2018年3月7日に、2025年万博の開催地を決定するために、博覧会国際事務局(BIE)の調査団が大阪へやってきたが、その際に松井大阪府知事、吉村大阪市長(いずれも維新の会所属、府知事は会長)は市役所職員を動員して歓迎したが、大阪市立咲くやこの花中学校の英語部の女生徒も動員して歓迎させた。万博誘致のためなら何でもやると言わんばかりであり、中学校の教員やその生徒たちを動員するという手法は、特に対象となった生徒たちの人権を侵害する問題である事を無視したものといえる。また、なぜこの中学校の生徒を動員したのかを推察するに、動員の対象とされたのが「咲くやこの花(サクヤコノハナ)」中学校であるというのは、どういう理由でこの名称に決定したのかにも関心があるが、偶然ではなく安倍政権や右翼がひじょうに好感をもつ、記紀神話に登場する、天照大神の孫・ニニギノミコトの妻・コノハナサクヤヒメをもじった名称である事と関係があるのではないかと思われる。
松井大阪府知事と吉村大阪市長(維新の会)がいかに人権尊重の意識が欠落し時代錯誤の価値観を有しているかを暴露する証拠である。
ついでながら、維新の会の価値観を示す例として、2018年3月23日付の新聞に、「ピースおおさか」を開館時の設置理念に立ち返るよう求める市民団体の設立を提案し、賛同者を募っているという記事が載っている事を紹介しよう。設置理念は「中国をはじめアジア・太平洋地域の人々、また植民地下の朝鮮・台湾の人々にも多大の危害を与えた事を、私たちは忘れません」というものであったが、この「ピースおおさか」に対しても、府知事・市長を務めた橋下徹氏自身や氏が率いる維新の会が議会で「偏向した展示物が多すぎる」「展示内容が不適切となれば、廃館も考える」と圧力をかけたため、2015年4月のリニューアルで加害行為に関する写真やパネル説明(中国南京大虐殺、731部隊の人体実験、中国重慶爆撃、朝鮮・中国人強制連行と強制労働、占領地捕虜の虐待、日本がなぜ戦争を始めたのかなど)を撤去し、侵略の言葉もなくし、大阪大空襲の展示を主とした内容に変更させられた経過があるのである。この件を見ても、維新の会がいかに日本国憲法を否定する政党であるかという事が明確に示されている。