九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

アナン国連事務総長の最後の記者会見 ‥‥ 千里眼

2007年01月04日 17時48分28秒 | Weblog
 年末12月19日、アナン国連事務総長の最後の記者会見があった。その席上、10年間の在任中での最悪の出来事はと問われたのに対し、アナン事務総長は「イラク戦争を阻止できなかったこと」と答えたそうだ(中日新聞による)。続けて「イラク戦争の教訓は重い。次回から武力行使は必ず国連安保理の決議に基づくべきだ」と答えている。
 
 ブッシュ大統領を名指しで批判することは避けたものの、このアナン総長の発言は、国連を無視してイラク攻撃に踏み切った米国をあらためて非難したものであることは明らかである。

 このアナン前事務総長の発言と関連して、いくつか私の想いを記したい。
 
・新事務総長潘基文(バン・ギムン)氏に何を期待できるのか。
 アメリカによって貶められた国連の権威回復をはかること、世界平和の砦としての国連の地歩を高めること、を潘氏に期待したい。しかし、それが可能か、一抹の不安を私は持っている。韓国政府は世界的視野のもとでの世界平和への貢献という点では、北欧諸国に較べるとはるかに弱いと思う。事務総長としては、出身国とは無関係に活動するのではあるが、出身国のバックアップが必要なこともあるであろう。
 潘氏の主要な経歴を記すと、1978年 国連代表1等書記官、1992年 駐米公使、1998年 駐オーストリア大使、2001年 国連大使、2004年 外交通商部長官。このように、外交官として主にアメリカと国連で活動してきた経歴の持ち主である。アメリカの横暴を押さえ込むことが出来るのであろうか。

・このアナン発言を聞いて、小泉前首相はどう思うのであろうか。
 このイラク戦争のさい、国会答弁でも記者会見でも繰り返して、小泉前首相は国連決議に基づいてアメリカは出兵したのだと発言していた。それを取り消してはいない。このような見え透いたウソ発言を、私は当時どうしても許せなかった。その発言を許してきた野党にも腹を立てていたのだ。このアナン氏の発言に対する小泉氏の感想を聞きたいものだ。

・潘氏の任期中の重要課題としては、①イラク情勢を安定化すること、②中東の和平、③国連の機構改革、などなどがある。きわめて困難な課題ばかりである。国連機構の改革については、アナン前総長時代には問題になってなかった「常任理事国の拒否権」問題が一番の問題だと考えている。既得権を侵すことになるので、それを問題提起することすら難しいであろう。次善の策として、憲章第12条を一部修正することが必要であろう。「安全保障理事会がこの憲章によって与えられた任務をいずれかの紛争又は事態について遂行している間は、総会は、安全保障理事会が要請しない限り、この紛争又は事態について、いかなる勧告もしてはならない」という条文の最後に、「ただし総会は安全保障理事会に対しては勧告できる」という内容を加えることで、一定の歯止めをかけることができると思う。常任理事国の横暴があったとき、それを抑えるためには、これ位の歯止めは必要である。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする