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タリバンの歴史から、日本を考える  文科系

2021年08月12日 14時48分42秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 この題名を見ただけで以下の概容を想像出来るお方は、それなりのお年の歴史好きであろう。
 タリバン、その政権は、米ソ冷戦時代の産物と言える。対ソ戦略として米軍によって重武装強化された末に、生まれたものだ。ソ連崩壊後に、9・11米アフガン戦争によってこのタリバン政権が倒され、野に放たれた。以来20年、ベトナム戦争を超えて米軍史上最長の戦争相手となったのである。
 そして米軍撤退も終わり際の今、親米政権は風前の灯火で、タリバン政権誕生確実という光景が演じられている。

 米軍が作って、倒し、その米軍と戦争して20年、遂に自力で誕生する政権!

 振り返って日本を見てみよう。対ソ冷戦中の日本は、アメリカの西部最前線としてその軍事増強を図るためにも、経済が自由に発展させられた。ソ連崩壊直後の日本が「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼ばれ、この日本経済発展と結びついたNIES、東アジア新興工業国の経済発展も史上有名である。が、ソ連崩壊直後の90年代に何が起こったか。日本住宅バブル破裂と、アジア通貨危機である。これらはアメリカが起こしたものであるというのは今は明らかだろう。以降の日本経済は衰退の一途を辿っていき、国民一人当たり購買力平価GDPで見ると、東アジアNIES諸国にもどんどん追い越されていった。シンガポール、香港、台湾にも、そして19年度には韓国にさえも追い抜かれて、当時世界5位前後であったこのGDPが今や33位である。ただこの世界5位日本はもう、50代以上の方々でなければ覚えていない昔の話になってしまった。覚えていないことは普通、これが関係するすべては考えられないということ、だ。
 

 さて、これだけ貧しくなった日本が今、米中対立のやはり西部最前線に立たされているのである。日本にとって最大の貿易相手国中国に敵対せよという形で。ちなみに、お隣の韓国が一人当たりGDPで日本を追い越していったのは、対中経済接近からであるのは明らかだろう。

 さて、日本は国のこれからの東アジア進路というものをよくよく考えてみる必要がある。そもそも一体、アメリカはなぜ、どのように、中国冷戦を進めていこうとしているのか。この理由と行く末とを日本人が十分主体的に見定めることなくしては、タリバン(政府)や90年代日本と同じように、アメリカに翻弄されることは明らかなのだ。こういう長期思考を要する地政学局面こそ、例えば近現代史家総動員の時なのだが、今の政府はまともな人文科学者からはおよそ何も学ぼうとしていない。それどころか、専門家らの意見など全く聞こうとはせず、近視眼だけの、ヒラメ学者、ヒラメ官僚、ヒラメ審議会員を侍らせる裸の王様になっている。管の「私は人事で政治をやる」とはそういう宣言だろう。裸の大様で開き直っているのだ。精一杯の抵抗を示していたやの尾身さんを筆頭に、今回のコロナ下五輪は、こういう事実、政府の無能を余すところなく示したものである。

 以上すべてが、国庫累積赤字はGDPの2倍を通り越して、官製バブル絡みの見せかけ金融(時価)「利益」で精いっぱい化粧し続けているだけの、史上かつてない大変な少子化国の話なのである。因みに、アメリカは国家累積赤字がGDPの2倍だと公表しているが、2015年に元会計検査委員長が試算したところでは4倍と言う数字が発表されたことがある。斜陽の国の悲劇は、隠されているものが多すぎるのだ。ヒラメ官僚は政権の言うままに国の悲劇を隠蔽するものである。安倍が行った国家統計改ざんには、この30年日本の猛烈な斜陽の姿には、国民には隠されたものが無数なのではないか。

 政権が続けば良いというだけの「ヤッテル感」政治。
 わが亡き後に洪水の来たれ!

コメント (1)
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