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「初の米国女性下院議長誕生」   ミセス・ネット虫

2007年01月21日 21時36分04秒 | Weblog
「米国の3番目の政治的パワーを持ったNancy Pelosi(ナンシーペロシ)
お正月らしく、初もの尽くしのアメリカ」

昨日は、お正月らしく、以下の「初もの尽くし」とも言うべき形容詞で飾られて、Nancy Pelosi(ナンシー・ペロシ)が、米国下院議長に正式に就任しました。

初の女性下院議長
初のカリフォルニア州選出の下院議長
初のイタリア系アメリカ人の下院議長
キッチンから下院議長にのぼりつめたナンシー

サンフランシスコ選出の66歳のナンシーは、High Profile(高いキャリア)の女性にとって「Perfect Husband(完全な夫)」*と呼ばれる富裕な投資家Paul Pelosi(ポール・ペロシ)との間に、5人の子供をもうけて、子育て終了後の46歳の時に、政界入りを果たした女性です。「Kitchen to the House(台所から下院議長)」へ上り詰めた彼女は、カソリックであるにも拘らず、同性間の法的な結婚問題、胚性幹細胞研究の促進、女性の中絶の権利など、反宗教的な問題にも擁護する姿勢をみせる、サンフランシスコ**きってのリベラル派です。

*Perfect Husband(パーフェクトな夫):43年間の結婚生活を共にする夫のポールは、1987年の彼女の当選以来、常に彼女の政治活動をバックステージで支えてきた「Mr. Nancy Pelosi的な人」です。金銭面での支えを含めて、彼女の20年間の政治的活動が成功するように、自らの投資やビジネス活動も彼女の障害にならないように、気をつけて行ってきた人で、彼女の最大のサポーターと言われています。

**サンフランシスコ:ビートニック、ヒッピー、ゲイマリッジなどを生み出し、擁護してきたサンフランシスコは、他の州の人から見ると、政治的に非常に急進的で、米国民のマジョリティから程遠い、ちょっとクレージーな人たちという意味を感じさせるようです。

ルーズベルト大統領以来の政治一家に育ったナンシー

彼女のボルチモアの実家は、父親は市長と下院議員、兄も市長という政治一家で、1947年、彼女が7歳の時に、父親の市長就任宣誓式で演説したのが、「最初の政治活動」と言われているぐらい政治的環境で育っています。良くある女性議員の成り立ちで、夫や父親が亡くなったために政界入りするというパターンとは異なります。

強硬なリベラル派がどこまで議会運営の舵取りができるか?

イラク戦争の早期解決を目指すナンシーは、昨年院内総務候補として、イラク撤兵を唱える海兵隊出身のMurtha(マーサ)下院議員を選んで(結果は民主党内の反発を買って、No2のHoyer下院議員を選出することになります)、自身のイラク戦争への態度を見せ付けるなど、その強気な姿勢はいたるところで、目につきます。昨日は、就任早々、「議員モラルを高める」ために、ロビーイストやサポーターによる食費や旅費の供与は認めないという方針を打ち出し、共和党との相談もなく出されたこの提案は、「横っ面を張り倒されたようだ」と言わせるほどの反発も買っています。今後どこまで、このリベラル派のナンシーーが、議長として両党およびブッシュ政権との間で、上手に調整を図って、国民の声を政治に反映できるかは、非常に興味深いところです。

「シーザー以来最もパワフルなイタリア人」は、米国のNo3の政治家となる

米国では、上院議長は、常に副大統領が務めるため、今日のタイトルに書いたとおり、彼女は米国の大統領、副大統領に次ぐ3番目に政治的なパワーを持つ存在となりました。彼女は、「通常の女性がGlass Ceilling(ガラスの天井)を打ち破るだけでなく、Marble Ceiling(大理石の天井)を打ち破って行く」と語ったほど、今回の就任の持つ意味が、米国女性の意識改革に大きな役割を果たすと語っています。また、これは女性だけに限らずイタリア系の米国人にとっても、画期的な出来事で、「Most Powerful Italian since Caesar(シーザー以来の最もパワフルなイタリア人)」と呼んで、大いに祝福しているようです。

Second Life(セカンドライフ) にも登場するナンシー

今日のSF Chronicleによると、彼女が「Second Lifeのヴァーチャルな下院」に登場する予定であると発表しています。「ネクストジェネレーションとエンゲージするためにも、重要なことである」と言う話を聞くと、ますますサンフランシスコぽくって、いいな、と思いました。

また、ナンシーが議長に選出された瞬間、彼女は5人の孫たちに囲まれながら、6人目の生後2ヶ月の男の子の孫を抱いており、あわてて赤ちゃんを娘に渡すという、今までの議長選出ではありえない光景を目の当たりして、時代は変わっていくと、感じました。

モメンタムに乗って

ブッシュ政権との交渉、議会運営など、チャレンジングな課題を抱えているナンシーに対して、周囲はそんなに楽観的にモノゴトは推移しないという目を向けていますが、彼女には今、国民の声の反映である中間選挙の民主党の勝利という「Momentum(勢い)」があります。今までのやり方ではないものを求めている国民は、彼女がどこまで、モメンタムを活かせるか、見守っています。

2007年1月 5日 (金)  ミセス・ひさみ   
コメント (2)
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安倍晋三氏は語る  ‥‥ 千里眼

2007年01月21日 05時13分00秒 | Weblog
 「憲法第九条第二項には、『交戦権は、これを認めない』という条文がある。これをどう解釈するのか、半世紀にわたって、ほとんど神学論争に近い論争がくりかえされてきた。‥‥この神学論争は、いまどうなっているか。明らかに甚大な被害が出るであろう状況がわかっていても、こちらかに被害が生じてからしか、反撃ができないというのが、憲法解釈の答えなのである。」「たとえば日本を攻撃するために、東京湾に、大量破壊兵器を積んだテロリストの工作船がやってきても、向こうから何らかの攻撃がないかぎり、こちらから武力を行使して、相手を排除することはできないのだ。わが国の安全保障と憲法との乖離を解釈でしのぐのは、もはや限界にあることがおわかりだろう」(安倍晋三「美しい国へ」P133~4)、と書いている。

 こんな低レベルの論理で憲法改正を進められたら、国民としてはたまったものではない。国籍不明の船が領海内に進入したら、その段階で「自衛権」を発動できるというのは国際常識である。安倍首相はそんなことも知らないとは恐れ入ったことである。停戦を命じて臨検し、抵抗した場合には「危急性」についてケース・バイ・ケースの判断もあろうが、原則的に発砲することは国際法として許されている行為である。これは「国の交戦権」ではない。しかも、現行国内法の範囲内で処理できる問題なのだ。

 そもそも、テロリストは「国家の交戦権」の対象にならない。テロリストは国家ではないのだ。武力の面で警察や海上保安庁の手にあまるならば、自衛隊に「防衛出動」を命じればよいのだ。これは憲法違反に当たらないことは、すでに実証済みである。げんに北朝鮮の工作船を撃沈しているのである。

 テロリストとか工作船という言葉を出せば、国民を騙せると思ったのであろう。安倍晋三氏の本音は別にあるのだ。 
コメント (5)
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日本財界が2週間で7500万ドルをパクられた話   文科系

2007年01月21日 03時34分55秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 95年2月27日イギリスの名門銀行ベアリングズ社が倒産した。シンガポール支社の28歳のデリバティブ・トレーダーが10億ドルの損失を出したことが原因である。イングランド銀行が主要銀行に呼びかけて緊急救済検討会議を持ったが、「白紙の小切手にサインすることと同じ」という事態であると認定して、救済を断念。この倒産が、ベアリングズ社に貸していた日本の銀行の焦げ付きや、デリバティブ損失絡みの東京株式市場暴落(14ヶ月続いた)やをもたらし、日本企業の春の決算期は粉飾の必要に迫られていた。従来保守的であった日本企業にたいして、米デリバティブ・セールスの絶好機到来なのである。「手っ取り早く儲けて」損失を隠したがっていた日本企業に「歴然たる詐欺を働いているよう」なデリバティブが、さー売れるぞ! 著者は語る、「誰が実際にベアリングズ社に金を貸していたかかが分かったときの至上の喜び!」!
 モルガンのある上司の言葉 「われわれは死に物狂いのクライアントを愛し、彼らを見ると興奮する。われわれは必死の人々からたくさんの金を稼がせてもらってきた」
 しかも、「日本の証券会社はアメリカよりずっと進んでいて、何年も金融的な詐欺を手がけて、みごとに成功していた」、「日本の最大手の投資家たちは、どれだけ切羽詰まっても、もう財務的詐欺を犯すために日本の証券会社を使いたがらなかった」

一体どんなデリバティブ商品を、モルガンはこの年度末粉飾決算までの1ヶ月足らずの間に売ったのか?

 アメリカン・モーゲージ(mortgage、抵当)・インベスティメント・トラスト
ここには「高価なプレミア部分」と「安価なディスカウント部分」とが含まれている。この場合具体的には、前者は住宅ローンの支払い時に使われる小切手が政府系の金融機関にプールされるのだが、このプールをモーゲージ証券の基本とするというような担保付抵当証券の一種であり、後者は「アメリカ政府によって将来の特定の日付に支払われるただ1回の支払いである」。
 作者はこれを売った場合の以降の成り行きについて、例えを使ってこう語る。
 
 100ドルで、金入りの壺を「いつでも超特大プレミア、利子付きで換金します」という鳴り物入りで売る。体積の半分は金で90ドル、あとの半分は銅で10ドルである(客には中身は見えない)が、その「平均」体積の半分の50ドル分は将来でないと換金できない仕組である。さて客たちが最初の半分を契約後直ぐに換金に来た。「平均」50ドル分が実に90ドルで支払われたのだ。銅を含まず金の部分で支払っただけなのであるが、将来はもっともっと!と、客は一安心。なんせ短期間に8割の利子である。将来はどれだけの利子になるか!
 舞台裏の実際はこうだ。最初に金部分を換金してあげただけ、将来の「半分」は当然、銅の価値しか支払われない。「平均」半分の50ドル分が10ドルにしかならないのである。しかしその将来には、壺を買った担当者も退職、新担当者には「情勢が変わった」とかなんとかで、後は野となれ山となれ!いずれにしても双方共に「他の誰かの問題となるだろう」。

 モルガンのセールスマンたち皆がこのAMITのことをこう呼んでいたという。shamit(にせもの)、scamit(ぺてん)と。なおこれを作者はこう語る。「すべてのデリバティブの母であり、ウオール街でも、モルガンの60年の歴史でも最も儲かった取引であった」と。

 この商品を買ったのは日本のリース会社や商社だそうだ。これによるモルガンの利益は7500万ドル、それもわずか2週間の仕事だ! 因みにこの間3月末まで、米国国債市場も急騰したということである。   
コメント (8)
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