米国の政治には多くの問題があるが、世論の動向に敏感なことは、学ばなければいけないことだ。中間選挙の敗北を受けて、ラムズフェルド国防長官は退陣し、後任のゲーツ新長官は「イラク戦争は敗北している」と言い切り、ボルトン国連大使も辞任、べーカー元国務長官らの「イラク研究グループ」が出した提言は「2008年春の大半撤退」だった。
だが日本流はどうだ? 「イラク戦争支持」の誤りすら認めないまま。反対集会や動きが続いている教育基本法改正も、「海外派遣の本来任務化」の論議は置き去りの防衛省法案も、「ちょっと待てよ?」という問いかけはないまま突っ走る。
「ここまで来た以上は、成立させるしかない。乾坤一擲、相手を撃つのみだ」-。新聞も「成立の見通し」とこれを支援する。
ちょうど65年前、日本はそう決めて真珠湾を「先制攻撃」した。「暗澹たる思い」が、多くの知識人の日記に残されている。新聞は「見通し」にこだわるのではなく、その見通しを変える動きも報じなければならない。
だが日本流はどうだ? 「イラク戦争支持」の誤りすら認めないまま。反対集会や動きが続いている教育基本法改正も、「海外派遣の本来任務化」の論議は置き去りの防衛省法案も、「ちょっと待てよ?」という問いかけはないまま突っ走る。
「ここまで来た以上は、成立させるしかない。乾坤一擲、相手を撃つのみだ」-。新聞も「成立の見通し」とこれを支援する。
ちょうど65年前、日本はそう決めて真珠湾を「先制攻撃」した。「暗澹たる思い」が、多くの知識人の日記に残されている。新聞は「見通し」にこだわるのではなく、その見通しを変える動きも報じなければならない。