ちょっとマニアックなフットボーリスタ2月増刊号「Jリーグ2022」特集を全部読んだ。名選手たちからの高評価など噂にも聞いて来たし、何回かそのゲームも観てきた浦和のMF小泉佳穂(25)の記事があったからだ。その記事の題名からして凄まじい。
「日本で圧倒的な選手になる」
この題名内容に該当する記事部分を抜粋してみよう。
『僕が一番うまくて、その一番うまい僕がパス&コントロールを誰よりも集中してやっているから、周りがサボれない、周りもやるようになるという状態をつくりたい。そういうモチベーションを持ってやっています』
『僕は走行距離も多かったり、守備のところでもハードワークしているという自負がある。ボールをもらうポジショニングや味方を助けるところ、どこにでも顔を出すこともすごく意識してやっていて。そこからの攻撃ペースをコントロールできるのが、自分の一番の強みなので、それプラス、ゴール前でプレーする回数を増やすことがどれくらい可能なのかチャレンジしてみたんですけど・・・』
『まずは日本で圧倒的な選手になりたいと思っているので。そうなって初めて、海外でのプレーを考えることができるというか。これは人それぞれの価値観なので、海外に行けるなら行くという考えを否定しませんが、僕はそういう考えではないんですよ』
どうだろう、日本が世界に誇ってきたMFでもまだ25歳でこれだけのことが言えた選手は、Jリーグの歴史でも中田英寿、小野らぐらいだろうが、彼らでもこんな事は語らなかった。かと言って小泉のこれが大言壮語かと言うと、違うと思う。上のボランチ2人の長所を小泉は先ずすべて持っているうえに、現代サッカー必須の能力、守備力もあの小さい身体でちゃんと備えているのだ。それも、日本の世界順位が14年ブラジルW杯前を乗り越えてかって無く高くなりつつある今現在という時代に於いて。
ちなみに、中村憲剛は、日本だけにいて川崎という往年の磐田、鹿島に匹敵するJリーグ歴史的強豪を作り上げた希有な人物である。今小泉の上の言葉を聞くと、浦和にずっといてこんな強豪に押し上げて欲しいという気がしてくる。「止める蹴る」はもちろん、走力、立ち位置、広い視野、戦術眼などすべてが備わった選手だから、それにプラスして憲剛のような言語力を駆使して組織、仲間を引っ張り上げる力までを期待できる人物ではないか。今の浦和は12日の富士フイルムスーパーカップ(J優勝川崎と天皇杯浦和との闘い)で早速川崎を退けて見せた。それも、「相手を潰す力」で圧倒した2対0である。
今年の浦和は「刮目して観よ!」だ。小泉佳穂とともに。