ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

BCJ今期最後の定演

2006年02月23日 21時37分30秒 | 芸術
 今週は、月曜日と水曜日、オペラシティのコンサートホールに行きました。月曜日があの、ビオンディのエウローパ・ガランテのコンサート、そして昨夜は今期最後のバッハ・コレギウム・ジャパンの定期演奏会でした。実は私たちは、今期を最後に定期会員の継続手続きはしなかったのです。最近はコンサート中に睡魔に襲われて、何しに着たのかわからなかったり、どうも集中力がなくなってきたのです。年齢のせいでしょうか。都心に住んでいるわけではないから、帰りもつらいし・・・。ということで、夫はできる限りコンサートには行かないということに決めたそうで、私は代わりに、鈴木雅明さんの弟、鈴木秀美さんが主宰するオーケストラ・リベラ・クラシカの定期会員になることにしたのです。ハイドンやモーツァルトの演奏は、ワクワクドキドキして、そりゃもう楽しいからです。
 でも、昨日のBCJのコンサートは、ものすごく面白かったです。最近注目を集めている楽器ヴィオロンチェロピッコロ・ダ・スパラという、チェロのような大きな楽器を肩にのせて弾くスタイルの楽器が登場したのです。演奏者はディミトリー・バディアロフというロシア人です。彼のサイトはこちら。そして実際に、寺神戸さんもクイケンに影響されて、練習しているそうです。彼のブログに写真が載っています。
 ヴィオラ・ダ・ガンバのガンバは、あのガンバ大阪のガンバで「足」という意味。そして、同じように、ヴィオラ・ダ・スパラのスパラは「肩」です。いやー、よく演奏できると感心しました。かなり練習を積まないと無理でしょう。でも、チェロは座らないと演奏できませんが、あれだと、歩いても弾けるし、活躍の場が多かったのでは?ちなみに、チェロだって、エンドピンを使い始めたのはずっとあとなんですよね。やはり、ガンバのように、足に挟んでいたのが普通だったのです。
 さて、昨日はその面白い楽器ともう一つ、フラウト・ピッコロという、小さなリコーダーをダン・ラウリンが演奏しました。本当に小さいのです。ソプラニーノ・リコーダーとなっていました。彼はその小さなリコーダーを本当に見事に演奏します。小さくて、まるで指の動きが鳥の翼のように見えるんです(トリノオリンピック?)。さすが、名人芸!この二人の演奏と、いつもの若松夏美さんのバロックヴァイオリンのソロ、最後を飾るのにふさわしい素晴らしい演奏でした。ちょっと継続を辞めたのを後悔してしまいました。
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バッハだって、間違える!?

2006年02月23日 17時44分11秒 | 音楽
 今日、所属の弦楽合奏団の練習があり、例の楽譜のコピーを持って指導の先生にちょっときいてみました。K先生は、M音大で長く教鞭をとっていて、古楽にも造詣が深く、いまはアマオケの指導を中心に活動しているとても熱心な先生です。私が、あのバッハの自筆譜と違う楽譜の音について伺うと、出版社が意図的に替えることもあるそうで、自分の意見だけれどといって、その部分の音型からいって、自筆譜よりもベーレンライターの楽譜のほうが自然だと思うとおっしゃいました。だから、自筆譜にこだわってその音を使うのも、どうかということになりました。作曲家が絶対にミスをしないということはありえないし、うっかり間違えたということは大いにありうることです。大バッハだって、そうです。言われてみると、なるほどと思いました。だから、クレメルやレイチェル・ポッジャーが、自筆譜を知っていた上で違う音を弾いたのかもしれないし、それは当人に聞かないとわかりませんが、知らなかったからだと断定した私は、やはりいけないですよね(反省)。問題の箇所は、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ2番のフーガの183小節目。2拍目の2番目の音が、バッハの自筆譜ではGだけれど、ヘンレやベーレンライターではAになっているのです。でも、後の小節の音形から、Aのほうが自然なんですよね。出版社があえて変えたというのも、よくあるらしいのです。本人が生きていたら、「こりゃうっかりしてた!」なんてこともざらにあるでしょうね。
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