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「従米か愛国か」、孫崎享の2書の要約①   文科系

2017年01月18日 18時24分16秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
1 前置き

 このブログをやり出してからずっと、一つの疑問があった。近年の世界情勢認識において誰が考えても最大の問題のはずだが、50年ぶりの冷戦終結後もアメリカの軍事力はなぜ減っていかなかったのかという問いだ。なんせ、リーマンショク以降も、世界の恐慌状態やますます深刻になる貧困層対策を尻目に、冷戦時以上の軍事充実ぶりである。世界の不幸の大本のひとつと述べても良いのではないか。これは日本にとっても最大の政治情勢問題なのであって、ここの正しい認識を抜きにしては日本のどんな政治・経済、社会問題も何一つ正確には分析できないという性格を有していると考えていた。そこへ格好の著者の好著が出て来たから、すぐに買って、読み始めていた。孫崎享の「戦後史の正体」と「アメリカに潰された政治家たち」である。前者は12年8月、後者は9月の第一版第一刷発行である。悪書を読むのは人生最大の浪費と言うが、この著者と著作が僕の問題意識から言ってその正反対のものではないかと、まず示しておきたい。
 
 孫崎享はこういう人物だ。43年生まれで外務省に入省し、ウズベキスタンやイランの大使を歴任し、国際情報局長から、最後は防衛大学教授を務めていた。日本最高レベルの情報掌握者であって、かつ冷戦直後の93~96年にウズベキ大使を務めていたとなれば、冷戦後のアメリカ、その恥部などを最もよく知っている人物と言えるだろう。そういう人物が退職後の晩年に近くなって反米物を書くとすれば、これは一読の価値ありというものである。この2冊の本をしばらく紹介していきたい。

2 冷戦後の米最大課題二つ

 はじめに、冷戦後のアメリカと、その対日政策の始まりの部分を見てみる。以下『 』は、僕のエントリーでいつものように著作の抜粋だ。「戦後史の正体」第6章「冷戦終結と米国の変容」からとったものである。

 孫崎はこの章の書き出し近くで、こんな文章を引用している。後のアメリカ統合参謀本部議長コリン・パウエルが、議長就任の前年1988年春にソ連のゴルバチョフから打ち明けられた話なのである。
『「1988年春、ゴルバチョフは私に『将来私は冷戦を終わらせるつもりだ。あなたは新しい敵を探さなければならない』と述べた。『信じられない。しかし彼は本気だ』私は口にこそ出さなかったがこう思ったものである」(中略)
 米軍がこれまで維持してきた膨大な兵士や兵器は不要になります。ソ連を仮想敵国として作られてきた軍事戦略も意味のないものになります』
『こうした状況のなかで米国が考えるべきことは次のふたつです。ひとつは「ソ連が崩壊したあとも、われわれは強大な軍事力を維持する必要があるだろうか。もし維持しようとした場合、国民の支持が得られるだろうか」という問題です。もうひとつは「日本の経済力にどうやって対抗するか」という問題です』

 終戦直後の日本の戦後方向を、アメリカ、占領軍が途中から転換させ始めたというのは有名な話である。足腰立たぬように押さえつける方向から、冷戦に対して活用していこうと。そのためにこそ、天皇を中心とした戦前からの種々の体質なども、一定温存し始めたのであった。これは、戦後史の定説になっているはずだ。その時以来の、日本の方向転換が冷戦終結によってなされ始めたと、そういうことなのである。どんなふうにして?  


(続く ここへの初出13年1月3日。その再掲です。5回程に分けて続けます。)
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「よたよたランナーの手記」(184) 筋力が落ちたから・・・   文科系

2017年01月18日 15時51分17秒 | スポーツ
 前回以降を30分×2回の距離で書くが、このように走った。7日8・2キロ、10日7・6キロ、13日7・5キロ、16日7・6キロ。走力ががたんと下がってきた。基礎体温の低下は前回書いたが、走行中に弱い部分に痛みが出るようになった。筋力も落ちているのだろう。主に右脚なのだが、アキレス腱と膝である。膝は鈍い痛みで、普通速度で走る妨げにはまだなっていないが、アキレス腱は流石に大事を取った。16日のこと、後半の半分程は時速6キロちょっとで歩いている。前立腺癌治療の後遺症である尿の状態が改善されたら、おいおい弱い部分の筋力を補強していかねばならない。

 まだまだ筋力を補強できると思えるのは嬉しいが、これがいつか出来なくなるときが来るのだ。通っている市営ジムでも、ランナーとしては女性を含めてもいつの間にか最高齢と気付いた。活動年齢が女性で79歳程、男性73歳程と聞くから、無理もないのである。いくら低速でもランナーというのは、普通の活動に支障がないという程度の筋力では必ず故障が出てくるのだから。これに関連して、最近医者が語るこんな格言もあるほどだ。
「時速7キロ以上で歩ける人は、長生きする」
 こういう人は、活動年齢も女性並みに長くなるということだろう。

「走れている間は大丈夫」。これが、活動年齢を伸ばす僕のやり方でもある。ちなみに、癌治療から走りをセーブしている分、昨今はギターレッスンに励むことが出来ている。1日に2~3時間弾いているだろう。間違いなく、僕のギター生活で最も上手くなったピークの時期と言える。タレガのマリーアや、バリオスの「郷愁のショーロ」を人前で弾いてみようかという時が僕に訪れるなんて、3年前には思いもしなかったことである。
 2月5日には、10年近く続いている「ギター遊びの会」がある。この親しいギター仲間のパーティーにも10年近く経つといろんなゲスト参加者が生まれてきたのだが、今回はピアノ弾きとカンツォーネ歌手各お一人が参加する。5月の会には、ある尺八奏者を二度目にお迎えするということになっている。もちろん、ギターとの合奏もあるのだ。
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