太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

プレゼント

2016-08-08 19:34:19 | 日記
アメリカに住んでよかったことのひとつは、プレゼントが気楽なことである。

最初は驚くこともあった。

日本にいたとき、夫の両親が遊びに来た。

夫の母がスーツケースから取り出したカーディガンを私に見せて言った。

「とてもすてきなんだけど、サイズが合わないのよ、着てもらえるかしら」

それは母の日かなにかに私が選んで、ハワイに送ったものだ。

義母は私からのものだということを忘れているんだろうか、と思った。

私の感覚だと、もらったものが合わなかった時、贈った本人には言わずに別の人に譲るだろうと思ったからだ。

しかし義母は私が贈ったものだと承知で、わざわざ荷物に入れて持ってきた。


クリスマスなど、ひとりの人が、誰かに複数のプレゼントを用意する。

だからクリスマスツリーの下は、プレゼントの山になる。

なるべく派手なラッピングで、しかも開けやすいのが大事。

その場で開けて、その人の喜ぶ顔を見るのがプレゼントの醍醐味だ。

だけど、喜ばれなくても大丈夫。

ギフトレシートが入っていて、それを持ってその店に行くと、好きなサイズや色、はたまた

別のものに換えてもらうことができる。

あなたのために選んだけれど、気に入らなかったら好きなのに換えてね、だなんて双方にとって気楽だ。



日本だと、そういうふうにはいかない。

もらったものが好きじゃなくても、今度会った時に身につけていたほうがいいんじゃないかとか、

その人が家に来たときに飾っておいたほうがいいんじゃないかと気をまわす。

お中元やお歳暮という、形式だけの贈り物もめんどうだし、

すべてにおいて「お返し」という、これまためんどくさいものがあって、それらのことができないと

社会的にどうかと思われる。

お香典もお祝いの内容も、誰のときに誰にいくらもらった、という記録をずっとつけている人もいた。

失礼にならないように、というわけである。

もちろん私はそんな記録をつけなかった。

聞いただけで、私に出来るわけがないとお手上げだったからだ。

私のある友人も実家の母も、これは誰にもらったとかいうことを非常によく覚えている。

私はそんなことはすっかり忘れてしまうくせに、記録もつけないのだから、ヤル気ゼロだ。



結婚のお祝いは、本人達が店を決めて、欲しいものをあらかじめリストアップして、

その中から自分はどれを贈るか決める、という方法が知られている。

最近は日本でも、そのやりかたを取り入れ始めたと聞いたこともある。

相手が欲しいとわかっているものを贈るのだから間違いもロスもない。


お中元お歳暮のような、義理で贈るしきたりもない。

お返しの風習もない。

結婚式にご祝儀を包むこともなければ、香典もない。

職場に旅行のお土産を買ってくることもない(たまーにそうする人もいる)

ああ、なんて気楽なんだろう!

その上、こちらの人は「もらい上手」が多くて、ほんとうに嬉しそうにするので

あげるのが楽しみになる。


日本食のスーパーで、「お中元」の文字をみかけるたびに、

つくづく、アメリカにいてよかったと思うのである。











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