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大阪市教委「主務教諭対象外条件」再検討:憲法法律順守の意識欠如、市長・教育長の価値観に問題あり、就任資格なし

2018-03-07 22:54:39 | おおさか維新の会

 吉村洋文大阪市行政(教育委員会)は今時、職員(教員)を何という時代錯誤の価値観に基づいて就業させその人事評価を行っているのだろうか。また、それはいかに国内外の情勢と変化に疎く、「人権意識」が「欠如」しているのかという事と同義でもある。地方公務員育児休業法「職員は育児休業を理由に不利益な扱いを受けない」(大阪市職員は、子どもが3歳になるまでの育児休業と、介護の対象者1人につき最長6カ月の介護休暇を取得できる)に違反する内容でもある。国際連合は、男女の事実上の平等を保障するために、1967年に「女子差別撤廃宣言」を発し、1979年には「女子差別撤廃条約」を採択し、1981年発効した。日本は1985年に条約批准の前提として国内法「男女雇用機会均等法」を制定し、批准した。「均等法」はその後「改正」を重ね充実してきた。育児休業法介護休業法も改正を重ね充実してきた。

 大阪市教育委員会は、2018年度から「主務教諭」を設ける人事制度(この「主務教諭」は、能力や実績を反映した人事評価などに向けた大阪市独自の試み)の導入を予定していたが、市議会で「時代に逆行している」と批判され見直しを求められ再検討するとしたが、上記のような国内外情勢の現在に、今回の「選考案」が考案され議会に提案されたという事に驚かざるを得ない。また、この件は市長や教育長単純な判断「ミス」と見做し「再検討」させる事で済ませてよいものではない。なぜなら、その「選考案」作成の背景には、市人事課の「45日以上欠勤すると、昇格が適しているかどうかを考える期間が足りないと判断して要綱を定めていた」という説明で明らかなように(教育長も同じ発想)、市長やそのブレーン(教育長や市人事課など)が偏向した価値観を有しており、そこにこそ根源的な重大な問題があると考えられるからである。それは憲法第99条「憲法尊重順守義務」を第一義に考えないだけでなく無視する価値観である。だから、その点を糾し、自覚させ、謝罪させ改めさせる必要があるのである。しかし、「維新の会」の体質は「人権保障に否定的消極的」であるから、恐らく故意に行っていると考えるべきで、姑息な検討結果しか示してこないであろう。

 「主務教諭」選考案は、「37歳未満の大卒者は教員経験が8年以上」(モデル的な昇給をした人の場合、37歳までに主務教諭にならないと、昇給は止まる)のほか、「懲戒処分を受けた」などの場合などは対象外としているが、特に見直しを求められ再検討しなければならないとされた内容は、2018年4月1日時点で、「育児休業」「公務によるけが」の場合や、17年度の1年間に「育児休業」や「介護休暇」で45日以上休んでいる場合も対象外としている点である。

 市議会で「育児休業」や「介護休暇」などに関わる点が再検討を求められた事については、誰もが納得できる当然の事である。しかし、それとは別に私は問題があると考える点がある。それはまず、「37歳までに主務教諭にならないと、昇給は止まる」という点である。これは、昇給が止まらないようにするには、望まずともこの選考に受かるしか教員(職員)としての選択肢はないという事を意味しているのである。また、「懲戒処分を受けた場合」も対象外としている点である。現在、大阪市や大阪府の教育委員会では、「君が代起立斉唱」に関する校長の職務命令に従わない場合に条例を根拠に懲戒処分が発せられているが、この不服従の動きを根絶するための新たな圧力にしようと考えているのではないかと思う。

 山本晋次教育長は「細かな配慮が欠けていた。再検討したい」と発言しているが、「細かい配慮」というレベルの問題ではない。憲法が保障する思想・信条の自由(基本的人権)を認めない体制作りを強化しようとしているのである。

 

 

 

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