処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

生き上手 死に上手

2018-07-15 23:09:19 | 

著者 遠藤周作

発行 文春文庫 95年第4刷 316頁

     

基督者で作家の遠藤周作のエッセイ集。1979年から85年にかけて、新聞・雑誌・文学誌・専門誌に寄せた47編が5つに分類されて整理・転載されている。

人としての心の在り方や生き方について、自身の洞察や体験を踏まえての思索を、気負わず衒わず率直に綴っている。テーマはどれも重い。著者はあとがきで「読者も寝っ転がって、気楽な気持ちで読んで下さい」と言っているが、とてもそうはいかない。

ソフトな語り口なので、スーと読み進んでしまうが、名言や金言に値する意味深い語句や文章が点在している。その幾つかを挙げよう。

信仰とは思想ではない。意識で作られる考えではない。信仰とは無意識に結びつくものなのだ。

目先に役に立つことを追いかけるのは文明であって文化ではない。東京には文明はあるが文化が乏しいのはそのためだ。我々の人生にとっても同じことがいえる。さしあたって役にもたたぬ集積が人生をつくるが、すぐに役立つことは生活しかつくらない。生活があって人生のない一生ほどわびしいものはない。

自分の中にたった一つのチャンネルしか回さぬ人は、職場の友人、仕事関係の知己は持てても、それ以外の別世界の人と付き合うチャンスは少なくなるだろう。人生にとって各種各様の友人を持つことが何よりも大きな倖せの一つなのに、これではどうしても寂しいというものだ。

つきあいの第一法則は「笑顔と好奇心」との二つにつきる。

 

 


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