著者 安生 正
出版社 宝島社文庫(491頁)
息をもつがせぬとはこのこと。一気読み。着想が奇抜。
はじめは、《こんなことあり得ないだろう》 《所詮フィクションの世界》と思っている。しかし読み続けるうちに、《あり得るかも知れない》 《いや、これは近未来の警告の書だ》と思えてくる。それだけ、ストーリーの展開が巧みでディーテイルがしっかりしているのだ。何しろ、伝わってくる熱気が凄い。著者の憑かれたように書く姿が浮かんで来る。
国難を前にした政治家の無能・無責任と、統率のとれた自衛隊の戦いぶりとの比較は、デフォルメされているとは言え、現下の、いきなり解散、いきなり新政党、踏み絵の前の右往左往の政治世界と何と似ていることか。 ちなみにハードカバーの第一刷は2013年1月。
『土漠の花』に続き、ここでも作品の中に登場する軍事機器などの画像に当たって見た。
OH-6D 偵察・観測ヘリコプター
UH-60J
アメリカが開発したUH-60 ブラックホークを日本が救難目的に独自改良した救難ヘリコプター。三菱重工業がライセンス生産を行っている。隊員からはロクマルという通称で呼ばれている。
自衛艦くらま ヘリコプター搭載護衛艦
洋上プラットホーム
SIG SAUER 9228
TU-95
ソ連時代にツポレフ設計局によって開発された戦略爆撃機である。 海軍向けの長距離洋上哨戒/対潜哨戒機型も開発された。
CHー47 チアヌーク
アメリカのボーイング・バートル社で開発されたタンデムローター式の大型輸送用ヘリコプター。 配備開始から半世紀が経過した現在でも、最新モデルであるF型が生産されており、未だに後継機は登場していない。
AーMB3 大型破壊機救難消防車
サーモバリック爆弾
燃料気化爆弾の次世代型に当たる気体爆弾である。1990年代から開発が始まり2002年ごろから実用化された。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます