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世界諸悪の根源を巡る現状  文科系

2022年02月04日 00時13分54秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 現代世界は今や苦難に満ちている。世界の負債は200兆ドルを超えて、世界隅々の必要なところの金まで他所に掻き集められていく有様だし、日米など旧先進国では格差が激しすぎるようになっただけでなく、不安定労働者、失業者が溢れ、国家財政はどこも大赤字である。国連の支援がなければ食えない国も増えているだろう。これらの元凶が、ここ数十年の株主利益最大化方針を採る金融資本主義の仕組にあることは、誰の目にもすでに明らかになっている。株価に連動して巨額報酬を受け取る社長たちは、コストダウンに励んで作った利益を税にさえ回さぬように工夫しつつ株主に還元し、その金がまた株に投資されるという仕組によって、働く者は二重三重に貧しくなって株価だけの景況が謳われるようになった。これら世界の大株主達のご本家・アメリカでも流石に反省が始まっていて、そのことをここでも何回か書いてきた。

 2019年の夏、全米経営者団体ビジネス・ラウンド・テーブルが「これからは、ステークホルダーの利益も考えるようにしていく」と言う声明(これを「パーパス文書」と呼ぶようだ)を内外に発したのは有名な話である。このことは、2019年の当ブログ8月21日、26日エントリーで扱い、以降も折に触れて言及してきた。

  ところがここに来て、この声明がいかに口だけのものであって、株主資本主義の暴力はいっそう大きく続いていると、この1月29日の朝日新聞「強欲の代償 ボーイング危機を追う⑤」が明らかにしている。この文末結びの部分を抜粋してみよう。

『「改心」の本気度が、コロナ危機で試された。20年春、(パーパス)文書に署名した企業の行動をペンシルベニア大の准教授タイラー・ライが調べた。署名しなかった同規模の企業よりも、署名企業は2割多く株主に還元していた。人員削減した割合は2割高かった。物資増産や緊急支援、商品の値下げも署名企業はむしろ消極的だった。「株主に多く還元してきた企業ほど、今回も『悪い』行動を取る傾向が強かったのは注目に値する」とライは言う。
 環境・社会・ガバナンスを重視する「ESG投資」が一段と広がり、むき出しの株主至上主義は後景に退いたかのようにみえる。とりわけ地球環境というステークホルダーに対する経営者の意識は様変わりした。
 しかし、株主資本主義を支えてきた株価連動型の経営幹部への巨額報酬を見直そうという議論や、富裕税導入に向けた動きは鈍い。コロナ禍で経営幹部と働き手の所得格差は一段と広がった。経営者は身を切らず、最重要の利害関係者である働き手を置き去りにして「ステークホルダー資本主義」はおぼつかない。』

 なお、以上の内容に関連して、当ブログ最近のこのエントリーもお読み願えれば嬉しい。パーパス文書、SDG、ゴールドマンなど世界大金融450機関が関与した「グラスゴー同盟」の動きという三つが絡み合った、今後世界の巨大舞台が展開され始めたというものだ。
SDGには国連イニシアティブが必要  文科系 2022年01月25日

 アジア通貨危機など打ち続いた世界の金融危機や、リーマンショックなどを起こした世界の金融暴力を抑えうるものは、国連金融規制しかない。リーマンショック総括として話題になったこの規制論議(たとえば、「国連スティグリッツ報告」)をアメリカ政府は猛烈に妨害し続けてきたが、アメリカ現在の国連無視は今や「金融規制妨害」と同義語なのでもあろうか。 

コメント (1)
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