらかが有利という事なら同じやり方になる筈ですからね。でも一長一短があるなら日本国内でも両方式が並立してて良いはずだし、ヨーロッパでもそうなるはずです。
こらはワイン用と生食用との違いから来るのでしょうか?
日本では葡萄は圧倒的に生食用が多いしヨーロッパではその逆になります。
でもヨーロッパでも僅かですが生食用の葡萄もあるんです。
どうもうまい答えが見つかりません。
これは、のこぎりの挽き方の違いみたいなものですかね?
西欧では鋸は押して切るものだし、日本では引くときに切るやり方ですからね。
ナイフの使い方も日本では手前から前に刃を動かすし、西洋は手前に刃を動かして切ります。左側通行と右側通行の違いもどっちが良いやり方と言う事はないですからね。

水彩 BAROLO ②  F3

2008-08-26 00:09:24 | 絵画

バローロは村全体がなだらかな傾斜地にあり、葡萄栽培には好適な土地です。
ワイナリーの数もかなりあるようで、それも小規模な個人経営で互いに切磋琢磨して量より質を競っています。
今日NHK・TVで勝沼の葡萄栽培について放映していましたが、「一面の葡萄畑です。」というアナウスがあって勝沼の風景が写りましたが、葡萄畑より家屋の方が多いという印象でした。
この絵もかなり家が描き込んでありますが、私の場合は葡萄畑だけでは絵にしにくいから、家のあるところ、絵にし易い構図を選んで居ます。実際にはもっと畑のあるところが多いのです。

水彩 Barolo ①  F3

2008-08-25 00:10:08 | 絵画
バローロはワイン好きで食いしん坊の私にとって北イタリアに来たら寄らずには居られない町です。
イタリアのワインの王様と言われているバローロワインの産地だし、秋から冬にかけては白トリュフェが食べられるのです。
産地だからと言っても安い訳ではありませんが、ご当地で口にするというのはひと味違います。
前回はバローロで唯一軒のホテルに泊まりましたが、そこは地下がカーヴ(ワイナリー)になっているのです。カーヴの親父さんと話していたら「このカーヴのワインは明治屋に納めて居るんだよ。」と言って輸入元明治屋と印刷されたラベルを見せてくれました。
今回は運良くシャンブルドットを見つけたのでそこに泊まる事にしましたが、そこも本業はワイン作りでした。日本からの土産が気に入ったのか年代物のバローロワインを何種類も試飲させてくれました。
バローロワインと言うには3年以上経ったものでなければならないそうで、組合で認定されたものは瓶の首に認定証が巻いてあります。
後日明治屋に入ってみたら、確かにバローロワインが置いてありました。現地で買う値段の倍以上の値札が付いていました。

水彩 Domodossola ⑫ F3

2008-08-24 00:14:55 | 絵画
Domodossolaシリーズのトリです。トリを取るほど良い絵という訳ではありません。単に順番が最後になったと言う事です。
この辺りを過ぎるとアルバという町になります。トリノの東側です。
次の目的地がバローロなのでアルバ経由という事にしたのです。
アルバの周辺は関東平野に匹敵すると思われるほど広い平坦地になっています。
扇状地や盆地ではないから広い裾野の広がっている場所だと思います。ですから僅かに南に向かって下り勾配になっている筈です。
バローロに着いたら宿を探して、今夜は美味しいバローロワインと白トリュフェを満喫しよう、なんて考えているとハンドル捌きもルンルンです。

水彩 Domodossola ⑪ F3

2008-08-23 00:02:59 | 絵画
アオスタの辺りからなだらかな下り坂はミラノ近くまで続きます。冬季オリンピックのあったトリノは未だかなりの高地です。
こうしてどんどん道を降っていっても未だこのような逞しい山が出現して絵描き(私の事です。)を喜ばせてくれます。流石本場アルプスの裾野は広大です。
絵を描いていて嬉しいのはヨーロッパでは田舎に行っても余り電柱とか電線が見えない事です。電気を使っていないのではなく、全部が地下に埋設されている訳でもありません。電線は道の裏側、家の庭とか裏路地を通っているのです。
向こうに暫く滞在しているとその光景が当たり前になってしまい、有り難みを感じないのですが、日本に帰って来ると雨後の竹の子のように林立している電柱とそれにまとわりついている蜘蛛の巣みたいな電線に鬱陶しさを感じます。
政治の未熟さと言い、蜘蛛の巣電線と言い、正に日本は東南アジアの一員の地位を証明しています。

水彩 Domodossola ⑩ F3

2008-08-22 06:08:22 | 絵画
草をはんで居る牛が居ました。ヨーロッパの肉牛は薄茶色の品種が多いです。この牛は日本の黒短毛牛のように霜降り肉ではなく赤身の美味しい肉を造る牛です。
私は日本の高級牛肉は脂身を食べているみたいで、メタボ予備軍としては敬遠していますが、こちらの赤身肉はレアで焼いて貰うと肉汁がしみ出してきて噛むと旨みがジンワリと口内に拡がります。広い草原で日がな一日反芻を繰り返している牛たちを眺めていると静寂・平和・安寧・美味と言った単語が浮かんできます。

水彩 Domodossola ⑨ F3

2008-08-21 05:56:54 | 絵画
この街はかなり大きく坂道の中にありました。道が街の中で上がり下がりしています。
山の中の街だから仕方ないのでしょうが、上っているか下っているかどちらかの場所の方が生活するにも不便が少ないと思うのですが、おそらく街が大きく発展するに連れて街の中にアンギュレーションが出来てしまったのでしょう。
上下水道管の設置などには随分設計に苦労するのではないかなどと余計な心配をしてしまいます。「水は低きに流れる」のですからね。

水彩 Domodossola ⑧ F3

2008-08-20 00:18:24 | 絵画
スイスからイタリアに入り、南下し高度を下げつつトリノ方向に走りながらの写生ですが、仔細に見れば違っているとは言うものの、余り変わり映えしないといううのも事実ですから、今日は纏めて3枚ご覧頂く事にしました。
バナナの叩き売り的やり方で気が引けるのですが、「なるほど変わり映えしない絵だね!」とご納得頂けるか、「それほどひどい訳ではないから、まあ良いんじゃないの。」と言って頂けるか、内心忸怩たるものがあります。






水彩 Domodossola ⑦ F3

2008-08-19 00:00:38 | 絵画
道路が上がって下がって右にくねってトンネルへ入っていくのですが、「下がって右にくねって、」の所が画面には描いていないから、画題を「トンネルへの道」なんて付けないと分かり難い絵になってしまいました。
またまた絵の説明になってしまいました。
同じシリーズで似た感じの絵が続きますからどうしてもキャプションのネタが尽きてしまい、絵の説明的文章になっています。
私の画才のなさと文才の欠如が原因ですが今更どうすることも出来ません。
初秋のイタリアの景色見て頂いて、今日この頃の酷暑払いに幾らかでもお役に立てれば望外の幸せです。

水彩 Domodossola ⑥ F3

2008-08-18 00:00:24 | 絵画
この絵も水彩omodossola ③ と同じく左下がりの構図ですが、山の稜線にアンギュレーションがついているし、右の木立が稜線を突き抜けて居ます。
それが見る人の目線が右下に流れる事を妨げていますので、バランスの悪さを幾らか減少させています。
私は絵の講釈をするほどの力はありませんから、絵の拙さの言い訳と思って聞き流して下さい。
絵の題名に凝りすぎたり、描いた絵の解説を付けるなどと言うのは野暮な話で、本来は絵を見て戴くだけで、全てを伝えなければならないものだと思います。
でも小人の悲しさ、つい弁解がましい事を言いたくなるんですよね。

水彩 Domodossola ⑤ f3

2008-08-17 00:17:24 | 絵画
この街の後方にある山はアルプスですから、私はこの道を山から駆け下りてきた事になります。
ちょっとした大きさの街ですが、道沿いに一列家並みがあるだけで背後には街は広がっていません。
日本でも街道筋の宿場町などはこうした一列だけの家並みの街がありました。馬籠宿などがその例です。
でもこの街は宿場町とは言い難いのです。というのはこの通りには一軒もホテルは見あたりませんでした。
フランスではどんな小さな集落にも教会とホテルとレストランがあるのですが、イタリアでは小さな街では教会は必ずありますが、ホテルとレストランはまずありません。
昔のイタリア人はどうやって旅をしたのでしょう?
テントと食料持参の旅だったのか?それとも教会が旅人の面倒を見てくれたのでしょうか?