太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ソウサツ

2016-08-11 19:47:55 | 英語とか日本語の話
人に対してなにかを指摘するのには、タイミングが肝心だと思っている。

昔、付き合っていた人が、「相殺(そうさい)」のことを「そうさつ」と言った。

こんな場合、相手にもよるし、その場のシチュエーションにもよって

私にはすぐ指摘できるときと、できないときがある。

相手に恥をかかせるのではないかとか、感じが悪いように思われないかとかいった思いが

ほんの一瞬の間に湧き上がって、たいがい、指摘できないことが多い。


このときは、すぐに指摘できなかった。

1度きりなら聞き流して終わりにすることもできるのだが、なぜか何度も会話にこの単語が出てくる。

彼が「そうさつ」と言うたびに、口の中がジャリッとする。

最初に指摘しなかったら、もう指摘するタイミングはない。

べつにそう決まっているわけじゃないけれど、私はそうだ。


仕事の話をしていたから、それは何度も出てくる。

口の中はジャリジャリするし、職場で恥をかくのも気の毒だし、相手は年下だし、

私は思い切って言った。

「ソウサツって書いて、ソウサイって言うんだよ」

相手は黙ったままだ。言わなけりゃよかったと思った。



こんなこともあった。

前の職場で、苗字に「松」の字がつく日本人スタッフがいたのだが、

常連のお客様がそれを「梅」と言う。

最初に間違えたときに、松だと指摘したのだけれど、その次もまた「梅」と言うので、

もう言えなくなってしまった。

本人と話す時には名前を呼ぶことはないので本人は知らない。

その人がいない時に、「梅○さん、今日はお休みなの?」と聞く。

とうとう私が働いていた間、ずっとその人は梅といい続けた。




すんなり素直に指摘できる人がいるのも知っている。

昨年、私の瞼になにかができたときに、顔を見て1秒で

「どしたぁー、その目!」

と言ったAちゃんのような人だ。

人の顔に何かができている時、それを1番気にしているのは本人に決まっているのだから

聞きたい気持ちはあっても、私は本人から言うまで何も言えない。

できればAちゃんのように、あっけらかんとしていたいと思うのに、

どうしてこんなことをいちいち考えているのだろうと

自分のことながら不思議でならないのである。







にほんブログ村 海外生活ブログ 海外移住へにほんブログ村