太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

母性

2016-08-12 18:29:01 | 日記
職場に、ナッツの試食がある。

木製の器に入ったナッツを、小さなトングで取るようになっている。

父親と来ていた白人の6歳ぐらいの男の子が

ナッツをはさんだトングを、ついそのまま口に入れてしまった。

父親は息子を短く叱ったあと、

「申し訳ないけれど、息子が口に入れてしまいました」

とトングを私に渡した。

しばらくして、その男の子が別のナッツの試食をしようとして、またトングを口に入れてしまってすぐ、

自分でも気づいて、「しまった!」というようにおでこに手を当てた。

父親は離れたところからそれを見ていて、自分で言えよ、というようなことを言った。

男の子は少しの間迷っていたが、意を決したように私のところにやってきて

「ごめんなさい、ボク、また同じことをしちゃった・・・」

と言ってトングを差し出した。



か・・・・・・


かわいいッッ!!!!

もうむちゃくちゃかわええッ。


このぐらいの年頃の男の子のかわいさは猫に似ている。

だから猫みたいに、ぎゅーってしたいのを抑えて、

「謝らなくていいよ、教えてくれてありがとね、きみは正直な子だね」

と言った。



子供は苦手だ。

けして嫌いではない。

どうしていいのかわからないのだ。

見知らぬ赤ちゃんを「あらあらあらー」などと言って、上手にあやせる人がいる。

同僚の、3,4歳の子供を、自分の子供のように可愛がれる人がいる。

私には、それができない。

かわいいなあと思う赤ちゃんはいるし、小さな子供と仲良くできたらいいなと思う。

けれど、私は距離をおいて見ているだけだ。

だから6歳の子供に日本語を教えていた2年間は、楽しさと疲労と発見の連続だった。

それは私が子供を持ったことがないからだろうか。

それとも、母性の問題だろうか。

いつかそんな話をしたら、子供をもつ友人が、

「自分の子供以外は、あやしたいほどかわいいって思ったこと、あんまりないよ」

と言った。

そういうものなのかな。



私は生まれた時から父方の祖父母と暮らしていたが、

祖父母はいつも孫達と一線をおいている感じだった。

親に叱られたらおばあちゃんのところに行くといったことはなかったし、

孫は目に入れても痛くないというけれど、うちは違うと子供心に思っていた。

祖父母達も、どうしていいのかわからなかったのかもしれないと

今になって思うのである。






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