「国民学校令施行規則」第1章第1節第6条には「儀式(四大節、学校行事)を重んじ之を教科と併せ一体として教育の実を挙げるに力むべし」と定め、同じく「第47条」」には「紀元節、天長節、明治節、及び1月1日に於ては職員及び児童、学校に参集して左の式を行うべし
一、職員及び児童「君が代」を合唱す
二、職員及び児童は天皇陛下・皇后陛下の御影(御真影)に対し奉り最敬礼を行う
三、学校長は教育に関する勅語を奉読す
四、学校長は教育に関する勅語に基づき聖旨の在る所を誨告す
五、職員及び児童は其の祝日に相当する唱歌を合唱す
と定めていた。
文部省制定『礼法要綱』を基にした『文部省制定・昭和の国民礼法』には、
一、祝祭日には、国旗を掲げ、宮城を遥拝し、祝賀、敬粛の誠を表する。
二、紀元節・天長節・明治節及び1月1日に於ける学校の儀式は次の順序・方式による。
天皇陛下・皇后陛下の御写真(御真影)の覆を徹する。この際、一同上体を前に傾けて敬粛の意を表する。
次に天皇陛下・皇后陛下の御写真(御真影)に対し奉りて最敬礼を行う。
次に国歌をうたう。
次に学校長教育に関する勅語を奉読する。参列者は奉読の始まる前と同時に、上体を前に傾けて拝聴し、奉読の終わった時、敬礼して徐に元の姿勢に復する。
次に学校長訓話を行う。
次に当日の儀式用唱歌をうたう。
次に天皇陛下・皇后陛下の御写真に覆をする。この際、一同上体を前に傾けて敬粛の意を表する。
※式の一切を御写真(御真影)の御前で行う。
「注意」
一、天皇陛下の御写真は式場の正面正中に奉掲する。皇后陛下の御写真は、天皇陛下の御写真の左(拝して右)に奉掲する。
※天皇陛下の御写真を式場の正面の正中に、皇后陛下の御写真は天皇陛下の左(拝して右)に奉掲するのは、高御座の位置が紫宸殿の中央に南面しており、高御座の左が東で陽の方にあたり、第一の御座としてあるから。明治節の時には、明治天皇の御写真は天皇陛下の右(拝して左)に奉掲する。これらは今度新しく定められた点で、学校その他御写真を奉掲してあるところではこの様に改められなければいけない。
二、勅語謄本は箱より出し、小蓋又は台に載せて式場の上座に置くを例とする。
三、勅語奉読に当たっては、奉読者は特に容儀・服装に注意し、予め手を清める。(フロックコート・モーニングコート、国民服及び和服の場合は手袋を着用しない)謄本は丁寧慎重に扱い、奉読の前後に押戴く。
※従来は奉読に当たって、よく白手袋を着用していたが、上記の場合は着用しない。
四、勅語奉答の歌をうたう場合は、学校長訓話の前にする。
五、勅語奉読・訓話等は、御写真を奉掲する場合は御前を避け、しからざる場合は正面中央で行う。
六、皇后陛下御誕辰・皇太后陛下御誕辰を賀し奉る儀式を行う場合には、凡そ祝日に於ける儀式に準じて順序・方式を定める。遥拝式・勅語奉読式・入学式・卒業式又は記念式など学校に於ける諸儀式に就いても亦同じ。
七、学校以外の団体の行事は、適宜全各項に準じて行う。
※従来学校によっては勅語謄本を箱に入れて三方に載せて出すところがあったが、三方は食物を神に供える時に用いるものだから絶対に用いてはならない。
「勅語奉答の歌」作詞 勝安芳、作曲 小山作之助 1893年文部省告示・祝祭日唱歌
一、あやにかしこき すめらぎの あやにたふとき すめらぎの
あやにたふとく かしこくも 下したまへり 大みこと
二、これぞめでたき 日の本の 国の教えの もとゐなる
これぞめでたき 日の本の 人の教えの かがみなる
三、あやにかしこき すめらぎの みことのままに いそしみて
あやにたふとき すめらぎの 大御心に 答えまつらん
(2024年4月4日投稿)