落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

桃井節

2009年07月29日 | diary
仕事中は感情的になりたくない、なるまい、とどんなに思っていても、無理なときというのはある。
それでも、「絶対」と「必ず」と「無理」という言葉だけは使わない。
それを口にしたら全部終わっちゃうから。
けどそんなプライドすら役に立たない相手もいる。

世の中バカが多くて疲れません?といった女優がいたけどーってネタは古過ぎるか。


トケイトケイトケイトケイトケイトケイトケイトケイトケイ・・・

心亡くし気味

2009年07月26日 | diary
なんか忙しくて。
やることはいっぱいあるんだけど、やらなきゃー、やらなきゃーとゆー気ばかり焦って進まないー。とゆーことが最近多いよーな。

先週末に行った映画祭の記事について追記。
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭のコンペ受賞結果『あなたなしでは生きていけない』が最優秀作品賞、『ノラの遺言』が脚本賞を受賞。
毎年質の高いコンペなのに今回は2本しか観れなくてすごく残念だったけど、2本とも主要賞受賞ってことはアタリだったのね?ってか上映スケジュールからしてそーゆーもんだったのかしらん(ぐりが観た回は上映日程の最終日)?
いずれにせよ来年はもっとたくさん観たいなー。

『あなたなしでは生きていけない』のレビューに音楽がチープ、と書いたけど、この映画の音楽は日本人アーティストの蔭山征彦氏が担当されていたことが判明(恥)。→ブログ 実録 亞細亞とキネマと旅鴉
いいかげんなこと書いてすみません。


青山にて。

美嫁伝説

2009年07月25日 | movie
『乙女シリーズ その一 花物語 福壽草』

人気作家だった吉屋信子の短編小説を映像化した1935年制作のサイレント映画。
兄のもとに嫁いできた義姉・美代子に淡い恋心を抱く女学生の薫。美代子も薫を妹としてかわいがってくれるのだが、投資に失敗した兄の窮状を助けるために内職仕事に精を出し過ぎて胸を病んでしまう。祖父も亡くなり、一家は再出発のため満州に移住することになるのだが・・・。

ここまで古い日本映画を今までほとんど観たことがなくて、それは新鮮だったんですが。
今回の上映には片岡一郎の活弁と柳下美恵の即興演奏がついてまして、それも新鮮ではあったんだけど。やっぱいちばん台詞がほしいとこで沈黙になっちゃったりするとツライもんがありー。
あとやっぱ物語が女の子向けの流行小説(現代でいうと少女マンガみたいな)原作だからかやたらめったら耽美調で、しかもおそらく監督自身このストーリーをちゃんと消化できてないっぽい感じ。こないに書いてあるから、そのまま撮ったらそれでええやろー?的な仕事に見えてしまう。

ただ細部には観ていておもしろいところはいろいろあり。
たとえば女学校の制服がツーピースに大きなリボンタイのついたものすごい少女趣味なデザインだったりするのは、後世につくられた時代ものの映像作品には観られないセンスだと思う。戦前=地味みたいな固定概念があるからね。まあ田舎の女学校で実際あんなの着てたかどーかは謎ですけど、観客ウケ狙いだとしてもこういう制服があのころの若い女性に好まれてたんだなってことはわかる。今観ると山村の田園風景とおそろしーくらいミスマッチですけどねー。
それから、村役場に勤める兄ののんべんだらりとした生活ぶりと、家財を失って「じゃあ満州に」なんて展開にも時代を感じる。日本人は昔から勤勉で真面目だとはよくいうけど、日本人だからっていつでも誰でもそうとは限らないのが当り前。当り前だけど、このテキトーとゆーかお気楽な発想は現代からはちょっと想像つかないです。今の映画でこーゆーことやったら、いろんな人にめちゃくちゃ叱られそう。

あと美代子を演じた久松美津枝の美貌にはぐりもビックリ。
今までぜんぜん知らない女優さんだったけど、調べてみたら1933〜41年の8年間しか女優活動はしてないけど、それでも77本もの映画に出てるってことはそれなりに人気があったのかな?とにかくチョー美しい人でした。たおやかというか可憐というか。日本髪と着物がとっても似合ってて。
だから、いちいちなにかっちゅーと「お姉様!」なんて義姉に熱狂する薫の異様な恍惚感はなんとなくわかる。あんなにキレイな人が家にいたら困っちゃうよー。ってくらい、キレイでしたん。

ガールズキャンディ

2009年07月25日 | movie
『キャンディレイン』

4組の若い女性カップルを描いた台湾のオムニバス映画。
第1話“如果南國冰封了”は学生時代の友人を頼って台北に引っ越した少女と友人との恋、第2話“看不見攻撃的城市”は潔癖性の料理人とネットで知り合った30代の雑誌編集者の恋、第3話“夢見相反的夢”は「女の役割を果たすため」と男性と結婚した女性と元恋人との関係、第4話“像花吃了那女孩”は浮気性のタチと彼女をめぐる3人の少女の物語。

観終わって会場の外に出たら、「すっごいよかった」と感激してたレズビアンがいたので、たぶんおもしろいと感じる人もいるんだろうと思うんだけど。
ぐりはもう全然!さっぱり!ダメでした。
何がいいたいのかまったくわからないのよ。女の子たちはかわいいし、美術とか撮影技術とか編集とか音楽とか、ディテールに凝った綺麗な映像には仕上がってると思うんだけど、だからそれが何?ただただキレイな子がぞろぞろ出てきて、チャラチャラ恋愛ごっこしてるのを延々見せられても何も感じない。だってリアリティもなんにもないじゃん。
いったい何がやりたいのかわからない映画くらい、観ててしんどいものはない。クオリティなんかの問題じゃない。きちっとつくってあっても、サムいものはサムい。

もういいかげん、こういうガールズムービーは観るのはやめようと思う。時間の無駄だし入場料ももったいない。
しかしレズ映画ってなんでこんなのばっかりなのー??

イン・ザ・クローゼット

2009年07月23日 | movie
『アウトレイジ』

2007年、アメリカ共和党のラリー・クレイグ上院議員が空港のトイレでおとり捜査官を誘惑して逮捕された。共和党でも保守派に属するといわれるクレイグ議員のスキャンダルに全米がショックを受けたが、保守派議員のゲイ・スキャンダルはこの前年にも起きていた。マーク・フォーリー下院議員がページボーイと呼ばれる議会で働く高校生たちと10年間もわいせつなメールをやりとりしていた疑惑が持ち上がっていたのだ。
政治家だって人間だから、中にはセクシュアル・マイノリティだっていたってかまわない。というか、いて当たり前だ。べつにそれは問題ではない。
問題なのは、クローゼット・ゲイ政治家の多くが、日々人権保護を求めて戦っているゲイたちの活動を妨害していることだ。議会に提出されるセクシュアル・マイノリティのための法案―同性婚、ゲイカップルの養子縁組、ヘイトクライムの防止などなど―に、彼らはことごとく反対票を投じる。
映画では、彼らの欺瞞を告発し、なぜ彼らがそのような矛盾した行動をとるのか、専門家や人権活動家の意見も交えて紹介する。

このスキャンダルについては前から報道で耳にはしてたし、映画としては観る機会に恵まれたのはよかったと思うんですがー。なんかもっそい眠かった。なぜか。
出てくる情報のほとんどが既に報道で知られた内容だってのもあるんだけど、単調なんだよね。展開がさ。マジメすぎるんだよ。映画として。
まあマジメにつくりたい気持ちはわからんでもないけどさあ、そんなガッチガチに深刻になられても。ぶっちゃけついてけませんて。
ただ観れば観るほど、アメリカのゲイ差別の複雑さとしんどさには心底うんざりさせられる。セクシュアリティはあくまで人のパーソナリティの一部でしかない。ベッドで誰と寝ていようと、それだけがその人の全人格を規定するわけではないのだ。政治家がゲイ/レズビアンである自分を誤摩化すことに極端に固執するのは、彼らにとってはセクシュアリティよりも政治家という職業/地位が重要だからだ。そもそも政治家は市民のために奉仕すべき聖職であるにも関わらず、現実には、政治家にとってはセクシュアル・マイノリティを含む市民の人権よりも、自らの保身の方がずっと大切なのだ。人情なんてそんなものである。

映画では、彼らクローゼット・ゲイを告発する理由として、セクシュアル・マイノリティの当事者であるはずの彼ら自身が、ヘイトクライムを助長しているからだとしている。それは確かに深刻かもしれない。
けどぐり個人としては、政治家にあまりにも多くを求めすぎているようにも見えた。それがアメリカのお国柄なのかもしれないけど、正直なところついていけなかった。
誰もがハーヴェイ・ミルクのように勇敢になれればそれは素晴らしいことだけれど、現実はそうはいかない。ミルクだって議員になっていくらもしないうちに暗殺されちゃったしね・・・。