落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

エルミタージュ幻想

2003年04月10日 | movie
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私事で恐縮なのですが、私は美術を学んだもので初めての海外旅行は古典美術のメッカ・ギリシャ/イタリア、その後も海外に行けば買物なんか眼中外で教会と美術館をまわりまくる、ガイドブックに載ってて行ってない美術館・日程中に行ける美術館を血眼で探す、そういう人種でございます。ウフィッツィ、ヴァチカン、ルーブル、オルセーは当然チェック済み。ウフィッツィやパラティーナ画廊に至っては三回ずつ行った。オタクだ。

『エルミタージュ幻想』はロシアの若き巨匠ソクーロフが、サンクト・ペテルブルグに実在する所蔵品300万点と云う希有の巨大美術館(全部見るのには6年かかるそうだ)エルミタージュを舞台に、90分一発撮りでロマノフ王朝300年の幻想を表現した映画。
まぁアート系です。ハッキリしたストーリーもないです。正直ヨーロッパ美術にも近代ロシアの歴史にも興味のない人には眠いだけの映画です。
が、このエルミタージュはエカテリーナ大帝がロシアにヨーロッパの文化を持ち込むべく創立した美術館で、建築様式から展示物に至るまで全てが当時の人気美術館・有名宮殿そっくりです。特にエカテリーナ宮やらデカブリスト広場なんかはヴァチカンを建てた建築家を呼んで建てさせたとかでホントに似てます。

そんな「ものすごく見たことあるような」館内を、遊園地のライドアトラクションに乗ってるようなワンカメで見せられるので、こりゃもうエルミタージュに実際行ってる気分にかなりどっぷり浸れます。
そしてあっちこっちでエカテリーナ大帝やピョートル大帝、ニコライ2世と云った宮殿の主達を目撃出来る。
なのでヨーロッパ美術が好き、コスチュームプレイが好きと云う方は結構楽しめると思います。特にラストの舞踏会シーンは盛り上がりも満点です。ワレリー・ゲルギエフがオーケストラ指揮者の役で出てて、ホントに指揮してたりもする。

撮影は合成無しのマジで一発取りで、そのために演劇のように何度も綿密な稽古と打合せを要したそうで、スタッフはカメラに映っても大丈夫なように全員がロマノフ王朝風の扮装をして本番に臨んだそーです。
そんな仕事も楽しそうですね。一日で終わるしさ・・・なんて発言は無責任だよね(笑)。