2018年3月8日、財務省が、森友学園との国有地取引に関する決裁文書のコピーを国会に提出したが、国会議員にすでに開示した文書と同じだったため、野党6党は強く反発し、参院予算委員会(維新は出席)を欠席した。
その際の安倍首相の答弁「早期に説明できるよう財務省をあげて最大限努力をしてもらいたい。政府としても誠意を持って対応していく考えだ」
麻生財務相の答弁「操作の最終的な結論が出る前の段階も視野に入れつつ、できるだけ早期に説明できるように、財務省あげて最大限の努力をしていきたい」
菅官房長官の記者会見「財務省の文書管理の問題」
自民森山裕・国対委員長の国体メンバーへの指示「日程が詰まっているところから動かしていこう」。働き方改革関連法案を扱う予定の厚生労働委員会など衆院の3委員会と本会議について、自民党出身の委員長が職権で9日開催を決めた(9日、野党6党は「ゼロ回答」を続ける財務省の担当者からのヒヤリングを続けたため欠席)。参院本会議も与党と維新だけが出席した理事会でセット。
3月9日、財務省前理財局長の佐川宣寿国税庁長官が引責辞任。
同日。自民・森山国対委員長「一般人になられ、(国会招致が)難しくなった」(この発言に対し共産・小池は「証人喚問逃れのために、辞めさせたと言ったようなものだ。証人喚問逃れは許さない」と発言)
同日。共産・小池書記局長「『佐川隠し』をやってきた安倍政権の責任は極めて重大だ」
同日。立憲・辻元国対委員長「佐川さんも犠牲者かも知れない。政治家が政治的に責任をとるべき案件だ」
同日。希望・玉木代表「隠蔽をはかるための辞任ではないか。麻生大臣の責任も厳しく問われる」
同日。民進・増子幹事長は森友問題で「要求資料が全く出てこない。立法府がどうあるべきかが問われている。国政調査権を発動し、与党も一緒になって問題解決に取り組んでいく事が国民に対する責任だ」
同日。公明・大口国対委員長「佐川長官の辞任は遺憾であり、やむをえない」
同日。麻生財務相の会見「(佐川は)国税分野の豊富な経験に照らして適任だと判断している。他方、国会審議の混乱を招いた、行政文書の管理状況について指摘を受けている、さらに今取りざたされている決裁文書の当時の担当局長だったので辞職したいと本人から申し出があり、退職となった」「色々お騒がせしているとか、丁寧さを欠いたと本人が言っていて、責任を感じている事は理解するが、少なくとも国税庁長官として不適任だったという意識は私にはない」「理財局長時代もきちんと仕事をしていた。適任な人を信任したとおもっている」「(佐川の辞任、減給の理由は)今回取りざたされている決裁文書の国会提出時の担当局長で、行政文書の管理状況などについて管理不行き届きだったのではないかとの指摘を受けていた。この点が一番大きな理由になったと思う」
10日。森山裕は講演で「(森友問題は)しっかり議論しなければいけないが、重要な法案を人質にした形で国会の審議を進めてはならない。それは国民のために意味がない。野党も、まさかそんな事はお考えではないだろう」
自由・小沢代表は党会合で「国税庁長官が辞めて済む話ではない。誰が(文書の書き換えを)させたのかをはっきりさせないと、権力の私物化、乱用に対する国民の判断がつかない」
安倍首相と麻生財務相(安倍政権)は、ここに至るまでなぜ、国民の圧倒的多数が求め続けている森友学園問題の真相を、自らの地位と職権で積極的に明らかにしようとしなかったのだろう。そして、ここに至ってもなお、国民に対して自ら積極的に真相を明らかにしようとする誠意を感じさせる姿勢を見せないのであろう。
安倍首相と麻生財務相によって成る安倍政権は、教育基本法を改定した。その第2条「教育の目標」の5項には、政権の悲願とする「我国……愛する」という「愛国心」を指す言葉を挿入する事を実現した。その彼ら安倍政権の「愛国心」とは単に「国土を愛する事」ではなく「安倍政権を愛する事」を意味しており、その政権の理想とする思想精神を「道徳科」を中心としたすべての教科科目において生徒に「教化」(洗脳)しようとするものである事がこの森友学園問題で暴露された。
国民は、「真の愛国心」のあり様を、野党6党(維新を除く)の主張と行動にこそ気づかなければならない。