太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

絵本

2016-07-28 18:44:08 | 本とか
昨夜、眠りかけたときに、ふと思い出した絵本がある。

筆箱の中にいる、粘土でできたネズミの話だ。

その本の題名も、ネズミの名前もどうしても思い出せない。

時折、この本のことは思い出すのだが、いつも名前を忘れたままにしていた。

しかし昨夜は、どうしても思い出したくて、起き出してネットで調べた。


「ネンディのぼうけん」



ネンディが、動いて話して、冒険をする。

私はその本を繰り返し読み、

「ヒミツのアッコちゃん」の魔法のコンパクトを信じてワクワクした気持ちで、

粘土でネンディもどきを作った。

私はほんとうにそれが動くように、本気で祈った。

子供の頃に読んだ本の中で、これは1番好きな本だ。



「あたまをつかった小さなおばあさん」



一人暮らしのおばあさんが、日々ぶつかる問題を、頭をつかって解決してゆく。

頭を使うときは椅子にすわり、目を閉じる。

エプロンの丈が短くなってきたという問題は、エプロンの裾をちょっと切って、

それでフリルを作り、くっつけたらいいという考えが浮かび、いそいそと作る。

できあがってみたら、何となく前より短いような気がするが、まあいいや、というほのぼのとした話。


この本も、好きな絵本の3本の指に入る。


両方とも、 山脇百合子さん という人がイラストを描いている。

「ぐりとぐら」や「いやいやえん」など、多数の本を手がけている人で、

確か ぐりとぐら は なかがわえりこさん と姉妹で作っている。

私はこの山脇さんの絵が好きだ。

頑張り過ぎない、肩の力がほどよく抜けた感じや、のびのびした線。




「おおきな木がほしい」



唯一、この本だけはハワイに持ってきた。

絵は、村上勉。

男の子が、「もし大きな木があったら・・」と想像する。

ツリーハウスを作って、そこで春夏秋冬、何をするかを思い描く。

絵本を縦に使って、高い高い木をどんどん上にのぼってゆくのだ。

夏は蝉が遊びに来る。窓辺の台所でホットケーキを焼く。

秋はリスが遊びに来る。冬は・・・

村上勉の絵がすばらしいの一言。

ツリーハウスの、季節で違うマグカップの模様、クッションの柄、カレンダーの絵、

どんな小さなものも逃さす、穴があくほど眺めた。

今、手元にあるこの本を広げれば、昔と変わらない感動をもって、

絵の隅々までじっくりと眺めて過ごす。

お父さんと一緒に、大きくなる木の苗を植えるというラストもいい。



絵本の寿命の長さには驚く。

本屋で働いていたとき、私が読んで育った本が、まだ今も現役で読まれていることを知った。

子供がいないので、そういうことを知らないのだ。

「ももいろのきりん」も好きな本で、これも今も売っている。

「だるまちゃんとかみなりちゃん」の かこさとし も大好きだ。




これらの本の思い出は、40年以上たった今でも、私の心のどこかに大切にしまわれていて、

私という人間を形成する材料のひとつになっている。

たとえタイトルを忘れても、その本から得た感動は残っていて、今もリアルに思い出す。




今度日本に行った時に、必ず「ネンディのぼうけん」を買おうと思っている。





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