子どものころ、たしか弟の少年マンガで読んだと思うんですが、忍者が跳躍力を鍛える修行で、成長の早い麻などの植物を植えて 毎日その上を飛び越える訓練をするという話がありました。
目に見えるか見えないかぐらいのわずかな変化に対応し続けることで、無理なくじわじわと力が伸びてゆく、ということですね。
忍者が実際にその方法で 超人的な跳躍力を身につけられるのかどうかはともかくとして、それとわからないほど徐々にハードルを上げていくことで 実力を伸ばす、というのは とても理にかなったいい方法だな、と思ったのを覚えています。
自分の悲観的なものの考え方と、それがそっくり投影されたと思しき不安定な生き方をなんとか変えようと、けんめいに努力していたときのこと。
なによりも怖ろしかったのは、どんなに頑張っても 望む変化を起こせないんじゃないか、ということでした。
自分のネガティブな意識が それに見合った現実を引き起こし、それを嫌がったり 嘆いたり 避けようとしたりする氣持ちが ますます負の意識に拍車をかけ、さらなるネガを呼び込む。
だから、いい氣分でいなさい、いやなことを考えないようにしなさい、今ある恵みに目を向け 感謝しなさい、というのは 確かに正しいんだけれど、そうですか、では、と そこでほいっとネガをポジに引っくり返せれば、苦労はないわけで。
それこそ「三つ子の魂」のころから強化し続けてきたネガ思考回路、自分のものでありながら こうまでもままならないものか、と どれほど苦悶したかしれません。
そんな嘆きや苛立ちが、先行きを ますます悲観的に見せていく。
この悪循環、ブレイクスルーできるものなんだろうか。。。
で、結論から言うと、できちゃうんですね、ブレイクスルー
今の自分が なによりの証拠だもん、えへへ~
そして、きっと誰だってできるんだと思うのです。
じゃあ、どうやってネガの悪循環から脱け出せたのかっていうと。
振り返って いちばん大きかったのは、とにかくよくあろう、よくなろう、と心に決めること、意志を持つこと、だったと思うんです。
この世のものは、すべて変化します。
「変化しない唯一のものは、すべてが変化するという事実」というぐらいのもの。
だから、落ち着いて考えれば、変らずにいようとするほうが よっぽど不自然で無理があるんですね(^^ゞ
あとは方向付け、つまり どの方向に変るかを選ぶこと。
自分の意思を明らかにして、こうなる、こっちに行く、と きっぱり決める。
そこからすべてが始まったのだと思います。
そして、ことが動き出してから大事なのは、「少しずつでいい」ということ。
目標を はるか彼方の山の頂に定めたとして、そこに向かうには まず最初の一歩から。
あまりにもゴールばかり見つめていると、つい一足飛びに到達しようとして、かえって「ムリだぁ~
」という挫折感のほうをクローズアップしてしまうことになる。
たしかに、今と違う自分になろうと思ったら、これまでと違う選択や行動を積み重ねることが必要だけど、いきなり180度真逆の方に行こうとしなくてもいいんですね。
かつて導き手となってくれた友人に、「大好きなこと、ワクワクできることを見つけるといいですよ」というアドバイスをもらったときのこと。
今考えても これはほんとうに大切なポイントであり、素晴らしいことを教えてもらったと思うんですが、それまで あまりにも人目や評価ばかり氣にし過ぎて、自分のほんとうの氣持ちを省みる回路がほとんど育っていなかった私、心の中をいくら探っても、好きなことひとつ見つけられない現状にがくぜんとし、ほとんど半泣きで 「好きなことがぜんぜん見つかりません」と連絡 (T_T)
そこで言われたのが、「最初は小さなことからでいいんですよ」ということでした。
いきなり人生を変えるような大物を狙わなくても、ほんのちょっと氣持ちが明るくなるようなこと、心の針が 楽しいほうにぴくんと振れるようなこと、ささやかな楽しみから始めればいいのだと。
このアドバイスに従って、日常の小さな楽しみを ひとつ、ふたつ、と見つけられるようになったところから、今思えば すべてが始まったのです。
まさに、忍者の修行のごとし☆
バーをいきなり1m上げたりしたら「こんなもん跳べるかぁぁ~
」ってなっちゃうけど、1cm、いや、5mmずつでもいい、毎日ほんのちょっとずつ、ちょっとずつ高くしていけば、氣がついたら1m高く跳べるようになっていた、っていう日が、いつか必ずやってくる。
もちろん、心の変化は 自分の思いひとつなのだから、大きな変化をあきらめる必要はないし、大ジャンプが見事決まれば それはそれで素晴らしいことなのだけれど♪
ただ、変らなければと焦る氣持ちが かえって足を引っ張り、うまくやれない自分を責めさいなむぐらいなら、少しずつでいいんだよ、必ず望み通りの自分になれるよ、って声をかけて 楽にしてあげればいいんじゃないかな(^^)
急ぎたければ急いだって構わないけれど、急がねばならないわけではないのです。
私たちは、結果を出すためではなく、プロセスを体験するために この世に生まれてきたんだもの♪
現状が辛ければ、早くなんとかしたいと願う氣持ちも よくわかります。
私も実際そんなふうだったものね。
でも、変ると決めて 一歩動けば、一歩分荷が軽くなる、というのもまた事実。
一歩ごとに楽になってゆく自分をしっかり感じて、希望を持って じっくり着実に進んでいく、というのも悪くない。
目の前の一歩だけに集中して歩き続けて、ある日ふと振り返って、こんなところまで来てたんだ~
という喜びを味わうのも素敵なものですよ
。。。って、あのころの自分に言ってあげたいなぁ。
大丈夫だよ、必ず望んだとおりになるからくじけないでね、ってね。
いや、実はちゃんと届いてたのかもしれないな♪
だって、とにもかくにもあきらめないで 小さな歩みを重ねて、こんなことが言える日を迎えることができたんだもの、ね