地震が起きて、町中の家や建物が倒れたり崩れたりする夢を見た。
不思議にそれほど怖くないのだが、余震の中で次々に火災が発生して、壁が焼けてはがれ落ちて室内が見えてしまっている住宅や、頬に感じる熱気が妙にリアルだった。
夢の中でぐりは妹と暮らしている。
ふたりの家も住める状態ではなくなったので、めぼしい家財道具をまとめてクルマに積み込み、郊外に避難先を探すことにする。
誰もが街を捨てて出て行こうとしているので、レンタカーや避難先の物件を確保するのに苦労する。
いつまでいるかわからないから、とりあえずはウィークリーマンションでもなんでもいいよ、とぐりがいう。
妹は朝鮮の骨董品の陶器(架空の動物のフィギュア)を持って行くべきかどうか悩んでいる。
避難してから建物の外に出ると、夜空が燃えるように美しい。
太陽のように燃えている天体が星として見えるわけだから、実際に夜空は「燃えている」には違いないのだが、それにしても明るい。
ほうき星が次々に空を横切り、雨のように地上に降り注ぐのが見える。
避難先で東北(たぶん福島)の女子高生に出会い、復興ボランティアに対する不満を告白される。
彼女はぐりや他の人たちの前で、自分のことを知りもしない赤の他人に、励まされたり勇気づけられたりしなくてはならない怒りや悲しみ、苦しみを吐露する。
自分たちが憐れまれるような存在であることは、自分たちの責任じゃない。
なのに、ボランティアからもらったものをありがたがったり、してもらったことに感謝しなくてはならないという義務感が重い。
どうして?なぜ?という彼女の前に、ぐりは土下座して許しを乞う。
そこで目が覚めた。
夢の中で見た情景は多くはメディアの影響だと思うが、燃えているような広大な星空と、最後に出てきた女子高生には心当たりがない。
しかし彼女の怒りには心当たりがあり過ぎて、夢から覚めてものすごくほっとした。
彼女の言葉は、ぐりが、いつも、被災されている地域の人にいつか投げつけられるであろう批判として、肝に銘じ続けていることだからだ。
ぐりが続けてきた復興ボランティアは、あくまでもぐりが自分のためにしたくて続けていることだ。
だが、それでも「してもらっている」ということを重荷に感じ、傷ついている人もいるだろうと思う。
そうは思っていても、現実には、復興ボランティアがすべきことはまだまだたくさんあって、ぐりの東北通いもいつが辞め時なのかまったく見通しは立っていない。
このジレンマは常に心の中にある。
夢の中の女子高生の顔には見覚えがなかったが、土下座するぐりに対して見せた複雑な表情からは、ぐりは具体的な感情を読み取ることができなかった。
それほど彼女は複雑な表情をしていた。
あるいはあの子は、ぐりがもし今、17歳くらいで被災していて支援を受ける立場だったらどう感じていたか、という話をしただけかもしれない。
そうだと思いたい。
不思議にそれほど怖くないのだが、余震の中で次々に火災が発生して、壁が焼けてはがれ落ちて室内が見えてしまっている住宅や、頬に感じる熱気が妙にリアルだった。
夢の中でぐりは妹と暮らしている。
ふたりの家も住める状態ではなくなったので、めぼしい家財道具をまとめてクルマに積み込み、郊外に避難先を探すことにする。
誰もが街を捨てて出て行こうとしているので、レンタカーや避難先の物件を確保するのに苦労する。
いつまでいるかわからないから、とりあえずはウィークリーマンションでもなんでもいいよ、とぐりがいう。
妹は朝鮮の骨董品の陶器(架空の動物のフィギュア)を持って行くべきかどうか悩んでいる。
避難してから建物の外に出ると、夜空が燃えるように美しい。
太陽のように燃えている天体が星として見えるわけだから、実際に夜空は「燃えている」には違いないのだが、それにしても明るい。
ほうき星が次々に空を横切り、雨のように地上に降り注ぐのが見える。
避難先で東北(たぶん福島)の女子高生に出会い、復興ボランティアに対する不満を告白される。
彼女はぐりや他の人たちの前で、自分のことを知りもしない赤の他人に、励まされたり勇気づけられたりしなくてはならない怒りや悲しみ、苦しみを吐露する。
自分たちが憐れまれるような存在であることは、自分たちの責任じゃない。
なのに、ボランティアからもらったものをありがたがったり、してもらったことに感謝しなくてはならないという義務感が重い。
どうして?なぜ?という彼女の前に、ぐりは土下座して許しを乞う。
そこで目が覚めた。
夢の中で見た情景は多くはメディアの影響だと思うが、燃えているような広大な星空と、最後に出てきた女子高生には心当たりがない。
しかし彼女の怒りには心当たりがあり過ぎて、夢から覚めてものすごくほっとした。
彼女の言葉は、ぐりが、いつも、被災されている地域の人にいつか投げつけられるであろう批判として、肝に銘じ続けていることだからだ。
ぐりが続けてきた復興ボランティアは、あくまでもぐりが自分のためにしたくて続けていることだ。
だが、それでも「してもらっている」ということを重荷に感じ、傷ついている人もいるだろうと思う。
そうは思っていても、現実には、復興ボランティアがすべきことはまだまだたくさんあって、ぐりの東北通いもいつが辞め時なのかまったく見通しは立っていない。
このジレンマは常に心の中にある。
夢の中の女子高生の顔には見覚えがなかったが、土下座するぐりに対して見せた複雑な表情からは、ぐりは具体的な感情を読み取ることができなかった。
それほど彼女は複雑な表情をしていた。
あるいはあの子は、ぐりがもし今、17歳くらいで被災していて支援を受ける立場だったらどう感じていたか、という話をしただけかもしれない。
そうだと思いたい。