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映画 「アーヤと魔女」 その6 ~ 軸を頼みにわが道をゆく

2021年12月30日 14時06分25秒 | 大好きな本・映画・ほか
「アーヤと魔女」 記事、次でおしまいというところで パソコンが不調で使えなくなり、更新が滞ってしまいました。

毎度のことながら、次を待っていてくださった方がおられましたら大変申し訳ありませんでした。

もう年内の更新は無理かと諦めかけましたが、不調パソくんのギクシャクした動きにも少しずつ慣れ、下書きのまま放置されていた 「アーヤと魔女 その6」 もなんとか日の目を見ることができそうです。

今回もちょっとですが作品の内容に触れていますので、いちおう 「ネタバレ注意」 とさせていただきますね。













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以下ネタバレご注意


ちょうど一年前のきょうが 「アーヤと魔女」 の初放映日でしたが、前日にもスタジオジブリの番組があって、「アーヤ~」 の製作にまつわる話のほかに 宮崎吾朗監督とお父さんの宮崎駿氏との不和 ・ 確執とでもいうような話があったのを覚えています。

自分の憧れてやまない分野の第一人者が実の父親。。。。う~んという感じでしたね。

駿氏が世界に冠たるアニメ製作者であることは疑う余地もありませんが、大変失礼な申し上げようながら アニメの才能と人を育てる才能とはまた別物なのだなぁというのが、あれを見ていてまず思ったことでした。

他者の至らない点についつい目がいってしまうというのも駿氏の天才性のゆえなのでしょうが、あれほどのダメ出しの嵐では 吾朗氏に限らずどんなアニメーターさんでも、よほど強靭な精神力の持ち主でない限り 萎縮して本来の力が発揮できない状態になってしまっても不思議ではありません。

そんな手厳しい指導者が同時に実の親でもあるとなれば、どれほど険しい道を進むことになるか。。。。と身につまされたのは、貴秋自身の父親も同じくまず否定から入るタイプだからなのですが、父の専門分野は貴秋とはまったく畑違いなので 茨の道を歩まずにすんだのは幸いでした。

それにしても 吾朗監督のなんと忍耐強いことよ、貴秋だったらとうの昔にぶち切れてケンカ別れしていたでしょうに、それだけぜひとも進みたい道だったのですね。

そしてなんといっても素晴らしかったのは、「アーヤと魔女」 が 従来のジブリアニメとは違う個性や特色を持った斬新で魅力的な作品として見事完成した事実。

駿氏がどれほどすごい才能の持ち主だとしても、吾朗氏には吾朗氏にしか持ち得ない才能やセンスがあり、吾朗氏にしか作れない作品がある。

そんな吾朗氏が 「天才の息子」 という重圧に負けず、アニメの世界に背を向けることもなく、駿氏のコピーに終ることもなく、長い忍耐の道のりを経て 新しいスタッフと共に 独自の世界観を持ったまっさらな作品を立派に世に送り出したことが、とてもうれしかったのです。

さらに、その 「アーヤと魔女」 を駿氏が前向きに評したインタビュー記事があったことを知り、ますますうれしくなりました。




胎内の赤ん坊が母親のからだの機能に依存して生命を維持するように、自我を持たない幼い子どもは その判断基準を身近な大人にゆだね、世界観や価値観を共有する形で精神的に依存します。

やがて自我が育って自立のときが来ると、独自の価値観を身につけ それまで依存していた大人の価値観から身をもぎ離す必要が出てくる、これが反抗期なのですね。

反抗期というのは 自分だけの新しい支柱を育てるプロセスでもあり、これを十分体験してこそ 健やかな一人前の大人として独り立ちできる。

このプロセスが早い人もあれば遅い人もあり、スムーズな人もあれば困難な人もありますが、大事なのは どれほど時間や手間がかかろうと 最終的にきちんとそこを通り抜けられること。

あの 「アーヤと魔女」 という作品は、貴秋の目には 吾朗氏がご自身の力でご自身の道を掴みとり 新たな人生の道のりへと踏み出された証とも映ります。

作中のアーヤも 満足して過ごしていた子どもの家から出る羽目になり、「やりたくないことをやらされるなんて生まれて初めてよ、なんでこうなっちゃったわけ?」 とぼやきますが、これは自分の能力をさらに高めるために天から与えられたハードルのようなものでしょう。

なんでも思い通りで楽々な場所にい続けたのでは、能力アップのチャンスはありませんからね。

案の定アーヤは次々と困難に見舞われ、一時は意氣消沈すれすれになりますが、彼女のバイタリティーは見事その困難を突破し、操りの腕前は格段に上がって、生活の質もぐんとよくなったわけです。




「困難に挑戦しなければ、自分のしたことを誇りに思う氣分も味わえない」 という言葉を何かで読んだ覚えがありますが、この 「誇り」 は自信につながります。

どんな困難に見舞われようと 自分ならどうにかできる、きっとやっていける、という根拠のない、でも否定しようのない確信。

いま私たちが体験しているコロナや自然の脅威や経済危機なども、見ようによっては 私たちの軸をより大きくしっかり育てるために訪れているのかもしれません。




やたら時間のかかった 「アーヤと魔女」 記事ですが、これでおしまいとなります。

たぶんこれが今年最後の記事となるかと思います。

このタイトルをはじめ 当ブログをお読み下さった皆さまに 心から感謝申し上げます。

今年も皆さまのおかげで どうにかこうにか更新を続けることができました。

ほんとうにありがとうございました。

来年もご縁があれば、どうかよろしくお願い申し上げます。

皆さまもおからだお大切に、よいお年をお迎え下さいね。





p.s. 映画 「アーヤと魔女」 をまだご覧になっておられない方、明日12月31日 午後3時05分より NHK総合で再放送されるそうです。

   ジブリやNHKの回し者ではありませんが (笑) 、まだの方はこの機会をお見逃しなく!