『ニッケル・アンド・ダイムド アメリカ下流社会の現実』バーバラ・エーレンライク著 曽田和子訳
『超・格差社会アメリカの真実』小林由美著
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=htsmknm-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4492222731&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
お隣中国と同クラスの超格差社会アメリカの現状を、最低賃金生活体験レポートという形でミクロに書いたのが『ニッケル・アンド・ダイムド』、アメリカ経済を建国の歴史からIT成金のライフスタイルまでマクロに解説したのが『超・格差社会アメリカの真実』。
去年TBSラジオ「ストリーム」で永江朗氏がオススメしてた2冊、やっと借りれました。半年がかり(かかりすぎ)。
最低賃金生活体験レポートといえば『モーガン・スパーロックの30デイズ』でもやってましたね。アレとこの本でやってることは基本同じです(この本が書かれたのが先)。ただしエーレンライクはフロリダ州でウェイトレス・メイン州でハウスクリーナーと老人ホームのヘルパー・ミネソタ州でウォルマート店員、とまったく環境の違う場所で別々の職業をそれぞれ体験している。しかもスパーロックは当時30代前半、エーレンライクは当時50代後半である。根性のすわり方が違います。なんちゃって電波少年とはワケが違う。
この2冊を読んでると、アメリカという国はほんとうに変わった国だなとしみじみ思う。
アメリカ国民自身も、日本も含めた外国の人間も、アメリカといえば「自由と平等の国」というイメージを強くもっている。だが実際にはその「自由」と「平等」にはいろんな条件がからんでいる。そのひとつは「移民」であり、もうひとつは「戦争(外国紛争への軍事介入)」である。
アメリカは移民が戦争をしてできた国だけど、あれから300年余が経った今も、移民と戦争なしには成り立たない国であり、移民と戦争があればこそ、お金を持ってる人間にとってのみ「自由と平等の国」であり続けられるという。
つくづくおかしな国だと思うし、逆に、他の国がアメリカのような国柄を真似しようとしてもムリなところはそこだろうなとも思う。まあ真似したいのは一部の変わった人たち(「格差が出ることが悪いとは思わない」とかのたまったあの人とか)くらいだと思うけど。
でもこのアメリカの現状の一部は日本にもあてはまるところはある。
たとえば最近日本でも在日外国人の急激な増加が目立ってるしそれを快く思わない日本人もいるけれど、彼らがしている仕事なしに今の日本経済が成り立つかといえば今さらちょっと難しいんじゃないかと思う。
福祉制度の疲弊や教育システムの破綻もちゃくちゃくと進行しつつある。実際、私立学校の高度化と公立学校の凋落のギャップは既に埋めようのないレベルにまで拡大してしまっているし、障碍者の生活保障や社会参加制度、犯罪者の更生システムの貧しさは前世紀のいつからか完全にストップしてるとしか思えない。マジメに取り組んでいるのは一部の研究者や市民活動家だけで肝心の国はどうしているのか、国民の関心自体が薄い。
お金があってもなくてもみんなに均等に機会が与えられる社会は、誰がなんといおうといい社会だとぐりは思う。
お金があるのは悪いことじゃない。けどそれだけが全てじゃない、といえる社会の方が豊かなはずだ。どこに生まれようとみんながきちんとした教育を受けられる、重い病気になってもちゃんと治療が受けられ、誰もが最低限の生活を保証される社会のどこが悪いのか。
低賃金で人が嫌う仕事をもくもくとしてくれる移民を無尽蔵に受け入れる余裕もなく、資源を持つ国を侵略して利権を奪い取れる国力もない小さな島国には、できることとできないことがある。
それならば、今できていることを伸ばしてもっと住みよい国にすることの方がリアリティあると思うんだけど。
どうでしょう。
『超・格差社会アメリカの真実』小林由美著
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お隣中国と同クラスの超格差社会アメリカの現状を、最低賃金生活体験レポートという形でミクロに書いたのが『ニッケル・アンド・ダイムド』、アメリカ経済を建国の歴史からIT成金のライフスタイルまでマクロに解説したのが『超・格差社会アメリカの真実』。
去年TBSラジオ「ストリーム」で永江朗氏がオススメしてた2冊、やっと借りれました。半年がかり(かかりすぎ)。
最低賃金生活体験レポートといえば『モーガン・スパーロックの30デイズ』でもやってましたね。アレとこの本でやってることは基本同じです(この本が書かれたのが先)。ただしエーレンライクはフロリダ州でウェイトレス・メイン州でハウスクリーナーと老人ホームのヘルパー・ミネソタ州でウォルマート店員、とまったく環境の違う場所で別々の職業をそれぞれ体験している。しかもスパーロックは当時30代前半、エーレンライクは当時50代後半である。根性のすわり方が違います。なんちゃって電波少年とはワケが違う。
この2冊を読んでると、アメリカという国はほんとうに変わった国だなとしみじみ思う。
アメリカ国民自身も、日本も含めた外国の人間も、アメリカといえば「自由と平等の国」というイメージを強くもっている。だが実際にはその「自由」と「平等」にはいろんな条件がからんでいる。そのひとつは「移民」であり、もうひとつは「戦争(外国紛争への軍事介入)」である。
アメリカは移民が戦争をしてできた国だけど、あれから300年余が経った今も、移民と戦争なしには成り立たない国であり、移民と戦争があればこそ、お金を持ってる人間にとってのみ「自由と平等の国」であり続けられるという。
つくづくおかしな国だと思うし、逆に、他の国がアメリカのような国柄を真似しようとしてもムリなところはそこだろうなとも思う。まあ真似したいのは一部の変わった人たち(「格差が出ることが悪いとは思わない」とかのたまったあの人とか)くらいだと思うけど。
でもこのアメリカの現状の一部は日本にもあてはまるところはある。
たとえば最近日本でも在日外国人の急激な増加が目立ってるしそれを快く思わない日本人もいるけれど、彼らがしている仕事なしに今の日本経済が成り立つかといえば今さらちょっと難しいんじゃないかと思う。
福祉制度の疲弊や教育システムの破綻もちゃくちゃくと進行しつつある。実際、私立学校の高度化と公立学校の凋落のギャップは既に埋めようのないレベルにまで拡大してしまっているし、障碍者の生活保障や社会参加制度、犯罪者の更生システムの貧しさは前世紀のいつからか完全にストップしてるとしか思えない。マジメに取り組んでいるのは一部の研究者や市民活動家だけで肝心の国はどうしているのか、国民の関心自体が薄い。
お金があってもなくてもみんなに均等に機会が与えられる社会は、誰がなんといおうといい社会だとぐりは思う。
お金があるのは悪いことじゃない。けどそれだけが全てじゃない、といえる社会の方が豊かなはずだ。どこに生まれようとみんながきちんとした教育を受けられる、重い病気になってもちゃんと治療が受けられ、誰もが最低限の生活を保証される社会のどこが悪いのか。
低賃金で人が嫌う仕事をもくもくとしてくれる移民を無尽蔵に受け入れる余裕もなく、資源を持つ国を侵略して利権を奪い取れる国力もない小さな島国には、できることとできないことがある。
それならば、今できていることを伸ばしてもっと住みよい国にすることの方がリアリティあると思うんだけど。
どうでしょう。