太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

床のはなし

2016-07-16 19:57:00 | 日記
私は特別に清潔好きというわけではないと思う。

潔癖な人から見たら、びっくりするようなこともやっているだろうが、

すべてにおいて、まあ普通じゃないかと思っている。


日本人は清潔好きだといわれている。

お風呂好きだとか、靴を脱いで家に入る、といったことが

そういわれる理由なのかもしれないが、

それはハワイだって毎日シャワーを浴びるし、靴を脱いで暮らしている家が殆どだ。

ただ、決定的に違うことがある。



夫と結婚したばかりの頃、旅行から戻ってきて、

夫がスーツケースをベッドの上に置いたのを見て、私は

「げ!」

と思った。

そのスーツケースは、空港やら道路やらいろんな所をひきずりまわしてきて、

誰かが吐いた痰や、もっと汚いものがうすーく重なった上を通ってきた。

スーツケースは横に寝かせてはいるが、それでもなんとなく抵抗がある。



夫の両親が日本に来た時、義父が靴を脱いでアパートに上がった。

再び出かけることになり、靴を履きなおしたあと用事を思い出して

靴を履いたまま畳の部屋に入ってきたことがあった。

夫の兄が来た時には、

明日履く靴を、畳の上に直接置いて寝ていた。

彼らは、自宅でも一応靴を脱いで家に入るけれど、

靴は玄関ではなくてクロゼットに洋服と一緒にあって、

服を着替えて靴を履き、そのまま家の中を歩いて外に出る。

外から帰ってきたら、靴のまま家の中を歩いてクロゼットにいく。

家の中で靴を脱ぐのは、日本人は清潔のためであり、

彼らはきっと寛ぐためなんだろう。


家の中で靴を履く、スーツケースをベッドに乗せるのは、百歩譲ってヨシとしよう。

しかしどうしても譲れないことがある。



ここから先は、ビロウな話になるのでお食事中の人はやめてください。






公共のトイレの個室の床に、荷物を平気で置く人達がたくさんいるのだ。

アメリカのトイレは、足元が見えるようになっているからわかる。

高級ホテルの、いかにもきれいそうなトイレであっても、床には置きたくない。

それほど清潔とは言いがたいようなトイレの、しかも濡れたりしている箇所がある床に、

直接バックパックや、買い物袋を置いているのを見るたび、

「げげ!」

とひそかに思う。

職場のトイレでも同じで、毎日欠かさず掃除をしているが、

それでも一日に何百人という人が使うのだ。

ここで働くようになってわかったことだが、中国の人の何割かは、

便座の上に両足を乗せて、しゃがむようにして用をたす。

よって、狙いが外れてしまうことがある。

たまたま私にトイレ掃除のシフトが入っている日に、そういうことがあって、

もう絶対に絶対にトイレの床は信じない、とつぶやきながら掃除した。



荷物を持ってトイレに入るとき、夫はどうしているのか聞いたことがない。

女性ほど荷物は持たないにしても、

そりゃ床に置くよ、とあっけらかんと言われるのが怖くて聞けないでいる。

生涯、聞くことはあるまい。

夫が外から持って帰ってきた荷物がみんな疑わしく思えたら、心安らかに暮らせやしない。

知らないほうがいいことは、ずっと知らないままのほうがいいのである。






にほんブログ村 海外生活ブログ 海外移住へにほんブログ村