落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

アンナ・マデリーナ

1999年05月26日 | movie
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実はこの映画を2度劇場で観て、2度とも同じところで涙してしまいました、私(恥)。
前半に、ガーフが調律に訪れたある家で、おばあさんが件のメヌエットを弾いて聴かせて くれるシーンがありましたよね。後半、再びおばあ?ウんが登場して、今度はひとりピアノに 向かっていかにも心から楽しそうに嬉しそうに同じ曲を奏でる、その場面。
何だか訳もなく涙が溢れて仕方がなかったです。悲しいとか、感動とか、そういう風に 片付けられない、どこか心地よい不思議な涙でした。

いちいち挙げつらうときりがないくらい、とにかくこの映画は各所に神経が行き渡って います。本当にどこと云ってケチのつけようがない。??ノ世界がきっちり出来上がって るし、メッセージもはっきり一貫してるし、見え方にも妥協が無い。俳優の使い方にも スキが無い。
こんなのデビュー作で撮っちゃって良いんですかね監督?次作には充分期待させていただき ます。フフフフフ(ドラえもん)。

夢があって楽しくて、美しくて清々しくて、少し苦くて切なくてあたたかい、「ああ恋が したいなあ」とふと感じる、映画とはまことにこう? るべきだと思わせられるような、 そんな映画でした。拍手。

ロンゲストナイト

1999年05月06日 | movie
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一言で云って、全くつけいるスキのない映画だと思ったです。無駄を極限まで省いたシンプルな構成、巧みで勢いのあるストーリーテリング、個性的でかつリアルなキャラクター描写、美しく洗練された映像表現、全てにおいて完璧と云って良いくらい完成度があります。
そういう意味では全然香港映画らしくない映画かもしれないです(香港映画ってなんぼかスキがあって見る者を気楽にさせてくれるところがありますよね)。

それでなおかつ分かり易く、でも概念的でも無く、観客をほいほいと非常に気持ち良く物語の先へ先へと連れて行ってくれて、でも最後まで気を抜かせない。
カメラワークでも、挿入カットでもトリッキーな照明でも何でも、観客を怖がらせたり驚かせたり警戒させたり、時にはちょっとにやりとさせたり、全部が実に効果的。

個人的にはちょっとこだわってる風な衣裳とか、『セブン』や『ファーゴ』に通ずる感覚とかも気に入りました。
映画館で観たけどフィルムの状態が悪かった(それと途中で館内照明が点いちゃった)のが惜しかったです。香港映画のそこがいつも気になるんだけど。

でもこの時ばかりはエンドロールの時、立ち上がって拍手喝采したくなるくらい感心したです(“感動”する話じゃないもんね)。それくらいよく出来てました。