『ゆれる』
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=htsmknm-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000KIX658&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
兄弟は他人の始まり。
とよくいうけど、まったくその通りだと思う。ぐりにも妹がふたりいるが、幼いころから血が繋がっているような気はぜんぜんしなかった(妹ふたりは顔も性格も似ている)。年を追うごとに距離はどんどん開くばかりで、今では他人との間にさえ感じないような壁まである。せめてまだそれが「溝」になってないのを幸いというべきか。タマにミョーなところでシンクロしてて、DNAってこえー、とか思ったりはするけどね。
この物語に登場する猛(オダギリジョー)と稔(香川照之)も外見的には対照的な兄弟だが、根本的なところでは気味が悪いくらいよく似ている。兄・稔はひとり自虐的になることで状況を収拾しようとするし、弟・猛はひとり悪者ぶってみせることで状況を打開しようとする。そしてふたりとも、お互いを誰よりも激しく求めあいわかりあおうとしながらも深く嫉妬し、信じあえずにいる。
もう一組の兄弟─勇(猛と稔の父/伊武雅刀)と修(蟹江敬三)もそうだ。
映画そのものはなるほどものすごい完成度でした。メチャクチャよく出来てる。
ストーリーもサスペンスとして非常におもしろいし、人物描写や状況説明にムダがなくて洗練されている。美術にも画面構成にも編集にも音楽にも、いっさいケチのつけようがない。ほんとうにうまいです。若手監督独特の妙な青臭さもクセもないし、逆に女性監督特有のしつこさはいい味になっている。
しかしなによりもスゴイのは役者の演技。もうね、ぜんぜん!芝居にみえないです。オダギリジョーはオダギリジョーじゃないし、香川照之は香川照之じゃない。伊武雅刀も伊武雅刀じゃないし、蟹江敬三も新井浩文も木村祐一もピエール瀧も、みんな今までにみたことない芝居をみせている。なのにそれぞれの個性がものすごく巧妙に活かされている。スゴイっす。オダギリジョーはインタビューでこの作品を「20代の集大成」といってたけど、それは他の出演者もみんなそうなんじゃないかと思う。そのくらい、全員名演でした。
こういう言い方はアレだと思うんだけど、この西川美和という監督はもしかしたらホントに天才かもしんないです。
是枝裕和監督の弟子みたいなポジションの人らしいけど、ひょっとすると師匠以上のアーティストになる可能性も大です。てゆーかもう超えてるかも?っつーと言い過ぎか。次を観てみないとなんともいえないですね。それは。旧作『蛇イチゴ』はぐりは未見。まずそれをチェックすべきか。とりあえず弱冠32歳の女性でこういう作家が日本から出てきたことが、正直にめでたいと思います。
それともうこれからは今作の出演者全員のファンになりたい気分です。そのくらい、みんなかっこよかったです。素晴しかった。みんないい役者してました。
日本映画の未来は明るいぞ!
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兄弟は他人の始まり。
とよくいうけど、まったくその通りだと思う。ぐりにも妹がふたりいるが、幼いころから血が繋がっているような気はぜんぜんしなかった(妹ふたりは顔も性格も似ている)。年を追うごとに距離はどんどん開くばかりで、今では他人との間にさえ感じないような壁まである。せめてまだそれが「溝」になってないのを幸いというべきか。タマにミョーなところでシンクロしてて、DNAってこえー、とか思ったりはするけどね。
この物語に登場する猛(オダギリジョー)と稔(香川照之)も外見的には対照的な兄弟だが、根本的なところでは気味が悪いくらいよく似ている。兄・稔はひとり自虐的になることで状況を収拾しようとするし、弟・猛はひとり悪者ぶってみせることで状況を打開しようとする。そしてふたりとも、お互いを誰よりも激しく求めあいわかりあおうとしながらも深く嫉妬し、信じあえずにいる。
もう一組の兄弟─勇(猛と稔の父/伊武雅刀)と修(蟹江敬三)もそうだ。
映画そのものはなるほどものすごい完成度でした。メチャクチャよく出来てる。
ストーリーもサスペンスとして非常におもしろいし、人物描写や状況説明にムダがなくて洗練されている。美術にも画面構成にも編集にも音楽にも、いっさいケチのつけようがない。ほんとうにうまいです。若手監督独特の妙な青臭さもクセもないし、逆に女性監督特有のしつこさはいい味になっている。
しかしなによりもスゴイのは役者の演技。もうね、ぜんぜん!芝居にみえないです。オダギリジョーはオダギリジョーじゃないし、香川照之は香川照之じゃない。伊武雅刀も伊武雅刀じゃないし、蟹江敬三も新井浩文も木村祐一もピエール瀧も、みんな今までにみたことない芝居をみせている。なのにそれぞれの個性がものすごく巧妙に活かされている。スゴイっす。オダギリジョーはインタビューでこの作品を「20代の集大成」といってたけど、それは他の出演者もみんなそうなんじゃないかと思う。そのくらい、全員名演でした。
こういう言い方はアレだと思うんだけど、この西川美和という監督はもしかしたらホントに天才かもしんないです。
是枝裕和監督の弟子みたいなポジションの人らしいけど、ひょっとすると師匠以上のアーティストになる可能性も大です。てゆーかもう超えてるかも?っつーと言い過ぎか。次を観てみないとなんともいえないですね。それは。旧作『蛇イチゴ』はぐりは未見。まずそれをチェックすべきか。とりあえず弱冠32歳の女性でこういう作家が日本から出てきたことが、正直にめでたいと思います。
それともうこれからは今作の出演者全員のファンになりたい気分です。そのくらい、みんなかっこよかったです。素晴しかった。みんないい役者してました。
日本映画の未来は明るいぞ!