太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

子供の頃の休日の昼ごはん

2022-07-10 07:48:03 | 食べ物とか
その昔、土曜日は学校は半ドン(わかる?半日って意味)だった。
学校が完全に週休二日制になったのは2002年らしい。
中学からは土曜の午後は部活があったが、小学校時代は学校が終わると家に帰ってお昼ご飯を食べた。
残りご飯でチャーハンだったり、焼きそばだったり、どれも美味しかったが、
中でも忘れられないのが、アジの干物フライである。

近所のスーパーで買ってきたアジの干物を魚焼きグリルで焼くだけの、なんてことないものなのだけれど、アジの身がジューシーで、ご飯を余計に食べられるほど美味しかった。
大人になり、自分で食事の支度をするようになってから、何度もアジの干物を買ってみるのだが、あの味には出会えない。
昭和50年あたりの時代の食べ物は、今と味が違うのか、思い出の味が美化するのか。

隣町にある肉屋で買ってくるフライも、大好きなお昼のおかずだった。
コロッケと、うずらの卵を串に刺したの、ハムカツ、ジャガイモ、櫛型に切った玉ねぎを串に刺したの、それと必須なのはポテトサラダ。
紙に包まれた、まだ熱いフライをお皿に出し、ソースをたっぷりかける。
肉屋さんのポテトサラダは家で作るのと別物で、いくらでも食べられそうだった。

隣町の肉屋は移転し、干物を買ったスーパーも10年以上前になくなってしまい、実家のあたりは車がなければ食事の買い物ができなくなった。
今でも日本に行くと、懐かしさのあまり、洗練されたスーパーのお惣菜売り場でフライやコロッケを買う。
懲りずにアジの干物も買う。
そして毎回、似ているけど何かが全然違う、と思う。

関西出身の友達に、土曜日のお昼は何食べた?と聞くと即答で、

「お好み焼きかタコ焼き。それを吉本みながら食べるんよ」

と返ってきた。

「子供の頃に食べた味と、今の味と違うように思わない?」

「そういわれればそうかも。あの頃はまだ父も母も元気だったし」

地域や家によっても、食べるものと、その食べ物に付いてくる思い出はそれぞれ違って、その人なりの記憶と味があるのだろう。

母と一緒に、少し離れた市場に買い物に行き、たい焼き屋のおじさんがたい焼きを作るのを飽きずに眺めていた。
豆腐屋に、鍋を持って豆腐を買いに行き、おじさんがタイルでできたシンクに張った水に手を入れて、そうっと豆腐をすくい出すのを見るのが好きだった。
卵売りのおばさんが、もみ殻の中の卵を大事そうに取って、秤に乗せるのを見るのが楽しみだった。
そういう記憶が、あの頃食べたものを、より強く印象づけているのだろうか。

ハワイのスーパーには、日本のようなお惣菜はない。
日本食スーパーに行けば、お惣菜的なものはあるけれど、ちょっと違う。
冷凍もののアジの干物を、魚焼きグリルがないのでトースターで焼く。
日本で食べるアジよりも、さらに記憶から遠く離れた味がする。