『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』
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札幌の探偵(大泉洋)が懇意にしていたゲイバーのマサコ(ゴリ)が特技のマジックでコンテストに出場、優勝した矢先に何者かに殺害される。
警察の捜査も進展しない中、マサコが地元の政治家・橡脇(渡部篤郎)のかつての恋人であったことがわかり、事件の真相を明らかにしようとする探偵たちを脅す勢力が現われる。
前にたまたまテレビで観た一作めがまあまあおもしろかったので、二作めもテレビで鑑賞。
続編は一作めより落ちるというセオリー通り、まったくもってさっぱり見どころも何もない見事な駄作だったけど、ただそれだけなら単に時間の無駄だったというだけで終わる。観たこと自体忘れればそれでいい。
けど、この映画にはそこで済ませてはいけない部分があった。
今日のレビューはオールネタバレですので、今後この映画を見るご予定の方はスルーでお願いいたします。
物語の軸は社会の注目と支持を集める有名政治家(=権力)と名もない一介の探偵である主人公(=個人)との戦いという構図になっている。
殺されたマサコが新宿で働いていた20代のころ橡脇と交際していたことが公然の秘密となっていたことから、関係者をとりまく有象無象が事件を探る探偵の行く先々に首を突っ込んでくる。ススキノを仕切るヤクザや右翼、橡脇を支持する脱原発派の市民グループまでが、マサコの死の真実を闇から闇に葬り去ろうとあらゆる手段で探偵を襲う。だが彼らはその暴力の根拠をいっさい持っていない。事実はどうあれとにかく探偵が邪魔だから、目障りだから脅すだけ。全員動機がみんないっしょ。そんな主体性のカケラもない格闘シーンの繰返しで映画がおもしろくなるわけがない。観客をバカにしている。
挙げ句に事件の真相は政治も過去のしがらみも何も関係のないレイシストの仕業だったというから背中が寒くなる。しかもそのレイシストがススキノで風俗店の呼び込みをしているフリーターという設定で、彼はその罪を認めた直後に交通事故で死んでしまう。探偵に事件の調査を依頼したヴァイオリニスト(尾野真千子)はなぜかクライマックスになるまでマサコとの関係を偽っている。お涙頂戴にもならない時代遅れの告白をそこまでひっぱる意味がまったくわからない。まあ他にも意味不明な箇所が多すぎるんだけど。
映画はただのエンターテインメントだが、コメディ映画にしてもあまりにもリアリティがなさすぎる。でもこのリアリティのなさにこそ、われわれは目を向けなくてはならないのではないかとふと思った。
世の中で起きていることの責任をなにひとつ感じることなく、大メディアとお上のいうことを無批判に鵜呑みにして、都合の悪いことは全部誰か知らない人のせい、問題はどこかの誰かがいつか自動的に解決してくれるものと思いこんで暮らしている多くのおめでたい人たちにとって、揃ってマスクをかけ集団でバットを振り回す暴力的な過激派(いまどきそんなのどこにいるのか知らないけど)と、安全な社会と人権を守るために平和的に戦っている市民グループの区別などどうでもいいのかもしれない。感情のままにマイノリティを貶め傷つけるのは低学歴で低所得の生活困窮者であって、自分たちとはまったく別の人種だと決めつけておくのが彼らにとっての安心なのかもしれない。
そういう人々のひとりが何の臆面もなくこういう出鱈目小説を書いて、大企業が何も考えずに無反省に大金つぎ込んで映画にして日本全国の映画館で上映して、多くの観衆が何の違和感もなく観ておもしろがっているのが現実社会だとしたらどうだろう。たかが娯楽作品かもしれない。けど、真実は虚構に宿るともいう。こういう駄作にも真実があるとしたら、その愚かさこそ真実かもしれないと思うのはうがち過ぎだろうか。
まずは人権や環境保護のために働いている人間も、自分たちが現実社会からどう見えているのかはクールに受け止めておくべきだろうとは思う。
そういう意味では、いいかんじに頭が冷える映画ではありました。うん。
絵に描いたような駄作だけどね。『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』も衝撃的な駄作だったけどいい勝負だと思う。あと原作者の知性はちょっと残念すぎるね(原作読んでないけど)。大泉洋にも相当がっかりだね。もとから好きではなかったけど、しょーじきキライになっちゃいました。はははははー。松田龍平は今回アクションシーンしか活躍どころがなかったのが残念。あ、だからつまんなかったのかもー。
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札幌の探偵(大泉洋)が懇意にしていたゲイバーのマサコ(ゴリ)が特技のマジックでコンテストに出場、優勝した矢先に何者かに殺害される。
警察の捜査も進展しない中、マサコが地元の政治家・橡脇(渡部篤郎)のかつての恋人であったことがわかり、事件の真相を明らかにしようとする探偵たちを脅す勢力が現われる。
前にたまたまテレビで観た一作めがまあまあおもしろかったので、二作めもテレビで鑑賞。
続編は一作めより落ちるというセオリー通り、まったくもってさっぱり見どころも何もない見事な駄作だったけど、ただそれだけなら単に時間の無駄だったというだけで終わる。観たこと自体忘れればそれでいい。
けど、この映画にはそこで済ませてはいけない部分があった。
今日のレビューはオールネタバレですので、今後この映画を見るご予定の方はスルーでお願いいたします。
物語の軸は社会の注目と支持を集める有名政治家(=権力)と名もない一介の探偵である主人公(=個人)との戦いという構図になっている。
殺されたマサコが新宿で働いていた20代のころ橡脇と交際していたことが公然の秘密となっていたことから、関係者をとりまく有象無象が事件を探る探偵の行く先々に首を突っ込んでくる。ススキノを仕切るヤクザや右翼、橡脇を支持する脱原発派の市民グループまでが、マサコの死の真実を闇から闇に葬り去ろうとあらゆる手段で探偵を襲う。だが彼らはその暴力の根拠をいっさい持っていない。事実はどうあれとにかく探偵が邪魔だから、目障りだから脅すだけ。全員動機がみんないっしょ。そんな主体性のカケラもない格闘シーンの繰返しで映画がおもしろくなるわけがない。観客をバカにしている。
挙げ句に事件の真相は政治も過去のしがらみも何も関係のないレイシストの仕業だったというから背中が寒くなる。しかもそのレイシストがススキノで風俗店の呼び込みをしているフリーターという設定で、彼はその罪を認めた直後に交通事故で死んでしまう。探偵に事件の調査を依頼したヴァイオリニスト(尾野真千子)はなぜかクライマックスになるまでマサコとの関係を偽っている。お涙頂戴にもならない時代遅れの告白をそこまでひっぱる意味がまったくわからない。まあ他にも意味不明な箇所が多すぎるんだけど。
映画はただのエンターテインメントだが、コメディ映画にしてもあまりにもリアリティがなさすぎる。でもこのリアリティのなさにこそ、われわれは目を向けなくてはならないのではないかとふと思った。
世の中で起きていることの責任をなにひとつ感じることなく、大メディアとお上のいうことを無批判に鵜呑みにして、都合の悪いことは全部誰か知らない人のせい、問題はどこかの誰かがいつか自動的に解決してくれるものと思いこんで暮らしている多くのおめでたい人たちにとって、揃ってマスクをかけ集団でバットを振り回す暴力的な過激派(いまどきそんなのどこにいるのか知らないけど)と、安全な社会と人権を守るために平和的に戦っている市民グループの区別などどうでもいいのかもしれない。感情のままにマイノリティを貶め傷つけるのは低学歴で低所得の生活困窮者であって、自分たちとはまったく別の人種だと決めつけておくのが彼らにとっての安心なのかもしれない。
そういう人々のひとりが何の臆面もなくこういう出鱈目小説を書いて、大企業が何も考えずに無反省に大金つぎ込んで映画にして日本全国の映画館で上映して、多くの観衆が何の違和感もなく観ておもしろがっているのが現実社会だとしたらどうだろう。たかが娯楽作品かもしれない。けど、真実は虚構に宿るともいう。こういう駄作にも真実があるとしたら、その愚かさこそ真実かもしれないと思うのはうがち過ぎだろうか。
まずは人権や環境保護のために働いている人間も、自分たちが現実社会からどう見えているのかはクールに受け止めておくべきだろうとは思う。
そういう意味では、いいかんじに頭が冷える映画ではありました。うん。
絵に描いたような駄作だけどね。『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』も衝撃的な駄作だったけどいい勝負だと思う。あと原作者の知性はちょっと残念すぎるね(原作読んでないけど)。大泉洋にも相当がっかりだね。もとから好きではなかったけど、しょーじきキライになっちゃいました。はははははー。松田龍平は今回アクションシーンしか活躍どころがなかったのが残念。あ、だからつまんなかったのかもー。