太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

贈り物

2020-10-09 15:02:28 | 絵とか、いろいろ
私の作品をおいているギャラリーのひとつであるサンシャインは、うちの近所にある。
このパンデミックの間に、そこで私のオリジナル作品が3点と、キャンバスにコピーしたジークリーが1点売れた。
スペースがあいたので、いくつか手持ちの作品を持っていったら、
マネージャーのラティーシャが全部引き取って、その壁1面を全部私のスペースにしてくれた。



他のギャラリーはカハラにひとつ、ワイキキに2か所あるが
サンシャインは車で5分で行ける上、
ラティーシャが良さそうなフレームをつけてくれたりもするので、私はただ作品を持ち込むだけでいいのが便利だ。
他のギャラリーには、フレームワークはしないで販売するだけだから、
フレームを付けたければ自分で付ける必要がある。



シュートメにプレゼントするつもりの、シャワートゥリーが完成した。

シャワートゥリー

ひと月ほど前に、シュートメがカイルアで見かけた黄色いシャワートゥリーがそれはきれいだったと、繰り返し言っていた。
うちの庭に植えたのも、黄色いシャワートゥリーだ。
屋根裏に、いつか買った六角形のキャンバスがあったので、そこにシャワートゥリーを作ろうと思い立った。

シャワートゥリー


背景にする紙を決めるのに、1番時間がかかったかも。

コラージュは、絵の具で描くのとは違い、染めた紙の中からコレというものを選んで貼ってゆくから
自分で色を作り出すことができない。
メンターのスーザンはよく
「Read a paper!(紙を読むのよ)」
と言っていた。まさにその通り。
手染めの紙は、1枚の紙の上に何種類かの色が混ざっていたり、
紙の場所によって色の具合が違ったり、
1枚の紙でも、使う場所によって雰囲気は変わってしまう。

これという紙を選べたときの嬉しさ。
失敗したはずの紙が、後半になってグッとよくなったときの驚き。
紙を選ぶだけで何時間もかかることがあるし、作るのにも時間がかかる。
欲しい色を作って筆で描くほうがどんなに楽かと思うけれど、
難しいからこそ、おもしろい。



午前中に、仕上げを表面に施した。
乾けば、今夜のディナーのときに渡そうと思う。






私、皮むきで鼻高々になる

2020-10-09 11:47:22 | 日記
リンゴの皮は、むいて食べて育った。
梨も柿も桃も皮をむいたし、ブドウは中身だけ食べて皮を捨てた。
こっちの人は、それら全部、皮ごと食べる。
桃だって、産毛を水で洗って落としてからそのまま食べる。
それはそういう食文化なんだろうと思ったし、楽なので、
私もリンゴや梨や桃は皮付きで食べるようになった。

最近、近所のスーパーで柿を売っている。
HUYUと書いてあるから、富有柿なのだろうが、
日本の富有柿の半分ぐらいのミニサイズで、てのひらにおさまってしまう。
それでも味は柿なので、郷愁にそそられて買う。
夫は皮をむかなくていいというけど、私は柿は皮をむきたいので、むく。


先日、夫の叔母の家に行ったときに柿を持って行き、デザートに皮をむいていたら、
そこにいた全員が集まってきた。

「どうしてそんなことができるの?」

「そんな大きなナイフで」

「そんな小さなものを」

柿の何倍も大きな包丁で皮をむいているのが、彼らには不思議に見えるのだろう。
叔母は料理好きなので日本の包丁を持っているが、果物ナイフサイズのナイフしかない家も多い。
まな板だって、キャンプ用サイズの小さなものですべてをこなす。
切りにくいものはキッチンハサミ。
きゅうりなど、器用に空中で小さなナイフで切りながらボウルに落とす。
叔母の家は普通の大きさのまな板を使っているけど、
その叔母ですら、この包丁で果物の皮はむけないという。

そうか、彼らは皮付きが好きというより、皮がむけないのかもしれない。

私は得意満面になったとも。
料理の場面で私が得意になれることなど、あとにも先にもコレだけだ。
しかも日本以外の場所限定。

「包丁と親指の間に皮を入れて、親指を動かしながら、スイスイ」

「おお!」

「こんなこともできるよ」

すっかり得意になった私は、近くにあったリンゴを手に取って、丸のままむきはじめた。
上のほうからクルクルとむけた皮が繋がって、ばねのように伸びてゆく。

「おおお!!」

「じゃがいもだってホラこのとおり」

じゃがいもの芽を包丁の角でえぐってから、するすると皮をむいてゆく。

「そんなデコボコしてるのに!」

「おー、ノー!」

いちいち大げさに驚く様は、まるでわざとらしいテレビショッピングみたいだ。

「どこで習ったの?」

「日本人ならみんな普通にできることさ」

「日本にはピーラーはないのか?」

「あるけど、あとで洗うのも面倒だし、引き出しからピーラー出してる間に包丁でむいたほうが早いよ」

私は冷蔵庫にラディッシュを見つけた。
「なんならラディッシュだって・・・・」
すると叔母が冷蔵庫のドアをやんわり閉めながら、言った。
「ラディッシュはむかなくていいから。むく意味ないし」

ちょっと調子に乗り過ぎた。