太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ボンダンス

2016-08-20 21:20:11 | 日記
ボンダンスの季節だ。

盆踊りのことである。

7月から、いろんなところでボンダンスをやっていて、けっこう人が出る。

私は一度だけ行った事がある。

櫓が組まれて、そのまわりを人々が踊るのは日本と同じだが、見ている人も多い。

ビーチ椅子を持ってきて座り、ピザとか肉まんとか食べている。

やはりここは、イカ焼きだとかヤキソバなんかの店が出ないと、雰囲気は出ない。


今日、隣のお寺でボンダンス大会があった。

そこに行くには車で数分走らないとならないのだが、敷地は我が家の隣であって、

庭から続くジャングルを抜けてゆく勇気があれば、ジャングルの反対側はもう寺だ。

(シュートメは行ったことがあるらしい)

その寺から、スピーカーをとおして読経が朗々と聞こえてくる。

日立のコマーシャルに出てくるモンキーポッドの木や椰子の木がそよぐ青い空に、読経。

変といえば変。

この曲で、どうやって盆踊りを踊ればいいんだ、というような曲が流れて、

ひっきりなしに人が突く鐘の音が響く。

風向きによって、人々の笑い声が聞こえてくるから、きっとみんな楽しんでいるんだろう。



思えば、最後に盆踊りに行ったのは15年以上昔のことだ。

私の中にある盆踊りといえば、子供の頃、近くの小学校の校庭でやっていた盆踊りだ。

夏休み、いそいで夕飯をかきこんで、母に浴衣を着せてもらう。

浴衣の生地の匂い、帯にする三尺のゴワゴワした手触りを今でもよく覚えている。

歩きにくい下駄をはいて、その音を楽しみながら歩いてゆく。

夜の学校は、昼間とは全然違って、まるで知らない場所のようだった。

真っ暗な校庭に、たくさんのちょうちんの明かりに照らされた櫓が唐突にあって

たくさんの人達が楽しそうに踊っている様子は、非日常すぎて不自然なぐらいだった。

子供ごころにも、その夢のような不思議な喧騒は刺激的だった。


家に帰っても、浴衣を着た嬉しさで、寝る寸前まで着たままだ。

いつかの残りの線香花火をやろうとしたら、しけっていてうまく火がつかなかった。

何度も擦ったマッチの硫黄の匂いと、蚊取り線香の匂い。

部屋に吊った蚊帳の匂い。

ボンダンスというだけで、それらのことが香り付き映像で鮮明に浮かんできた。

一人の人間の記憶というものには、どれだけの容量があるのだろう。





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